儲けすぎ企業の批判という単純

私が「マスコミでは言えないこと」を書く上で気をつけ
ていることが幾つかあります。

その一つに「安易な企業批判」というものがあります。

物事に必ず光と影がありますし、

「盗人にも三分の理」

と受け入れる日本人の精神文化を大切にしたいと考えるからです。
もちろん、三分を棚上げにすることもありますが。

だから「楽天市場がなくなる日」も「楽天のバーカ」ではなく

「誉め殺し」

だったのです。

しかし、ジャーナリストや大マスコミ様は大好きだったりします。

日経新聞の日曜別刷りにてITに明るいノンフィクション作家の
山根一眞さんの連載にて

「ヤフオクの自動延長を廃止せよ」

とありました。
ヤフオク(ヤフーオークション)には、出品者の設定によって
入札締め切り時間の5分前に新しい価格の入札があると、締め切
り時間が5分延長され、それが繰り返されるという機能があります。

山根さんの主張の要点をまとめると

「落札したと思ったら自動延長となり価格が吊り上げられる。
その結果、落札者は高値で落札することとなり余計な費用が発生する。

この機能自体は以前になかった物。
ヤフーは落札手数料を引き上げている。

つまり、より「儲け」をだすために、落札価格を吊り上げる
機能を搭載したのではないか。

儲かっているヤフーなんだから、更に儲けようというのは
どんなもんだい」

というもの。
儲かっているヤフーが更なる増収増益を果たすためにとして、
自動延長を批判して、その前振りとして落札手数料の増加や
業績を紹介して、読者を

「儲けすぎ企業の横暴」

へと落としこむ構成です。
なるほど、作家さんです。見事。

但し、これは片面からしか見ていない浅薄な批判です。

ヤフオクが一般化してくると同時に落札者も次第にこなれて
きました。

すると「5分前入札」が定番化してきました。

例えば1週間の出品期間があると

「6日間と23時間55分」

までは誰も入札せずに、最後の5分で出来る限り安く落とそう
というものです。

落札者は「できるだけ安く」と願うものですから仕方がない
でしょう。山根さんもこの立場です。

一方、出品者の立場からすると

「安く買いたたきやがって」

となります。
それと山根さんも勘違いされている節がありますが、

「いらない不要品だけが出品されている訳ではない」

のです。
思い出の品もありますし、大切なものでも必要に迫られて
泣く泣く出品している人もいます。

ならば「ちょっとでも高く売れる」ことが慰めとなるのです。

大切なものだったけど・・・この値段なら・・・。

ところがその大切なものが、

「控えめにつけられた出品価格で買いたたかれた」

らどうおもうでしょう。

「6日間と23時間55分」

無視を装っていた連中が、最後の5分に

「1円単位で入札」

してきたら?

もちろん、これも極端な例です。よくありますが。

ただし、自動延長は出品者が自分で選べる機能で、ヤフーが
強制しているものではありません。

批判するなら出品者を批判するべきなのです。

Winny 裁判じゃありませんが、ヤフーは機能を提供しただけ
で、山根さんの主張する

「自動延長でがめつく儲けよう」

としているのは出品者なのです。
この出品者の多くは「庶民」です。

つまり、

「このごうつくばりの庶民め。不要品をだしているんだろ?
だったら安く売りやがれこの野郎」

となります。
でもこれじゃ読者の反感を買います。
そこで、

「儲けすぎのヤフー」

という分かりやすい敵を作りだしているのです。

「企業=悪」

・・・いまだにこの図式が支配的です。

ちなみに、オークションには「いくらでもイイから欲しい」と
いう人も参加するものです。

が、これは「金持ち」に分類されます。
金持ち擁護もまた批判されます。

立場を変えれば分かるシンプルなことが、論を積み立てる
ことにより、複雑にされ煽られ、洗脳されます。

ご注意ください。

今回のWeb担当者フォーラムも「立場」の問題を取り上げていま
す。

まぁIT系でこんな記事を書けるのは私ぐらいと自負しています。
現場経験がないとかけませんから。会議室の最新情報ではなく。

「Web担心得其の四
中小企業の商売用ホームページ成功のキーマンは社長」
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2007/01/10/659

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