アベノミクスの第三の矢も怪しげななか、来年の増税は逃れようもなく、景気の先行きが不安です。そこでツイッターで実況しているように「デイトレ」に挑戦中です。
デイトレは限りなくギャンブルに近く、ツイッター上では失敗ばかりをつぶやいて、ときおり心配いただくこともありますが、中長期の投資ではそれなりのリターンを得ています。
特に震災直後に購入した「日経平均連動型ETF」は結構な成績です。ETFとは、ひとつのカゴに何種類もの株を詰め合わせたパッケージ商品で、例えば復興だけを思えば、建設株やセメントに鋼材といった復興関連銘柄に目をつける方法もありましたが、振り返ればわたしも冷静ではなく、格好良く言えば
「日本を信じる」
と買えるだけのETF株を買いました。
どれだけクズの菅直人でも、政治家を名乗る以上、目先の震災に対応するだろうというのは甘い目論見だったことは周知の通り。
買った端から株価は下がり、下がるたびに株を買い増したのですが、ペテン師からドジョウに交代するころには資金余力がなくなり「塩漬け(持ち続けること、主に意図しない株価の下落で売れないときに使う)」していた株が、この一年で大幅に上昇したからです。
だから、その利益の分だけ失敗もできると、いろんなことに手を出し、デイトレもそのひとつです。
そしてデイトレをしていると、日本は米国の属国なのだと歯噛みします。
かいつまんで言えば、米国の金融政策に日本が翻弄されるからです。例えば
「グローバリズムとは米国帝国主義」
この言葉を「体感」します。昨日も、自律反発的に株価は上昇するもFOMCの量的緩和の縮小を見越して、取引を手控える動きがあったように、理屈の前に米国=投資界のジャイアンの都合に振り回されるのです。
世界がひとつになることは果たしてよいことか。TPPを前に考えることしきりです。「地球市民」を目指す人たちは知っているのでしょうか。それは「米国一国支配」だということを。
さて増税に合わせて議論が活発になってきた軽減税率について。
来年の4月に消費税は8%となり、順当に行けばその翌年の秋には10%へと引き上げられます。それに伴い、対象により税率を軽くする「軽減税率」を求める声が高まってます。
そこで首をかしげるのは「重増税率」、すなわち消費税の最高税率を高くしようという声が上がらないことです。
そのお題目に疑念を持っていますが、消費増税は社会保障費の財源の目的税とされています。すると軽減分だけ不足すると考えるのは、経済学ではなく算数の話しです。
消費税1%あたり2.7兆円ともいわれており、この内訳から除外する品目が出てくれば、税収が減るのは自明です。大切なことなのでしつこく繰り返しますが、消費税増税後、とりわけ1997年の5%へと税率があがってから、消費税1%あたりは2.5兆円の税収に過ぎないことは財務省のHPであきらかです。
逮捕直後のウソ供述は、組織防衛、自己防衛のために犯人がとる自然な行動として公判では採用されないといいます。官僚のウソも同レベルと見なすのなら、2.7兆円というウソを見逃しとしても、算数レベルの欺瞞を暴かないマスコミが求める「知る権利」とはなにかと首をひねります。もしかして「スクープ」や「国家機密」をリークしろとでもいうのでしょうか。
話を戻します。これもまた懐疑的なのですが「毎年1兆円自然増の社会保証」という表現に、減らすというベクトルは見つかりません。
経済学で考えれば「毎年1兆円増える」という設定はおかしな話しです。高齢者が増えるのは事実としても、対象者、いわゆるユーザーが増えれば、効率化が図られ、コストダウンが発生するものだからです。
まるで増える人数にかけ算をしているようで、官僚は大学まで出て何を学んできたというのでしょうか。同じく大卒にしか門戸を開かない大マスコミは、どうして官僚によるこのようなふざけた主張を垂れ流しにするのでしょうか。
そして軽減税率。食品など生活必需品を軽減税率を適用しようという話しに、麻生太郎ちゃ・・・財務大臣は調味料のなまえをあげ、お酢やケチャップは含まれるのかと考えるとむずかしいと結びます。
線引きを言いだしたら切りがない話し。
よく例に出されるのがカナダのドーナッツで、5個以下なら店内消費=外食=贅沢として5%課税で、6個以上なら自宅消費で内食=生活必需品とみなされ非課税となるものです。
ドイツのハンバーガーも店内は19%、テイクアウトでは7%と税率が異なります。
これらは税に関する概念の違いです。ざっくりといえばこう。
「贅沢ができる豊かな人には応分の負担をして貰いましょう」
だから、税が安くなる=軽減ではなく、贅沢品の税を重くする=重増がなければ、そもそも軽減税率という発想は生まれないのです。
デンマークでは自動車購入時にかかる消費税は180%。つまり本体価格の約3倍が必要で、100万円の軽自動車は280万円となります。
便宜上、自動車取得税などを除けば、5%・・・いや2年後の10%の税率で計算しても、デンマークとの課税差額は170万円です。
日本 本体価格100万円 税率10% 計110万円
デンマーク 本体価格100万円 税率180% 計280万円
170万円の税収を担保に1パック100円の玉子に軽減税率を適用するなら、非課税として1万7千パック、現在と同じ5%なら3万4千パックに適用できる計算です。
つまり、重い負担をする人がいるから、軽減できるという算数の話し。
ところが日本は一律に8%であり、10%です。それでもまだ財源が足りないといわれるなか、軽減する余地はありません。もちろん、政権交代前の民主党や、個人商店の屋号が「みんなの党」と皮肉なネーミングをした渡辺喜美が主張するように「埋蔵金」があれば、この説は破綻しますが、架空の話しを前提にできないので本稿では割愛しています。
そして算数レベルの欺瞞を放置したまま、新聞各社は軽減税率を求めます。天下の公器を叫びながら、恥ずかしげもなく己の利益の拡大に東奔西走、紙面を割きます。
「新聞は民主主義を支える必需品と位置付けられている」
とは、産経新聞よりの引用ですが、各紙に概ね共通する主張。
消費税の税率、軽減税率をみても分かるように、算数もできない連中が民主主義を支えるとはおこがましい話しです。
彼らの主張は、民主主義が成立するには、国民が等しく情報を有することにあるというものですが、その情報が間違えていれば、民主義など機能しないのは、特定秘密保護法を巡る誤報や虚報、プロパガンダをひくまでもありません。
また、テレビ、ラジオ、インターネットがあるご時世に、新聞だけが特別でなければならない論理的整合性はありません。
100歩譲って新聞の軽減税率を認めたとします。朝鮮日報新聞、略して朝日新聞までも認めなければいけないのは腹立たしいとして、さらに我田引水の偏向報道際立つ読売巨人軍だけの報道機関である読売新聞にも適用されるのは苛つくとしても、これらのいわゆる「一般紙」は認めたとします。
しかし、「日本経済新聞」は贅沢品です。経済界の「競馬エイト」と呼ばれる(わたしが勝手に命名しているのですが)ほど、企業に偏った記事ばかりで、株式投資という博打のために存在する新聞は株式市場を応援しても、民主主義を支えるものではありません。
より金儲けを目指すための新聞ならば、それは贅沢品です。