日本人は性奴隷

飯島勲内閣官房参与の訪朝について、米韓が懸念を表したとか。橋下徹氏は起死回生のチャンスを見逃しました。

橋下徹の慰安婦発言が、思いつきの失言であることは、その後の数日の釈明からも明らかで、いちいちあげつらうのも面倒なので、一点だけ指摘しておけば、

「政治の世界にはいるまで外交に詳しくなかった」

という弁明がTBSだかフジテレビの出演の中でありました。

福島第一原発の事故を受けての脱原発ではこう言っていました。

「事故前は(原発について)知らなかった」

彼は何が得意で政治の世界にはいったのでしょうか。子作りという下世話な突っ込みは脇に置き、道州制やら地方分権、一院制などでしょうか。ならば弁護士として「国内法」という枠組みから、近しいものがあります。そしてそれを論じる言葉に、一理ぐらいはあるのでしょう。

しかし、慌てて身につくほど専門知識は浅いものではありません。原発でいえば、電力供給のメカニズム、再生可能エネルギーの実力、電力会社と発電所周辺市区町村の雇用問題などが複雑に絡み、総合的に判断するのが政治の仕事です。原発を止めるだけなら、発電所の職員で充分な仕事です。止めろというだけなら、バカコメンテーターにだって発言できます。

大学受験、司法試験合格という彼の経験が、学べばすぐに理解できるという自負心、あるいは過剰な自尊心を作りだしたのかも知れませんが、しょせん誰かが作った問題を一定水準で解答したに過ぎない・・・という謙虚さを彼に見つけることができませんが、それもまた個性。

話を戻します。つまり、知らないことも、知ったかぶりして語っているのが橋下徹という人間なのです。彼の罵るバカコメンテーターには必須の能力です。同類なんでしょうね。だからバカと定冠詞をつけることにより差別化を図るのは近親憎悪のあらわれです。

知ったかぶりがばれれば詭弁を弄し、それが通じなければ論点をずらす方向にシフトし、それも無理なら相手を持ち上げ、不明を詫びつつ、これからと未来へ話しを振り向け、謝罪の言葉は並べても反省はしません。そうやって生きてきたのでしょう。ひとことで言えば「口が上手い」だけの男ということです。

外交は口先だけではできません。いや、口先を弄するなら、大局的視点がなければならず、彼のようにその場限りの口八丁手八丁では長期的利益を損ないます。

国内法には詳しくても、外交に詳しくないから、ぶら下がり取材ごときでぺらっと語るのです。しかも橋下氏は「大誤報だ」と、取材陣に責任を押しつけますが、記者会見の全文を見れば、村山談話について問われ持論を展開したのちに、

「慰安婦問題だって」

と自ら持ち出した議論です。そしてその内容は大筋間違いではない、というより秦郁彦さんの著作からの引用で、いわば「読みかじり」。だから、この問題を論じる際に、安易に海外の国の実名あげたのです。

学者と政治家の発する言葉は、同じ音でも意味が異なります。学者は歴史を検証する立場ですが、政治家は歴史を作る立場にあるからです。

慰安婦=セックススレイブ(性奴隷)について異議を唱えるなら、共同代表のひとりである石原慎太郎がいうように、国政の場に出るか、大阪市議会で「米軍非難決議」でも採択すればよいことです。これは政治家にできて学者にできないことです。

専門職にはそれぞれの立場と意味とできることがある。当たり前のことですが、自分が一番賢いと思う独裁者は、他人の領域を平気で踏みにじります。

いったん、橋下徹から離れます。

内閣官房参与とは内閣の相談役に過ぎません。ちなみに民主党政権時代は「日雇い派遣村」の湯浅誠も参与でした。

いわばその程度の役職です。今回の安倍政権は「重量級」といわれていますが、ピン級(旧モスキート級)でも任命はできます。つまり飯島勲内閣官房参与を捨て石にすることも可能で、飯島さんは百も承知で敵地に単身乗り込んだのでしょう。

