不信任案提出で自民党を批判するのは甘え

 菅直人首相への内閣不信任案を「野党」である自民党、公明党
たちあがれ愚息・・・もとい、日本が提出し、本日午後、採決が
行われることになりました。

 結果についてワイドショーは票読みを嬉々と報じます。
 そして散々面白おかしく報じておいてから

「この国難に何をやっているんだ」
「政局をやっている場合か」

 と眉間にしわを寄せて「苦言」を呈し、そこには不信任案を
提出した自民党への批判が込められます。

 ネットでも散見します。政局で足のひっぱりをしているのは
被災者のためにはならず、被災者を思うなら自民党が積極的に
協力して現政権を支えろというものです。

 平たく言えば

「頑張れ、菅直人」

 で民主党応援メディアと同じ論調です。
 自民党の地方議会議員に「陳情」するものまで表れる始末です。

 マスコミ・・・いや、正しくはテレビのワイドショーにでてくる

「アンチ自民芸人(テレビ朝日の高座に上がること多々)」
「頑張れ民主党芸人(師匠は小倉智昭さん)」

 などと、ネットのそれは同じで、彼らの主張をかみ砕けば
こんな感じ。

 菅直人のダメさは分かった。だから非難してきた。
 でも、自民党政権には戻って欲しくない。
 だから「国難」に自民党の「連中」よ、協力しろ。

 ・・・さんざんっぱら批判してきておいて、しかも菅直人の
だめさかげんを見せつけられてきて、というより政権交代後、
「おごる平家」を地でいき、自縄自縛で自爆した民主党(これは
彼党の芸風ですが)に、それでも協力しろという厚顔に呆れます。

 そもそも「復興対策大連立」の打診を「電話」でちょろっと
する非常識を忘れてるのでしょうか。カラオケボックスへの誘い
じゃないのです。相手はいわば「敵」。ならばこそ、相応の
礼儀を尽くすことこそ「信」の始まり・・・という社会常識もな
い男らしく、打診のさわりはこうでした。

「権力は自分に、責任は分担を」

 菅直人のダメさをあげれば、私の貴重な人生の時間をどれだけ
「浪費」するか分からないので、本題に移ります。

 ワイドショー芸人やネットで、内閣不信任案を提出した自民党
を批判します。これが筋違い。国会会期末の不信任案はいわば
お約束です。震災復興へ向けたこの時期にという指摘にはこう
答えましょう。と、いうか、これを指摘する論調のないことでの
本日の緊急発行です。

「可決も否決も民主党の内部の問題。自民党のせいではない」

 民主党が一枚岩なら、党の代表として菅直人が信任されていれ
ば、門前払いレベルの否決でおしまいです。ところが、午前の
時点で微妙な情勢で「政治空白」が云々と大騒ぎしているのは
すべて

「民主党」

 の問題なのです。野党として「だめだこりゃ」と現政権に
ノーを突きつけるのは野党としての仕事。与党として、しっかり
仕事をしていると自負があるのなら、否決すればよく、それだけ
の「票」を持っているのが民主党なのです。

 ワイドショー芸人の主張するところを端的に述べれば

「甘え」

 です。困ったら自民党を悪者にすれば、視聴者が納得した

「政権交代前」

 の思考停止に過ぎません。

 そして「こんなときに選挙をやっている場合か」という反論に
はこう答えるしかないでしょう。

「この国難だから総辞職という選択肢しかない」

 として、不信任案をだしているのです。

 私見を述べれば正直、どちらでも良いのですが、この状況下に
おいて総辞職ではなく、解散総選挙にでる可能性を否定しきれま
せん。

 だって菅直人は「歴史に名前を残したい」と常々おっしゃって
いるそうな。

 この状況で選挙を開けば民主党が惨敗するのは火を見るよりも
明らかで、被災地での投票率は最悪な状況、あるいは選挙の
ボイコットという民主主義の根幹を揺るがす騒動が起こる可能性は
否定しきれず、すると

「悪名」

 が歴史に刻まれますので。

 不信任後の展望が見えない・・・そうですね。しかし、以前にも
述べましたがいまこそ

「渡部恒三首相」

 福島県知事の叔父にあたりますし、原発に深く関わっていたこと
もあり、なにより自民党にも太いパイプがあり、野心が染み出てい
ないところなど、復興対策大連立政権においていちばん「おさまり」
がよいかと。

■自民党足立 内閣不信任案提出についてのアンケートはこちらから
http://www.adachijimin.com/enq/peex.php

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