ダイエットから学んだこと

 すこし、痩せました。たぶん、病気じゃないと思いたいところ。

 これは心の病気。と、いうかトラウマに近いのでしょう、父親を
ガンで亡くし、その後、各種雑学を身につけるなか、痩せる=ガン
というステレオタイプの妄想に近い恐怖心です。

 もしかしたらそうかもしれませんが、しかし、身につけた雑学が
囁きます。人間の身体は毎日、がん細胞が生まれ、大半がNK細胞に
より駆逐されており、需要と供給というと語弊がありますが、
NK細胞が生まれるがん細胞に勝っているあいだは大丈夫だと。

 と、病気への妄想を抱えているのですが、いま少し痩せているの
は「運動」によるものでしょう。この3ヶ月ほど、時間の許す限り
1時間弱の散歩と、40分ほどの自転車(エアロバイク)、それに
この1ヶ月ほどは腕立て伏せとストレッチを加えて、長い時は毎朝
3時間弱トレーニング(無論、やらんときは1秒もやってません)
をしていたからです。

 もとが「小デブ」だったので、スリムになったわけではありませ
んが、久しぶりの痩せた実感はなんだか新鮮です。ちなみに各所で
公開している写真は、痩せる以前ものですが、それほど小デブに見
えないとしたら、広告代理店上がりの写真の加工技術によります。

 ことのきっかけは、高校受験のために預かっていた甥が、わが家を
去り、気がつくと、それまではいていた細身のジーパン(デニムと
い書くとバベル二世のロデムを思い出して脱線するので)がきつく
なったことにショックを受けてのこと。

 昨年の10月から今年の4月までの半年間、生活のすべてを甥の
受験のために注力するあまり、それまで適当ながらも続けていた
運動の多くを減らしてしまったことにより、各所が膨脹していたの
です。

 そして逆説的に運動が痩せる(肥りにくくなる)ことを再発見し
たいうことです。人は当たり前のことを、ついつい忘れてしまう
生き物です。それでまぁ、しばらく続けてみようかと。

 なお、散歩は愛犬と、自転車は新聞を読みながら(テレビも)な
ので、時間的追加費用はほとんど発生しておりません。

 このダイエット・・・いや、シェイプアップは全てに通じる真理
を教えてくれます。

 それはエネルギー保存の法則。そのままの意味でとらえると語弊が
あるので翻案するとこういうこと。

「出入りは拮抗する」

 難しいですか? ダイエットでいえば、摂取したカロリーと用い
た運動エネルギー+基礎代謝で体重の増減は決まるということ。

 つまり、食べれば太り、動けばやせるという至極当たり前。
 そしてこれは「真理」です。

 国の借金がまもなく1000兆円になろうとしています。
 どうして借金が増えるのか、簡単な話です。使うからです。
 あえていいます。

「世界一豊かで責任を負わない生活を享受している日本人」

 だからです。指標には様々あり、異論もあるでしょうが、格差と
貧困にあえぐのは「グローバルスタンダード」で、世界進出と
日本の芸能界侵略(ま、日本の芸能関係者が招き入れいており、
これには別の背景があるのですが割愛します。そして侵略とするの
は歴史文脈と重ねてのブラックジョーク)を着々とすすめる韓国で
は国策としてのウォン安による物価上昇に国内消費者は困窮してい
ます。

 だから「韓国を見習え」という経済界の論にはあきれてしまうの
ですが、米国でも各地でデモが起きている根本は貧困や就職難など
で、イギリスでもおきましたよね。中国はいわずもがな。

 さらに北欧の一部の国の豊かさを喧伝する声もありますが、
それらの国の国民は高い税負担を甘受しているだけではなく、思想
として「国はわれわれが背負うもの」という自負と責任が国民にあ
るのです。

 それではと問うまでもないでしょう。国民だけを責めているので
はありませんが、低負担で高福祉や、生活インフラの整備を享受し
つづけて積み上げられた借金が1000兆円に達するということで
す。