これに対して米韓が文句をいう。ふざけるなとはマスコミでは言えないこと、でも本当のこと。

安倍首相が訪米した際、扱いを軽んじたのはオバマ。前大統領の論外の暴走どころか、同じように日本を仮想敵国のように扱い、そのアメリカに出掛けていけば、日本の悪口を言いタレ、日本外しを露骨に表明したのは朴槿惠(ぱくくね)。

そしてどちらも拉致問題について重い腰を上げようともしません。

韓国も拉致被害者がいますが、南北統一という幻想を前提とすれば、国内の移動で、ならば「誘拐犯」とすれば良いのですが、より話がこじれるので「積極的な静観」が基本姿勢です。

アメリカにとっては他人事です。心配なのは核兵器です。ミサイルの精度が上がれば、アメリカ本土が狙われます。他人事ではなく我がことのためにアメリカは動きます。

そのくせ「六カ国協議」なる幻想を盾に、日本の単独行動を非難するのは、なんくせです。

冷静に国際常識でみてみます。国際常識とは、利は利、理は理です。簡単に言えば、利益の合致と、話し合いです。

遡れば野党の横暴が目立った川口順子さんの解任騒動のとき、彼女が委員会を流会にしても会っていたのは、中国の要人である楊潔篪(ヨウケッチ)です。

何が話し合われたかは公開されていませんが、中国が北朝鮮の後ろ盾であることは周知の事実で、その直後から北朝鮮の銀行口座を凍結していたことも重ねると、まったく触れていないと考えるのは邪推でしょうか。すくなくとも話し合いのチャネルを探っているのは間違いありません。

もう一方のロシアには森元首相が訊ね、ロシアは日本からの経済協力が喉から手が既に出ているほど欲しくて仕方がありません。アメリカのシェールガス革命により、天然ガス価格の下落が予想されるのはその一例で、資源価格に左右されるロシア経済は赤信号が灯っています。

北朝鮮の国情は言わずもがな。総連連本部の競売にしても、坊主丸儲け・・・もとい、坊主への協力が集まらなかったことからも、北朝鮮への求心力低下は明らかです。

つまり、国際常識に照らせば、六カ国協議の参加国で

「米韓以外はフレンドリー」

なのです。短絡に友好的というのではなく、話し合いの用意があり、その先に具体的な利益が見えるということです。対する米韓は日本が黙っている方が利益になります。

だから日本が、米韓を除いた国と強調しながら、拉致問題を解決することは、日本にとって的確な外交といえます。まして「邦人保護」は、国家の最大の責務です。

アメリカなら救出のために開戦も辞さないでしょうし、事実、元大統領が訪朝してまで自国民を保護します。それを日本だけがするなというのです。どれだけ米韓は「差別的」なのでしょうか。

飯島勲氏が乗り込みました。自国民の救出のために、彼なら死すらも厭わない・・・比喩表現ですが・・・でしょう。これは日米同盟に通じます。

尖閣諸島の防衛がもっとも記憶に新しい所ですが、

「日本国民のためにアメリカ国民の血を流すことはない」

日米同盟があると言っても、日本人が前線にでることなく、米兵が銃を握ることはないということです。当たり前の話しです。われわれ日本人は人種差別主義者ではありません。日本人のために、アメリカ人に死んでくれとは言う権利もなければ、願う賤しい心根もありません。日本人はアメリカ人も韓国人も同じ人間として差別などしません。

だから飯島氏が行ったのです。血を流す覚悟で。その結果、米韓の冷徹ぶり、差別主義者の表情が鮮明となります。

日本国が日本人の救出のためにとった行動を批判できる根底に

「日本人蔑視」

があるのです。と結論づけて橋下氏に再登場願います。

韓国の日本蔑視は、中華文明圏のそれで、中華文明圏の思想は差別主義を隠しもしませんので、ここで紹介はしません。加えて、戦後ながらくの日本側からの配慮が、彼らを増長させ、日本相手には何をしても良いという差別主義を拡大させました。

