タダ乗り王グーグルの罪。Web2.0がもたらす不便

 本日、mixiが上場ということで一気に「バブル」へと火がつきそうなWeb2.0ですが、まぁまともにインターネットを活用としたい人々にはいい迷惑だということはあまり語られていません。

mixiの社長も流石にFindJobという求人サイトを永年営んできただけあって、Web2.0の煽りの本質に気がついていたようで控えめなコメントだったのが、上場に向けて一気に吹かし始めました。バブルの時の特長です。実力以上の神懸かり的発言がまかりとおるのは。

mixiの匿名性や参加者の荒廃ぶりを報じる報道が少ないのも言論統制か、それとも煽っている記者の多くが「mixi未体験」だからかも知れません。
意外かも知れませんがメディアや出版界のネット活用率は低いのです。

さて、これは9月26日洋泉社より発売される著作「Web2.0が殺すもの」でも指摘しているのですが、グーグルは究極のただ乗り王で、この王様によって不便が持たされるかもしれないのです。

その一つが、この「ネット定額制の崩壊」です。

国内ではGyaoがそのやり玉に挙げられますが、Youtubeなどの「動画共有サイト」のほうがより深刻で、重い動画データを「無料」でやり取りすることによって、インターネット回線にかかる負荷が重くなり、結果回線会社は設備増強を余儀なくされ、利用料金に跳ね返るというものです。そこで、昔ながらの使った分だけ支払う「従量課金」が検討されております。

ある意味公平でもあります。昔のように利用時間ではなく「利用ビット」で測り、メールしか使わない人は安くなりますし、動画をガンガンダウンロードする人はその分の利用料を払うことになるわけですから。

ちなみに世界で一番高速回線が安くなった日本がこの回線への負荷を重くしています。

Web2.0を喧伝する人たちは概して「グーグル礼賛」を欠かしません。その様はまるで敬虔なイスラム教徒が一日五回の礼拝を忘れないようにです。

その中でもヤフーやマイクロソフトといった巨人を引きずり降ろすために引用するのが経典が「無料化」という「ゲームのルール」でグーグルが常に優位な立場にあるというものです。

常にサービスを無料で提供することにより、先行者達を粉砕すると持ち上げます。その様はまるでスーパーマリオの無敵状態のようです。

しかし、この無料化によるゲームのルールがYoutubeを生みだし、回線定額制の崩壊という「有料化(厳密には値上げですが)」を引き起こしました。

これは歴史を振り返れば当たり前の話しで、ふれ戻らない振り子はないのです。

マクドナルドが「バリュー」を打ち出し、値下げ路線を驀進しました。勝てば官軍が座右の銘の故藤田田氏の号令だったのかも知れません。時をほぼ同じくして、ユニクロがフリースによる価格破壊絨毯爆撃を開始しました。

結果、マクドナルドの「平日半額」は、本来客単価の高い週末の客を遠ざける「休日倍額」というネガティブキャンペーンとなってしまい、安かろう悪かろうではなかったユニクロは、フリースからパンツまで需要が一巡したあとの「そこそこしっかりした作り」によって需要減に突入し、一時期迷走が続きました。

つまり、安売り路線こそ真実と語られていたものも、一巡すると差別化が要求され、そして高級路線へと回帰するということで、これは営々と繰り返されている歴史です。

無料化による勝利。グーグル礼賛を繰り返すWeb2.0と呟くと儲かる人々がいます。
しかし、ロングテールも無料化もグーグルやアマゾンにとっては秀逸なビジネスモデルを作り出しましたが、そのモデルが全ての業種には絶対に通じません。

・・・が、この指摘はあまりきかれません。

無料化によりコストが増大するのは当たり前の話しです。それは全て霞から生まれ出るわけではなく、リアル社会でのコストは誰かが負担しなければならないからです。

どうにもWeb2.0を煽る人たちはファンタジーの世界の議論が大好きなようです。
そして株式の世界もファンタジーファンがいるようで、mixiに凄い株価がつきそうです。まだどうやって稼ぐかが見えていない会社なんですがね。


9月26日全国発売「Web2.0が殺すもの」
http://www.as-mode.com/web20/index.html

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