就活時期を解決する政策誘導

 大学生の就職活動の解禁日を、今年から8月にしたところ、クレームとブーイングが多発して、来年から6月にしようと経団連。

 紳士協定なので罰則も拘束力も無く、加盟していない外資系などに、人材を採られてしまうとぼやきます。

 学生は学生で、就活時期が遅れることで、むしろ就活機関が長くなったと不思議な理屈。要するは「内定」がでるのが、遅くなるからだけでしょうに。

 一方、大学側は6月への移行に反対。授業がある時期なので。これは当然の話。

 憲法が定める就職の自由からみれば、そもそも「解禁日」まで制限されるのは憲法違反のはずですが、なぜか憲法を後生大事に、一字一句も変えてはならぬという左派はこちらに噛みつきません。

 だいたい、大学を「中退」してしまえば、就職協定など関係ないのです。どうしても早く内定=就職したければ、退学すれば良いだけのこと。

 大学を卒業することに意味があるのか。高卒の私には知らぬ世界なれど、大卒に訊ねた限り、

「卒論ってさぁ、学びの集大成なんだよね!」

 と胸を張る、修士や学士にであったことがありません。

 つまり、大卒の肩書きを持つ社員が欲しいという企業側のコレクションと、大卒というブランドが欲しい新卒側の、欲望のせめぎ合いならば、そっとしておけば良いだけのことでしょう。

 労使共に利害関係の当事者であり、企業同志も、学生同士もライバルならば、これらによる話し合いで丸く収まる結論がでるわけがありません。

 学びが劣化しても、劣化した学生を抱える企業の業績が連動するだけで、ブランドだけで商売しようとしている企業は、いずれもせずに潰れていくことはフジテレビが証明している自由経済の原則です。

 また、大学が「知」を司ると自負するなら、数十年前から言われているように、「卒業」の難易度を欧米レベルに引き上げれば良いだけのこと。

 入学が難しい一方、入ってしまえば誰でも卒業できると揶揄される仕組みではく、本当に学業を修めなければ卒業できない制度に改めれば良いだけのこと。

 諸処の制度から、落第や退学者をだしたくない大学側の思惑も存じていますが、それは「利益」の話しで「知」ではない。つまり、大学側もまた利益該当者なのです。

 だから「ほっとけ」と思うのですが、社会問題として捉えるなら、解決策は簡単。大岡裁きならぬ、政策誘導です。

「中途採用者の比率による法人税の軽減」

 中途採用者が、一定の割合を占める企業の、法人税を減免するのです。

 「新卒一括採用」と世界に希に見る珍制度を放置しているからおこるのであり、新卒が使い物にならないのは、大卒どころか中卒でも同じです。

 新卒の教育コストを大企業様が担ってくれるのはありがたい話しですが、むしろ社会を経験した「経験者」を中途採用した方が、企業の戦力になり、異文化が持ち込まれることによる活性化も期待できます。

 軽減される分を人件費に投じれば、良い意味での「人材の流動化」が起こるというわけです。

 ブラック企業対策にもなることでしょう。中途採用の数だけだと、雇いはしても、いびって首にし、数だけ稼ぐブラックな会社もでてくるでしょうから、全社員における比率にします。

 中小企業は、ほぼ100%減免を受けられることでしょう。あるいは、大手が中途採用に積極的になれば、新卒の受け皿になるかもしれません。

 安倍首相が公言した、法人税減税は、事実上意味が無いのは、持ち株会社などにすることで、税逃れが常態化しているからです。

 そこは、いままで以上にきっちり徴収する一方、積極的に中途採用に舵を切った企業は減税をする。どうしても「新卒一括採用」をしたい企業は、相応の税負担をして貰う。青田刈りによる大卒の質の低下を税金の支払いで負担させます。大学への助成金という、知への支出が、無駄金となったことを補填させるのです。

 きっちり大学を卒業し、一年ないし、数年間は社会で働き、しかるべきスキルとキャリアを身につけてから、見合った企業と雇用契約を結ぶ。これで就活時期の問題も解決。一石三鳥です。

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