 借金をメタボとするなら、美食の限りを尽くすだけなら肥るのは
自明だということです。

「そんな良いものを食べていない」

 と短絡な反論にはこう答えましょう。

「スーパーに行って食材がある。これだけでも豊かなのだ」

 山に分けは入り、罠を仕掛けて猪を捕らずとも、切り分けられた
豚肉を金さえ出せば買える豊かさを、道路や橋といった「公共工事」
が支えています。

 そして数年前には800兆円だった借金が1000兆円となるの
もダイエット&メタボと同じ。ある一定以上のデブになるには食欲が
欠かせません。飽食に胃袋の許容量は大きくなり、空腹を満たすため
の食事から満腹感を得るちゃんこへと変化し、さらなる満足得るため
に餌の量が増大します。国の借金も同じです。より良い生活、さらな
る福祉、この福祉には公園を作れ、学校にクーラーをつけろといった
要求も含まれ、隣町で行ったことは、我が町でもと欲望は連鎖し、
歯止めがかからなくなります。

 さらに、肥満により重くなったからだでは、運動全般がイヤになる
のは行政組織の肥大化や、すでに得ているメリットを役人だけではなく
国民も受け入れなくなることと同じです。

 見た目が気になるのも似ています。デブになると、よりデブを探し

「アレよりはマシ」

 と勝手に下位ランキングを作り始め、我が身を可愛がります。また
は体重が同じでも、ダンスが踊れるとか、筋肉質だからなどと、
珍妙な言い訳をするのは、日本には外貨準備があり、国民のタンス
預金があるからなどという説明と重なります。そして100g単位の
増減など気にしなくなるのは、いまさら100億や1000億は
はした金に思えてくる錯覚に似すぎて怖い。

 この状況で「増税」へと野田内閣は舵を切りました。
 月並みで申し訳ありませんが、財政再建や社会保障財源の確保の
ための増税には基本的に賛成の立場に立ちますが、復興財源としての
増税の議論しかないところに反対します。

 被災地にお金が必要なのはわかりますが、建設国債や民間資金の
活用などの議論もなく、とにかく「増税」という姿勢に納得など
できません。

 なにより、復興対策と1000兆円の借金をどうするかは別の議論
です。

 仮に復興に100兆円がかかったとしても、被災地が復興した暁に
は、それ以上、かからない、つまり追加負担のないお金で、さらにい
えば「税収増」まで期待できます。一方で、1000兆円の借金は
いまのままではその後も増え続けていくのです。

 また、桁が上がると借金は坂道を転がる雪だるまになります。

 800兆円の1%は8兆円で、1000兆円の1%は10兆円です。
サラ金も国の借金も理屈は同じで、いちど加速した金利地獄は抜け出
すことが困難であることは実体験を元に知っています。私が小学生の頃、
実母がサラ金の借金を重ねて苦い思いをしたものです。

 仮に「復興増税」を認めたとしても、同時に「財政再建」に着手し
なければならないのです。

 埼玉県朝霞の公務員宿舎の建設凍結から解凍、そして再凍結という
バカ騒ぎからも解るように、民主党内閣、民主党に財政再建をしなけ
ればという意思は感じられません。

 それは全議員も同じ。震災以降、議員歳費から半年間3割カット
(50万円)していたものを、この10月から「満額」に戻しました。
「国費」で賄われるものには、かならず国の借金が含まれています。
「これは○○財源だから」というのは詭弁です。

 ただこれは指摘しておかなければならないことですが、アンチ自民党
芸人達が口を揃えた「野党も協力して国会運営」がどれだけ詭弁だった
かは公務員宿舎の問題から明らかです。与党をチェックするために野党
があり、復興優先という美名で、野党を、自民党の手足を縛ることを
許してはなりません。もちろん、共産党やみんなの党、立ち上がれおいら
などもそうで、手足を縛っても良いのは社民党ぐらいでしょう。