日本であること、日本人であることだけを理由に、どんな不当な要求も通ると信じている姿勢は、ナチスにも匹敵する民族差別とあえて記します。

そしてアメリカ。橋下氏が語る秦郁彦さんの言葉は事実です。アメリカは占領下の日本で性奴隷を求めましたし、日本国内での強姦は、彼らが日本に押しつけた「人道上の罪」を上回ります。なぜなら、戦時下ではなかったからです。ましてや民間人の婦女子を輪姦したケースは枚挙に暇がありません。これは事実です。

つまり橋下氏が言わんとする「日本だけが」とは間違いではありません。しかし、彼が一流の政治家で、これを聞きかじりの浅薄なトリビアではなく、血肉に溶けた民族に悲劇として捉えるなら、こうぶら下がり取材でも主張すべきだったのです。

「日本人への人種差別だ」

当時の諸外国も行っていた行為の罪を日本人にだけ追わせる。日本民族だけが責めを負う罪とは、人種に由来するものと認めざろうえない。すなわち人種差別だ、と。

アメリカのウィークポイントが人種差別です。いまだに人種差別に敏感であるのは、人種差別が現存しているからです。荒唐無稽ではありません。先の大戦時に、日系人を差別し、隔離したのはそのアメリカ人です。

60年前の人種差別意識をアメリカはいまだに抱えていると指摘してやれば良いのです。残念ながら本当のことです。

沖縄の風俗利用については先週述べた通りです。大阪市長が、沖縄の婦女子の利用を語るのは論外。そしてこれについては軌道修正しましたが、性奴隷に関してはいま進行形の問題です。

橋下は、性欲解消という視点に立ちました。さすが7人目の子供を妊娠中の妻がいながら、浮気相手にコスプレさせてハッスルできる人間性です。モラルよりもヌくことを第一とするのは、彼自身のストレスからかもしれません。あるいは彼自身が利用しているから、その気持ちよさを・・・と下品ですいません。

アメリカの差別主義を詰るチャンスは沖縄だけではありません。

長崎の佐世保でも米兵による強姦事件が、今朝報じられています。

小学生への輪姦という極悪非道の所業ができたのは、アメリカ人・・・少なくとも、米兵のあいだでは、日本人にはなにをしても良い、すなわち

「日本人は性奴隷」

という考え方が根底にあるからだと、いうチャンスカードを橋下君は手にしながら捨ててしまったのです。

飯島勲内閣官房参与の訪朝、それに対しての米韓の拒否反応。それを慰安婦の非難決議をする米国各州議会と、韓国世論と重ねることで一発逆転ホームランを打てたのですが・・・いったいわない、日本人だけがと揚げ足取りに終始するのが橋下君の限界です。

いぶかりすぎかもしれませんが、飯島訪朝から3日後、アメリカエネルギー省は日本へのシェールガスの輸出を決定しています。日本が自主外交に乗り出せば、アメリカの国益を損ねることは自明です。アメリカの国益とは、ときに日本の損失と同義です。

ブログ村に参加してみました。宜しければ右バナーをクリックしてください→ にほんブログ村 政治ブログ メディア・ジャーナリズムへ
にほんブログ村

“日本人は性奴隷” への3件の返信

  1. 橋下市長が慰安婦発言を始めた理由は不明ですが
    「朝鮮戦争で韓国は日本の慰安婦制度を真似て慰安所を作り米軍も利用していた」
    というコントみたいな事実をきちんと指摘してほしいです。

    朝鮮戦争の慰安所
    http://blog.goo.ne.jp/yamanooyaji0220/e/96439eae8d545a1b5b408201eb52b216
    米軍専用慰安所の火事を伝える韓国の新聞記事
    http://exposethelies.web.fc2.com/image/m19570226.jpg

    1.  事実だからとTPOをわきまえずに発言してはならないことは大人なら誰もが知っていることです。
       慰安婦や性奴隷への反論なら、彼の立場と影響力なら、もっと正しいやり方はいくらでもあります。
       ついでにいえばベトナム戦争の記録も、報じて欲しいものですね。隣国の分も含めて。

  2. 連投失礼
    直接リンク不可でしたのでURLを訂正します

    米軍専用慰安所の火事を伝える韓国の新聞記事
    ttp://exposethelies.web.fc2.com/image/m19570226.jpg

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください