昨年の夏、タレントがツイッターで、テレビ局の韓流あおりを
批判しました。特にフジテレビを名指したことを、タレントに好意的に
解釈するなら、東日本大震災を経て、日本がひとつにまとまろう
というときなのだから、韓国のドラマよりも日本のものを流すべき
だろうというものです。
東日本大震災がどうこうではなく、わたしも賛成。
理由はつまらないから。好きな人はそれで結構。ただ、あの
過剰な演技と強引なストーリー展開が耐えられません。もっとも
いまの日本の連続ドラマのご都合主義、浅い伏線、キャストを見た
だけでストーリー展開が読める配役には溜息しきりですが、日本の
限られた電波資源を使って流すことはないだろうと。スカパーや
ケーブルテレビ、レンタルビデオなどなら話は別ですが。
しかし、テレビ局は新大久保の「コリアンタウン化」を礼賛して、
韓流の定着に余念がありませんでした。そしてわたしも少しだけ
洗脳されたことを告白します。
「韓流ドラマを面白いと思う人たちがテレビを作っているのだから
面白くない・・・というか、日本人の感性に響く作品が作れなく
なっている、すなわちテレビ離れの理由のひとつだ」
と仮説を立てていました。
ところが昨年末「家政婦のミタ」が最終回に40%を記録します。
残念ながら、この作品もバックボーンの設定があまりにも
チープで、わたしは受け付けなかったのですが、しかし筋立ては
しっている理由は後ほど。
かつてタレントの批判にフジテレビを擁護する側の人はこういい
ました。
「人気があるから放送している」
しかし、この論が今年に入り瓦解します。
平日の午後、韓流ドラマの放送枠がなくなりました。
関東ローカルの編成かも知れませんが、1月18日(水)まで
あの大人気とされる「チャン・グンソク」さん主演の、
「ベートーベン・ウィルス」
が午後2時から放送されていたのが、翌日から「救命病棟24時」
です。
人気シリーズとは言え、チャンさんの主演ドラマは途中で、
つづきは翌週の1月25日の深夜2時過ぎと12時間もタイムシフト。
その次は翌週より同じく深夜2時からの2本立て放送です。
人気番組の放送時間が変わるのは、より見られる時間に「昇格」
するときだけです。深夜番組ゴールデンとか、家政婦のミタの
ように再放送のダイジェストを「特別編」として、本放送の
直前にながしたりなどです。
おまけにこの春から、韓流ドラマの時間に情報バラエティ番組
がはじまります。裏番組の「ミヤネ屋」の視聴率は8%ほどですが
時間占有率は30%と高水準であることと無関係ではないでしょう。
本当に人気があったのかという疑問が残ります。
そしてひとつの結論がでています。
「フジテレビ視聴率三冠王から転落」
昨年の視聴率競争で玉座を「ミヤネ屋」の日本テレビに奪われ
ました。もちろん、ミヤネ屋の人気だけはありませんが、
フジテレビが大人気の韓流ドラマを流している裏で、ミヤネ屋
では「家政婦のミタ」を特集し解説します。
おまけにそのあと番組では、家政婦のミタだけでなく、
そのクールのドラマの前週分を再放送します。これにより
1週見逃しても話が分かり、人気が出てくると「特集」として
解説番組を放送します。わたしが家政婦のミタの話しを知った
のはこの特集番組です。
すべての韓流ドラマを否定するほどは見ていません。
しかし、すべての韓流ドラマが面白わけがありません。
そして視聴者は残酷にチャンネルを選びます。
テレビ局がどれだけ謀ろうとしても漏れ出てくる真実が
あるという話し。