編集者が縮小させる出版業界

 日曜につきあえて暴論。編集者が出版業界の縮小を拡大させてはいないか、というもの。明確な論拠はないのですが、日曜の新聞各紙、そのオヤジ週刊誌に紹介される書評からの雑感です。

 今朝もとある風俗(ファッション)誌の元編集者による書籍が紹介されていました。個人的な好みから言えば大好物。舞台裏からのノンフィクションは、贔屓の引き倒しというバイアスを含みながらも当事者しか書けないこともあるからです。

 しかし、それが多くないか。ということ。そして、その手のいわば「舞台裏本」について、相当程度の確率で添えられるコメントが「出版業界からの反応」への言及です。

 それは作品の良し悪しではなく、身内の「あるある」。もちろん、インサイダーしか書けないこともあり、朝日新聞の元記者 長谷川熙(ひろし)氏による力作『崩壊 朝日新聞』などもありますが、編集部あるあるの何が危険かと言えば、追随やパクリ、リスペクトにインスパイアばかりで、柳の下を漁る出版業界において、身内のあるある本の量産を招きはしないかという危惧です。余計なお世話であることは存じていますが。

 出版業界の内幕を暴くなり、その人間模様を描く作品は、業界ウケはするでしょう。また、文学少年少女、活字中毒な私も含めたオッさんやオバハン、あの作品の舞台裏はこうだったのかと頷き、またピーピングトムな下世話な好奇心を満たしてくれます。

 さらに、出版不況、読書人口の減少が進む中、絶対数は減少傾向ながら、全体のパイが小さくなる中、「読書ファン」や「活字マニア」の「比率」は高まり、当初目指した書店員による純粋な本への敬意の発露から、マーケティング的な位置付けと、歪んだ存在感を発揮しつつあり「本屋大賞」のように。

 ただし、出版業界に興味の無い読者にとっては「ポカン」。プロ野球のファンでも、キャンプでの動向にさしたる興味を示さないファンが大多数であるように、市場規模を支えるのは「ぼんやりとしたファン」です。

 「出版業界あるある本」。いささか食傷気味である理由はフジテレビを見ているようだから。身内受け、身内ネタ、タイアップに業界論理ばかりで作られる番組、ニュース、イベント。かつて大好きだったフジテレビは腐りきり、もはや『今日のワンコ』ぐらいしかチャンネルを合わせませんが、いま、出版業界から同じ腐臭を感じての日曜暴論でした。

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