実に卑怯者と唾を吐きます。本日発売の「週刊文春」
『本多勝一×藤岡信勝 「南京30万人大虐殺』の真実』
週刊文春の今年の9月4日号に藤岡信勝氏が寄せたコメントに「週刊金曜日」が噛みついてきました。週刊金曜日とは、故 筑紫哲也や本多勝一氏らが創刊誌、いまも編集委員を務める左翼雑誌です。
本多勝一といえば「南京大虐殺」を広めた御仁で、朝日新聞のOBといえば「なるほど」と頷くような経歴の人物(カツラ)。
週刊金曜日の編集部からの6つからなる「公開質問状」が、「週刊文春 編集部」の届いたことから始まるのですが、子細はご購読するか、図書館で読むか、立ち読みするかでご覧いただきたいのですが、左翼というか本多勝一、週刊金曜日の編集部の「卑怯」が滲み出る名勝負です。
これをうけて文春は面白がり、「公開討論会」を双方に呼びかけ、藤岡信勝氏は快諾するも、週刊金曜日の編集部からは
「本多勝一編集委員に意向を確認したところ、文書で公開討論をしたほうが、より正確を期すことができる、とのことでした(週刊文春)」
と返答がアリ、全部で5往復(計10信)といった公開討論のルールを設定し、いざゴング。藤岡信勝氏は6つの質問に「誠実」に回答し、そのなかで本多勝一氏に逆質問します。
すると
「発端は『週刊金曜日』なので、俺の担当のA記者との対話で紹介することにしよう」
とはぐらかします。実に卑怯な所作です。確かに「対話形式」ですが、反論や揚げ足取りは「A記者」ばかりで、本多勝一は合いの手を入れるだけ。この卑怯たるところは、仮にここで誤りがあっても、責任は「A記者」になるからです。すれからしの私などは、「A記者」の実在すら疑っています。
藤岡信勝氏の回答と、逆質問に不誠実にも回答をしません。話を逸らしていますし、その逸らしているのは「A記者」で、さらに結びで
「(公開質問状で)問うたのは『週刊金曜日』です。本多さんではない。本多さんが回答する義務はない(括弧を含め筆者要約)」
とちゃぶ台返しです。発端の記事で藤岡信勝氏は、本多勝一を「デタラメ」としたことへの質問で、創刊からの付き合いで、いまも編集委員を務める「編集部」が起こしたアクションは、本多勝一と「一体」と受け止めるのが、一般的な読解力ですが、左翼はこれを是としません。揚げ足を取るに有利なポジションを作るのが、連中の得意技だからです。
そして揚げ足取りで墓穴を掘ります。藤岡信勝氏の質問に「姜眼福」とあるのは「姜根福」の誤りだと「A記者」はあげつらいますが、行司役の「週刊文春」編集部によれば、「週刊金曜日」からの公開質問状には「姜眼福」とあったそうです。バカですね。ブーメランです。どこかの政党を見る思いです。
これが一往復。二往復、三往復もこの体ですが、かつて「朝日新聞」を代表するスター記者だった本多勝一という人物を知るのはもってこい。質問には答えず、都合のよい証拠を持ちだして一方的に罵倒する。
まず本多勝一側の第二信は「A記者」から「うんざりですね」から始まります。自らを高みに置き、相手の論を軽侮するのは朝日新聞の「作法」ともいえる文体で、やはり「同一人物説」が浮かんで消えません。
これにあきれたのでしょう、藤岡信勝氏は第三審の冒頭で「宣言」します。
“「うんざり」「蒸し返し」などとの虚仮おどしの感情語をもって論証に代えるのは卑劣で無益です。おやめいただきたい。また、本多氏は「A記者」なる匿名の人物にほとんどの内容を語らせていますが、私はこの匿名の人物と論争をすることに同意したわけではないので、すべての発言を本多氏の発言とみなすことをここに宣言します(同)”
藤岡信勝氏の言う通り。本多勝一がやっていることは、匿名の影に隠れ、反論すれば「俺が言ったわけじゃない」と逃げ回る、姿匿名掲示板における「ネトウヨ」と同じです。仮に「A記者」が実在していたとして、そのやり取りを自分の言葉に置き換えることも「記者」なら容易いことでしょうが、そもそも「公開質問状を出したのは『主観金曜日』」という舞台設定により、本多勝一は安全圏から火炎瓶を投げ続けます。
この「宣言」に本多勝一はまた「A記者」が登場します。
A記者「私の発言を本多さんの発言と見なすのは「捏造」ではないでしょうか」
本多「俺の発言とごちゃまぜにしてもらっては困る。藤岡氏の資料に向き合う姿勢がわかりますね」
と、一般的な日本語の読解力・背景から、A記者と本多勝一の同一性は明らかなのに、別物という「設定」から「捏造」とまでいうなら、二人の「対話」を証明する録音テープを、行司役の「週刊文春」に提出しなければ、藤岡信勝氏への名誉毀損です。
そして同一人物疑惑を払拭できていないなか、「捏造」と仮定した上で、藤岡氏の学問への疑義もまた名誉毀損です。
ひとつだけ明らかになったことは、本多勝一が「A記者」とのやりとり、「別人物」と強弁する姿勢こそが、福島第一原子力発電所の「吉田調書」における「読解力」につながるわけで、朝日新聞はスター記者といえど、この「程度」だということです。
しかし、この企画の失敗は、本多勝一に「後攻」を与えたこと。反論のできない状況、相手に対しての攻撃は彼らが得意とするところですから。