宮崎駿記者会見に秘められた布石

 元アニメ映画監督の宮崎駿氏が、外国人記者を集めて安倍首相の悪口を言い垂れていました。元としたのは、ご本人の引退宣言を尊重してのことです。「やめる辞める」と希少性を煽る、今風にいえば「炎上商法」の一種という見立てもありますが。

 本日、衆院を通過する予定である安保法制への牽制と、左派は小躍りで取りあげていますが、それだけでしょうか。

 宮崎駿氏は戦車を愛するミリタリーマニアでありながら護憲派という「こじらせ」具合は、日本型(バカ)左翼界の一類型です。武器は大好きだが、その武器に求められる役割は嫌いで、日本刀をコレクションしながら、日本刀の殺傷能力は能力を嫌うといったようなアンビバレンツ。

 帯刀が許された江戸時代のサムライとて、年がら年中、人を切っていたわけではありませんが、しかし、いざとなれば「切る」という選択肢があったからこそ、相手を尊重することが不可欠となり、それが様式美や格式を生み出し、日本刀の美しさを生み出しました。

 同時にそれは「抑止力」であり、平時に武器に与えられる役割のひとつです。安保法制とは、武器に本来の機能を与えるもの、彼の愛する戦車のポテンシャルを十二分に活用しようという法律に過ぎません。しかし、宮崎は武器を愛しながら反対します。

 平易な言葉に置き換えれば、

「自分には優しく、他人には厳しい」

 自分の性癖や嗜好に対しては、詭弁を弄しても正当化しようとするが、己の価値観において受け入れないと判断すれば、立場と人脈を尽くして攻撃する人。バカ左翼と呼ぶ理由でもあります。

 仮に宮崎が漫画なり、アニメ作品で安保法制に反対し、安倍首相を揶揄するのならば、表現者としてひとつの方法と敬意を表しますが、知名度を活かしての記者会見で、しかもわざわざアニメ作家のスタジオにまで足を運ぶ物好きな(ファンの可能性ありの)外国人を集めてのそれは、卑怯者の流儀です。

 ただし、宮崎駿氏が記者会見を開いたことには、こんな穿った見方もできます。本日より施行される

「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(児ポ法)」

 では、いわゆる「単純所持」についても罰則が適用され、宮沢りえさんの「Santa Fe」を所有し、押し入れの奥深くに眠り、発掘する手間を面倒と放置している人は戦々兢々としていることでしょうが、宮崎駿氏の記者会見における、政府批判とは、仮にこの罪で摘発されたとき、

「不当弾圧」

 と反論会見をするための布石とは、穿った見方に過ぎるかも知れませんが、宮崎駿氏がロリコンであることは公然の事実です。

 念のため補足しておきますが、ロリコン=少女愛好家とするなら罪ではありません。広義でいえばAKB48一派の年端もいかぬ少女に血道を上げている連中もみなロリコンです。

 また「性愛対象」とみることも罪にはなりません。あくまで妄想の世界に留める間は、趣味嗜好であり思想信条の自由が保障してくれるからです。

 手を出した瞬間にアウトになり、今後は性愛目的での写真や動画の所持が禁止=罪になるということで、ライブラリーしているものも破棄しなければ、いつ逮捕されるかわからないということです。

 法律は「自己の性的好奇心を満たす目的による児童ポルノ所持等の罪」となっており、あくまでセクシャルな、最近誤用が目立つ「悩ましい(本来はセクシャルな表現)」ものだけが対象です。

 だから「娘の成長記録」などは対象外。すると「芸術目的」や「信仰の対象」となればどうか? また、かつては合法だった裸体の少女が映った写真集、具体的には篠山紀信による少女時代の栗山千明のヌードを含んだ写真集「少女神話」や、動画の類が押し入れで眠り、遠く離れたふるさとの実家の自室のベッドの下に隠していたとして、そこに警察が踏み込んで「児ポ法違反」での逮捕までは可能でしょうが、起訴までできるかは見解が分かれ、今後の判例が待たれるところです。

 実際、ネット動画については「繰り返し再生していたか」がポイントになると、2015年7月14日の読売新聞社会面で紹介しています。

 そこで先回りし政府批判という「布石」を打つことで、児ポ法で検挙されても、国家権力の濫用と主張にすり替えることができるとは、植草一秀氏や堀江貴文氏、最近またぞろ活躍が目立つ村上ファンドが実践している手口です。

 穿った見方ですが、記者会見に散見する「非論理性」に、少女を愛でることを禁じるかの政府への怒りと、摘発を怖れる彼の心の焦りを見つけたような気がしたのです。

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