 話を戻します。
 まずは隗より始めよ。

「国会議員の総予算の削減」

 から始めるのです。同じく公務員も。国会運営費も歳費も、公務員で
は各種庁舎の管理費から人件費。国会議員ひとりを1年間養うには
1億1千万円ほどで、衆参あわせて722人の議員。それに国会運営費
やら、議員宿舎の管理費に大臣専用車など諸々あわせてかかる経費を
総額から一律20%削減するのです。30%でもOK。最悪妥協しても
10%は削らなければ国民は納得しません。

 議員定数は国会議員が決めます。総予算を20%削っても、議員定数を
半分にすれば一人当たりの手取りは増えますし、逆に人手が足りないなら、
一人当たりの手取りを半分にして、その分スタッフを集めれば良く、
「実需」にあわせた運営ができるようにすればよいのです。公務員も同じ。

 というより、もうお気づきですよね。民間企業がどこでもやっている
ことです。

 会社には予算があります。それは予想売上から原価を引いて、残る
粗利から算出されます。経営方針で使途は異なるにしても、粗利を越え
る費用が発生した状態が赤字です。長く続けては倒産します。そこで
不急不要なものから削っていき、必要な予算を手当します。

 するとこう反論することでしょう。

「行政サービスに支障をきたす」

 これも詭弁。極論をすれば、すべての建築物の建設を中止し、破損
した箇所の修繕だけに予算を割り当てれば、短期的には大幅な予算を
削減できます。特に道路工事など、雨水浸透型の道路改良工事が全国で
行われており、これは大変便利ですが、震災復興したのちでも充分間に
合うものです。

 逆に従来の行政の予算が、経費や費用のひとつひとつを積み上げてい
く方式だったことが間違いであることは、東京電力が教えてくれました。

 それが

「総括原価方式」

 です。各種経費、人件費、そして「利益」までをあらかじめ計上して
から電気料金を設定していたので、絶対に損をしない仕組みになって
おり、このことが電力料金を高止まりにさせ、損をしない体質が、
自助努力、自浄作用という機能を喪失させたのです。

 このやり方は役人も国会議員も同じです。そして1000兆円の借金
が生まれました。また、いまの野田内閣の増税案にしても、

「これだけの費用がかかるだろうから、金をよこせ」

 総括原価方式と何が違うのでしょうか。
 民間企業ならこうします。

「血の滲む企業努力をしたが、足りない分を値上げさせてくれ」

 そしてこれはダイエットと同じです。
 運動をせずに痩せようとしているのです。

 仮に震災復興を短期間のガテン系アルバイトとします。ガテン系は
体力を使うので、昼食にはカツ丼とラーメン、ついでにカレーも必要
だといいます。気持ちは分かります。しかし、ダイエットを目指すなら
朝と夜ご飯は控えなければなりません。

 朝と夜をそのままに、ガテン系だからとカツ丼とラーメンにカレーを
食べ続けて痩せることなどないようにです。

 フラフラとなるまでカロリーを削り、運動ができなくなるからと
栄養補給をするのではありません。いまの「増税」は、ご飯がない
ならお菓子をもってこいというアントワネット。

 だいいち「増税議論」で、国会が紛糾するリスクを考えれば
短期的には国債でお茶を濁すのが、本当の被災者対策です。お金に
色は付いていませんし、だれも突っ込まないのでつっこみますが、
どぜう野田さんは、

「未来にツケは廻さない(意訳)」

 ということを言っていますが、そもそもこの内閣、

「迅速な復興対策」

 を掲げて、ギリギリ、民主党による政権のたらい回しを見逃して
貰ったんでしょ。なら、未来云々ではなく、今日の、今月の、年内に
ひつような費用を捻出するのが仕事なんですよ。

 アンチ自民党芸人はすっかり忘れたようですがね。

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