最近、頻繁にわが家で繰り返されるテレビへの突っ込み。
「原発が止まったらどうなる?」
にたいして
「止めればいいジャン」
さて、止めてどうなるか・・・というか、行動にメリットと
デメリットが伴いますが、この場合はメリットの方が多いでしょう。
というのはデメリットとは議論そのもののテーマに過ぎないので
議論の余地がないからです。それは
「電気が使えなくなる・・・かも」
というだけのこと。それでは医療機関などはどうするのかという
ことですが、原発を止めてみろとは言いますが、人工呼吸器を止め
ろとはいっていません。しかも、プロ市民が暗躍する原発完全停止
を求めるものではなく、とりあえずというものです。
無計画停電は震災直後の混乱期に便乗した悪ふざけのようでしたが、
被災地を除けばインフラが復旧しているいまなら、病院も代換機材
を用意していることでしょう。もし、まったく準備していないとしたら
「命を預かるものとして」
という看板は下ろした方が良いでしょうね。もはや日本では
「電気が止まる日」
は想定内だからです。あるいは、準備はすすめているのが間に
合わないということはあるでしょう。そのためには電力会社が
もっていたり、自治体が備蓄していたりする発電機の
「計画的貸し出し」
で対応すればよいのです。
被災地を除けば平時となったいまなら電気を止められるので
はないか、ならばそれはデメリットではなくメリットのほうが
はるかに大きいのだからやりましょうよと。
まずはこれ。
「本当に電気のない生活に耐えられるか」
被災地とは比べものにならないのは百も承知でいえば、電気も
ガスも、家も屋根も食糧もある毎日の中で、電気が止められる
生活をした計画停電対象地域のものと、その時間、都内に通勤し
ていた人間とでは「感覚」が異なります。
なんども触れましたが、我が町足立区は無計画な区割りにより
隣町は停電し、うちは停電しているということもあり、弊社の
クライアントでも徒歩圏はみな停電を経験しましたが、自動車で
訪問するぐらい離れた同じ足立区民はみな「無停電地域」で、
停電したことを告げると、必ず
「え? 止まるの」
だったのです。要するに「リアリティ」です。
いずれにしろ「原子力発電」は中継ぎの技術と見られては
おります。電気事業者連合会のホームページを見れば、原発の
エネルギー源となるウランの可能採取年数は100年で石炭の
133年より短いのです。
プルサーマルなどで延命を試みていますが、数百年のスパンで
見た時、あるいは今回の福島を上げるまでもなく、事故後・・・
どころか、運用を終えた廃炉の問題を含めて課題は山積する原発
よりも、自然のエネルギーを利用した発電が必要だというのは
大方の一致するところだったのです。
問題は「いつまで」にやるかで、夏休みの宿題のように
追い込まれないとやらない人が多く、ましてや原発で儲かっ
ている人にとっては先送りは、仕事をせずに儲けを確保できる
のですから一石二鳥です。ここに東電もはいります。そして
我々国民も含めなければなりません。
話しが拡散するので触れるに留めますが、中露による
日本周辺海域での悪さはエネルギー政策と密接な関係があり
それを放置している政府を選んだのは我々国民だからです。
ついでにいえばマイミクの方が送ってくれる露西亜国内の
報道によれば、中露の蜜月は看過できないレベルになっている
ことは国内で報じられることは皆無です。エネルギー政策は
国策で、さらに領土問題ともからみます。
日本の近海に眠る
「メタンハイドレート」
です。再生可能エネルギーとやらは、近未来のものとして
メタンハイドレートならすぐそこにあるものなんですが・・
本旨とずれるので今回はここまで。と、ついでにいえば
海に囲まれた日本ならではの「潮力発電」に、流れの速い
河川を多く持つ日本だからこその「水力発電」ではなく、
太陽光発電に傾斜するところに目論見が見えてしまいます。
話を戻します。
だから本当に電気が止めて国民の審判に委ねてみるという
のが、いますぐ原発を止めてみせるメリットです。
そして世論はどう触れるか。それでも止めろと言うのなら
それが民意です。わたしは少し嬉しく思うことでしょう。
「我が民族はようやく我慢を思い出した」
と。ちなみにというか、夏の猛暑を前に電気を潤沢に使う
テレビに出演している識者はこういいます。
「無理して熱中症になるよりエアコンを使ってください」
この人たちが「原発容認派」ならば、主義に則ったもので
批判はしません。東電からギャラをもらっていたとしても
本人の営業活動なのでありでしょう。
しかし、えてしてこういう「偽善者」は、原発に批判的な
立ち位置にいます。
病人や弱者に我慢しろとはいいませんが、原発を止めた上で
社会的混乱を避けるなら、健康な人間に多少の我慢を強いるの
がまっとうな大人の述べる意見でしょう。その点、大阪府知事
の橋下徹さんはアイロニーがうまい。
「エアコン止めれば原発停まる」
独立して10年になりますが、扇風機だけで夏を乗り切って
おります。
そして原発を止める最大のメリットはこれ。
「東電がこの期に及んで嘘をついていないか」
・・・東日本大震災からまもなく4ヶ月。東電の発表や
方針をみていて、東電の発表を鵜呑みにするほど幼くはあり
ません。だから、原発を停めたら電力が供給できなくなる
ということに私は懐疑的です。
先の統一地方選挙でも労組内議員を応援し、あまつさえ
「夏のボーナス」
が支給されるとかの東電。
この期に及んでというより、震災からちょうど一週間後の
3月18日には昨年度実績より7万円アップの168万円で労組が
妥結していたと言うことですから、幹部だけの問題ではなく、
東電という組織が一般常識からはずれているとみてよいでしょう。
で、「この期に及んで」。
だから、一度止めてみれば良いと。
その上で冷静な議論、・・・これは電気という「実利」を含
めた上で。エアコンの設定温度どころか、冷風がなくなっても
原発を停めるというのはひとつの選択です。しかし、机上の
空論が現実に直面した時に後悔が深いのは、
「政権交代」
という空論に追いつかない現実で我々は経験しました。
だから、少し停めてみればと。
ウチもさすがに扇風機までなくなると困ってしまいますが
計画停電ぐらいなら団扇でしのげることは、昨年の猛暑時に
実証済みです。
ブラックアウト(大規模停電)を予見したわけではなく、
人間はどこまで暑さに耐えられるのだろうと。この実験を
止めた理由は単純。
「地球上にはもっと暑い地域が存在する」
そこでも人は生きていますからね。なら、わざわざ実験する
こともなく扇風機という文明の利器の世話になろうと。
ちなみに本稿は「気まぐれサマータイム」の早朝4時から
執筆を始め、いまが5時27分。気温は28.7度。そして
別の仕事を終えて、校正をしているのが9時1分で31.5度。
朝にしては暑いですが、笑顔だけは爽やかにノーエアコン中。