セクハラヤジが人権問題に発展すると困る蓮舫

 ケネディ駐日大使がエールを贈った時点で結論が出た気がする「セクハラヤジ騒動」。今日もテレビ朝日は元気よく突っ込みをいれていましたが、安倍晋三を抹殺したいのなら、本体を攻撃すれば良いのに、しかし、じっくりと首相の進める政策を見ると、移民受け入れ、女性の社会進出の促進など、解釈によっては「左翼」と重なるので、放置しているのでしょうか。

 それはさておき、本件の論点はふたつ。意図的に混同する報道が目立ちますが、「ヤジ(不規則発言)」と「セクハラ」で、どちらも追究不足である理由は明白です。

 ヤジを全面禁止にすると困るのは、実は野党。特に左翼色の強い政党は、ヤジによる抗議ぐらいしか見せ場がないという側面があり、ヤジを全面禁止すれば多数派が粛々と決議していくだけの場になります。

 ご存じない方のためにフォローしておけば、塩村文夏嬢が発言した場面は「丁々発止」のターンではなく、いうなれば「主張」の場で、そこで「議論」は行われません。それは与野党ともに同じです。

 だからヤジを完全に禁止すれば、人数の少ない会派は出番をなくします。それもありといえばアリですが、「ヤジは議会の華」などとうっすらと呆けるばかりで、この現実に触れた報道はありません。

 そしてもうひとつの「セクハラ」ですが、これを「人権」と絡める動きもありますが、盛り上がりに欠けるのはなぜでしょうか。しかし、「セクハラ」と大上段に構え、世界的潮流からどうだとか、日本が遅れているというのなら、議会からすべてのセクハラ、すなわち人権侵害を排除しろ! という主張なら健全です。

 ところが政治アナリストも、ジャーナリストの青木理も指摘しません。簡単なことです。ヤジではなく、各種委員会でも「人格攻撃」が日常的に行われており、それを問題と責め立てると、自民党をいじめてきた野党とメディアの日頃の振る舞いへ、突き刺さる諸刃の剣だからです。

 とはいえ、安倍首相の前回の辞任と、再登板に際して

「ポンポン痛くなった」

 と難病を、いや難病でなくても病気をあげつらった連中のなかには、セクハラだけは別とでも言うのか、というより己の発言を忘れたかのように攻撃しているものもいました。自身が望まずとも訪れる病気はあざけり、「先生の努力」で可能な結婚は指摘してはならないということでしょうか。

 しかし、やはり多くのメディアと、そこに登場する連中が「人権」が話題になると言葉が濁るのは、己の日頃の振る舞いに、思い当たることがあるからでしょう。そして、こうした事例に飛びつく、民主党の蓮舫議員が大人しいのも同じ理由ではないでしょうか。

 政権交代前の2006年の予算委員会。蓮舫議員は、少子化担当大臣だった猪口邦子氏へ、障害者についての勉強が不足していると詰りました。

「一生懸命学んで勉強されてこられたようですが、もっと広い観点で勉強していただかないと」

 後にこの発言に与謝野馨氏の告発で発覚するわけですが、猪口邦子氏は障害を持つお子さんを育てられているということです。つまり、親として勉強不足と受け取れなくもありません。

 蓮舫を庇う連中は「知らなかった」と強弁します。しかし、その後、蓮舫が謝罪をしたという話しは聞きませんし、個人的には謝罪は不用と考えます。なぜなら、予算委員会もまたが議論の場で、そこに立つものは「個人」を超越した、議員ないしは大臣という立場で発言しているからです。

 つまり猪口邦子氏の個人的事情を斟酌する・・・かしないかは、質問者の個人的性向によるもので、その質問をした政治家を有権者が判断する材料になるということです。そして残念ながら東京選挙区では蓮舫は当選しています。障害者の親を罵倒しても当選するのもまた民意です。

 翻りセクハラヤジ。問題が無いというより、そういう資質の人間がいた。特に自民党で2件発覚した、それだけの事例です。また、セクハラを受けた、と、される、女の子と女性議員(どちらがどちらかは対応からご判断を)の政治屋としての資質も明らかになったということです。ついでに言えば、事態の早期収束を測らず、反対に大問題にする程の指導力のない、それぞれの所属政党の実力も見えたという点において、本件は国民の利益に資するものだったと解釈しています。

 それと本件に絡めて「子供は生む機械」発言までほじくり返して非難しますが、この発言は表現の稚拙さを脇に置けば、生命科学においては当然の話で、同時に少子化対策の根源的な課題に直面するのですが、情緒的な話しに終始し、日本が直面している大命題から論点がずれていることも・・・いつもの政治と、アンチ自民党芸人の議論の迷走だったりします。

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