入れ墨論争といえば、市長を辞任するとかしないとか、選挙をやるとかやらんとかと大騒ぎの橋下徹氏が、市職員の聞き取り調査を始めたときからでしょうか。
銭湯やサウナは入れ墨入浴禁止が基本で、プールもこれにならい、海水浴場でも禁止するところがでてきました。
これに対して「ファッション」だという反論もあります。
そして「ファッション」においては正解であることを本書は教えてくれます。
幕末から明治期に日本に立ち寄った外国人は、人力車の車夫が暑さのなか、服を脱いだところ、そこにもう一枚の肌にピッタリ馴染む「ユニフォーム」を着ている、つまりは入れ墨を紹介し、その品質の高さを世界中に宣伝します。
そして英国王室の多くが、またロシアのニコライ二世は皇太子時代、大津事件で襲撃される直前の長崎滞在中、右腕に龍の入れ墨を彫ったいたようです。
だろ? ファッションだよ。遅れているなぁ・・・とはいいません。やはり入れ墨は特別なメッセージがあるからです。
日本では先のように、リアルな「肌着」としての意味もあったようですが、欧州における入れ墨は、軍人がいれたのです。日本に立ち寄った外国人の多くは、その国の海軍兵で、彼らが入れ墨をいれた動機は
「身元確認」
です。つまり、事故で水底に沈み、悲惨な骸となっても、銃弾に飛ばされ片腕しか残っていなくても、入れ墨が本人を特定してくれるというものです。
英国王室を中心に入れ墨が流行したのも、王室は戦時には最前線にたつからで、一兵士(将校ですが)としての刺青といえるでしょう。
つまり軍人業界におけるファッション。刺青の許容は軍靴の音が響き渡る、戦争賛美へと繋がりかねないのです(笑)。
■日本の入れ墨と英国王室
http://www.as-mode.com/check.cgi?Code=4894347784