産経新聞に見事な難癖を見つけたので突っ込みます。橋下徹大阪市長です。市役所での記者会見なので大阪市長としております。彼が放言する「喧嘩が強い」は殴り合いではなく、口喧嘩、あるいは係争についてを指すのでしょう。なぜなら、現行法下で正当防衛以外の暴力は認められていないから。でありながら、以前は「体罰容認」というアンビバレントに恥じないツラの顔が彼の持ち味。そして大阪府知事、市長のとき、彼への批判を控えていたのは大阪の人が考えることだからです。
国政政党の事実上の党首になったので批判します。で、「維新の会共同代表」という、なんだかマルチビジネスの広告塔のような肩書きを持つ橋下氏。川口順子参院環境院長が、予算委をすっぽかしたことで野党が合意して解任決議案をだしたことへコメントします。と、その前に本件。ダメですね。民主党。やっぱり。とにかく自民党に嫌がらせをすることが党是で、半年前まで政権を握っていたとは思えないほど・・・あ、いや、そうか、国家間などない政党だから先の衆院選挙でズタボロの惨敗をしたんでしたっけ。そしてその反省に立てないのは、党是がアンチ自民以外にないから。なるほど。
端的に言って川口順子議員と、支那の楊 潔篪(よう けつち)氏が会ったのは腹の探り合いであり、日程延期も中国の外交上の演出です。ばっちり川口氏の訪中に、ばっちり日程が合ってしまっては「合わせた」と国内から批判されます。日程を延ばさせたことにより「会いたい」という形式が必要だったのは面子の国だからです。さらに国内が揉めてくれれば尚良し。これに連動したのが反日政党の民主党と、目先の政局以外にレーゾンデートルを持たない「みんなの党」などその他大勢。社民と共産は伝統芸。
それでは橋下徹氏です。産経新聞より発言のみ引用。
A「外交責任を負っているんですかね、川口さんは。そこははっきりしないとダメ」
B「あくまでも外交は、憲法上、政府の責任になっている。一議員が会うことと、政府の一員が日本を代表して会うこととは全然違う」
C「外交の名の下に議会をすべてすっぽかしていいのではない。議員外交を許してしまったら、国会なんて成り立たない」
D「急な予定だと言われて中国サイドの予定にすぐ応じることのほうが外交上、国益を害している。今の日本政府が中国(要人)とのアポイントを取るぐらいで喜んでいるのは情けない」
A、Bが橋下氏が得意とする論理のすり替え。はっきりいって狡い。まず、Bは正論のようにも見えますが、Aがあることにより「外交責任を持たないものが」と暗示して問題点とします。ただしBも論外で、議員という立場と、外交責任は別次元の議論。一議員であっても、首相の特使ならば外交責任を負います。民間人となった森元首相がプーチンと会談したように、外交責任は政府にあり任命責任として政府が負うものであり、議員云々は言いがかりです。屁理屈です。難癖です。橋下氏が誘導しているのは
「川口順子が勝手に中国に行き、自分の都合で日程を変更した」
という結論。でも残念。ちゃんと予算委の延期を要請したと言うことは、彼女ひとりの独断ではないということであり、「暗に」政府を代表しての会談、あるいは会合であったのは明らかです。もし、それに気づかないなら、彼に国政を預けるのはルーピーの再任を願うが如くです。
橋下論法が光るのがCです。AとBをもってCとする。見事な論理構成ですが、基本がすり替えであり、言葉を換えれば捏造というか演出なので評価などできません。そのCにおいて「すべてすっぽかしていいのではない」と絶好調! すべてと誰がいったんですか! 何時何分何十秒、地球がなんかい廻った日? と橋下徹に問いたい。さらにそこから議員外交へとステップを踏み、国会なんて成り立たないとジャンプします。が、すべて彼の虚構というか思いこみ、仮定に仮定を重ねての結論で、それは妄想とか空想と呼ぶもの。といよりも「批判のための批判」。貧すれば鈍するというか、彼の正体かは、今後の経過観察が待たれるところです。
最後のD。勇ましいようですが、ここでABCが破綻します。先にカギ括弧で記したように「暗に」に過ぎません。だから、政府を代表するものと公式文書に記録されることはありません。いわば根回し・・・というより、捨て石になっても良いという覚悟だからこその「暗に」なのです。端的に言って敵対国家の要人と、日本政府の特使が下準備もなく面会することなどあり得ません。だから比較的「軽量級」であり、「妥協点」でもある川口順子さんに白羽の矢を中国側が放ったのです。中国主導であるという点に忸怩たる思いを抱えているのかもしれませんが、そうではないでしょう。だって、橋下よ、おまえに言われたくないと日本国民として思うのです。
小沢一郎を”あの人はスゴイ”と絶賛していたのが橋下徹氏。で、小沢と言えば、天皇陛下より中国の新皇帝を大切にした国賊で、国益を害すること甚だしく、100人越えで訪中したことを思えば、中国要人とアポを取って喜ぶぐらい・・・って喜んだとも川口順子ちゃんはいってもいませんが。言ってもいないことに尾ひれをつけ印象操作をするのも橋下流です。
そして話しに一貫性がないのも橋下流。なぜなら、すっぽかしたのは参院。かねてより主張する「参議院はいらない」を主張するには絶好の機会。
「委員長がばっくれるような参院なんか、やっぱりいらない」
国益云々を語るなら、対中国、対韓国に対しては国内は一枚岩であるべき。つまり外交においては、野党のアシストも国益に絡み、まして与党側の失点という「貸し」までつくれるチャンスを、解任決議による判例を作り、次は慣例となるでしょう。それは維新の会が・・・今のままでは不可能でしょうが・・・政権政党になっても同じです。
橋下徹氏は、伸びぬ支持率、埋没する存在感に焦り、噛みつく相手を見誤っています。やっぱり、彼、喧嘩弱いんじゃないの。