月刊WiLL 2014年9月号「朝日を読むとバカになる」

 もう少しひねろよと思いつつも、言い得て妙とはこのことだと頷いたのが、今月号の背表紙の言葉。

「朝日を読むとバカになる」

 そのまんまですが、かつて産経抄で健筆をふるった石井英夫さんの

“私はこれで、朝日を取るのを止めました”

 にニンマリ。

 わずか4ページ、しかも大きな図表(写真)を挟み込んでいるから字数は少なく、筆者に隣接する事例を紐解き、朝日のどうしようもなさを、タレントのE氏の言葉を引用するだけで表現するのは見事。

 寸鉄人を刺す。が故に紙面が埋まらず、図表を大きく扱ったのだろうなぁと言う編集者の苦労が見えるのも楽しく、石井英夫さんがわざわざE氏としたのを、朝日の記事を写真で引用するなかで、タレント名を明記する意地悪さにニタニタします。

 本稿では大コラム人である石井英夫さんのひそみに倣い、実名は控えておきますが、漫画家という肩書きを逃げ場にしながらタレント活動で小銭を稼ぎつつ、博打さえやっていれば幸せな人に、集団的自衛権は理解できないと思いますよ。

 あまり紹介してきませんでしたが、大好きな連載が堤堯・久保紘之両氏の対談「蒟蒻問答」で、100回を迎えた特別編として、加地伸行立命館大学フェローをゲストに迎えた鼎談のタイトルが

“朝日は、二度おいしい(笑)”

 最近はすっかりこういうオジサン(年齢比、世間的にはお爺さん)連中と杯を交わすこともなくなりましたが、浜松町の秋田屋あたりで、3杯目の大生に手を掛けるころの「与太話」的な軽快な悪口です。もちろん、朝日新聞の。

 経験が裏打ちする与太話に憧れた、二十歳そこそこの無力だった自分を思い出しました。

 安倍政権を援護射撃する月刊WiLLらしく(?)だからか、女性の活躍を目指す安倍政権の意向受けたか、今月号は女性の筆が光ります。

 まず、若手。フリーライターの三宮幸子

“朝日新聞だけを1ヶ月、読んでみた”

 は体験ルポ。安い企画ながら危険な試みです。そしてオチは明らかながらも、揺れ動く乙女心を演じてみせ、朝日新聞を小馬鹿にします。

 次に中堅(と、あえてした理由は後ほど)の金美齢さんによる

“セクハラヤジ、号泣記者会見で見えたこと”

 これ、女性じゃなければ指摘できません。本件については繰り返し、指摘してきましたが、さすがにここに踏み込めば、言論活動ですら

「セクハラ」

 と批判される昨今の風潮を含めてバッサリ。
 塩村文夏都議の芸能活動において「女性」を売り物にしていたことを理由に、

≪やじられたくらいで泣くほど、しおらしい女性とは思えない≫

 と指摘した上で、

≪美貌は切り札ですから使ってもいい。しかし、ならばその強かさを政治にも生かしてもらいたかった。「女性を傷つける発言」だと、ことさら強調する姿勢には疑問を感じます。≫

 ちなみに例の「産めよ」発言をしつこく追究を試みた塩村文夏と朝日新聞でしたが、追加調査でも発言が確認できなかったようです。

 逆セクハラというか、STAP細胞というか、佐村河内守というか。

 是非、本文に当たって欲しいと願いながらも、もう一箇所だけ引用します。少子化対策を日本の最大の課題とし

≪「若い人はなるべく早く結婚して、子供産んでもらいたい」のが現実です。≫

 とぴしゃり。そして、個人主義に疑問を呈しながら、

≪特に「産めるけれど子供はいらない」という選択をしている人には、「自由を標榜するなら、せめて謙虚であれ」と言いたい。≫

 最後はベテラン、曽野綾子ちゃん。女性3人は野暮と知りつつも年齢順です。

“曽野綾子、東電幹部と語る”

 は、よく東電幹部を引っ張り出してきたというのが率直な感想。言葉を選びながら漏れる本音に「頑張れ!」とエールを贈る編集部の姿が見えてきます。

 対談形式ですが、ここでも「バカ朝日」を挟み込むところは見事。というか、まともに社会問題を取り扱うと「バカ朝日」は避けて通れないということなのでしょう。

 猛暑の中、今年も「ノーエアコン」を続けていますが、多くの人がエアコンをつけているでしょうし、近所のホームセンターで、比較的エアコンのききが弱いところにあった、室温計は24度を指していました。それができるのは「電気」があるからということを、涼しさを感じるたびに思い出して欲しいものです。

 巻頭特集は

“百田尚樹・テキサス親父 朝日を断罪!”

 ご存知、極右作家(笑)の百田尚樹氏と、テキサス親父こと、トニー・マラーノ氏の対談。なるほどと唸ったのはこちら。すこし長いですが紹介します。

≪(慰安婦像を前にして)あの女性は大日本帝国軍の士気を高める高給取りの売春婦だったということです。戦う軍の士気を高めたらどうなるか。効果的に戦う軍になりますね。その時、その軍は誰と戦っていたか。米国合衆国です。南太平洋と太平洋で戦っていたのは米国海兵隊、つまり私の父親です。
 慰安婦像を建てるということは、アメリカ合衆国を倒すために戦った大日本帝国軍の士気を高め、手助けした女性に対して、アメリカ人が「感謝しています」と言っているようなものです。「慰安婦像」の建設を進めようとしている州議会議員たちは恥を知れ! と言いたい。≫

 これが歴史の醍醐味であり、真実であり、面白さで難しさ。慰安婦はアメリカ側から見ればこう位置づけられるということです。その帝国軍兵士の士気を高めた慰安婦を、アメリカ国内に飾るというのですから懐の深い国です(イヤミ)。

■月刊WiLL 2014年9月号「朝日を読むとバカになる」
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