月刊WILL 12月号「世界の嫌われ者、韓国」

 すっかり「連載化」しているのでこんなタイトルで

「今月のWILL」

 近隣二国と朝日新聞が怒声を上げる極右雑誌。産経新聞の購読を止めたいま、思想バランスをとるのに愛読しています。

 タイトルは「世界の嫌われ者、韓国」。この企画はちょっと食傷気味です。花田編集長が産経新聞で告白していたように、売れるのかも知れませんが、もう少し新味が欲しいところです。

 目を惹くのが「安倍晋三論」。

 いまのわたしの安倍懐疑論と正反対の主張を作家の百田尚樹氏が展開します。『永遠のゼロ』『海賊と呼ばれた男』などの作者で、力強い筆致に引き込まれます。百田氏のファンなら読み物でしょう。わたしもうっかり「なるほど」と頷いてしまいました。

 今号の読み物は

『小泉進次郎復興政務官に届け!
 新聞・TVが報じない被災地住民の想い』

 です。

 原子力ムラの御用学者(失礼)澤田哲生東京工業大学助教が司会を務める座談会を収録したもので、小泉進次郎はちょろっとしか登場しません。いまや小泉進次郎氏は、自民党におけるヨン様やグンちゃんと同じ扱いで、なんだか保守の劣化もここに見つけますが、これは余談。しかし、彼はこれからの人であり、本当に育てたいのなら、手厳しい批判こそ人を磨くということを思い出して貰いたいものです。

 さて、内容にはいる前にマスコミでは言えない告白をひとつ。

「被災者が嫌いになりつつある」

 政府の対策に愚痴をこぼし、実行されても不十分だと毒づき、何をやっても遅い足りないできていない。事故以降のストレスを差し引いても文句ばっかり。まるで近隣二国のよう。

 座談会に参加した南双葉青年会議所理事長の三瓶健二郎氏の発言がわたしのもやもやを吹き飛ばします。

“いまのメディアは被災地に「お涙頂戴もの」を求めるんです”

“記者の人も復興が進んでいない現状について、住民が憤っていたり悲しんでいたりするコメントがほしいのか、その方向で話を進めようとするので、それならお話しできませんと断ることがあります”

 続いて発言したNPO法人理事長の西本由美子氏の結びの言葉象徴的です。

“被災地にはもういい加減、前を向きたい人たちが大勢いて、若者たちも復興に向けて懸命に頑張っているのに、全国の人にはそれが伝わりません”

 反省です。そうです、マスコミは捏造をすることもありますが、それより遙かに多く

「事実の全てを伝えない」

 のです。うっかり忘れていました。
 少なくともわたしの知っている東北人は、いつまでもウジウジ言っている人たちではありません。愚痴もこぼしますが、静かな前向きさというか、したたかな強さというか、冬の寒さを知るものがもつ逞しさなのかもしれません。

 これだけでも必読ですが、もうひとつ中野剛志氏(本書では評論家となっていますが、博士号をもっているのなら博士が正しい気もしますが、わたしの文体でこれをいれると小馬鹿にした感が漂うのでやめておきます)の

『「新自由主義」という妖怪』

 においての

“自滅的な世直し願望”

 への指摘は唸ります。

■月刊WILL 12月号
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