公益でしょうか、いいえ私益

 一周まわって面白くなる。

 お笑いの世界では、あまりにもくだらないネタであっても、それ
をやり続ける厚顔さを失笑するこういう表現があります。

 テレビサイズのお笑い集団「民主党」の、党首、我らが首相 
菅直人師匠が一周まわって素晴らしく面白く見えてきました。

 公益を振りかざし私益(名誉欲でしょうかね)を追求する彼の
あさましさは、軽蔑を通り越してフィクションに見えてきます。

 戦後教育の集大成。平たく言えば「口げんかは口げんか」。
 彼の行動原理なのでしょう。

 もちろん、法治国家の民として、安直に暴力に訴えることなど
言語道断です。話し合いで解決できることは話し合いで解決すべき
です。

 交渉で席を立つのはともかく「表へ出ろ」など野蛮人の所業。

 かりに話し合いの場で恨みを買ったとしても、話し合いの場で、
議論が終わればノーサイドで、ディスカッションで相手を罵るのは
テクニックに過ぎず、人間的尊厳を侮辱してもゲームだからなにを
やっても良いのです。

 犬が人間の言葉を話す日がやってきても、私が現在の民主党
執行部に名前を連ねることがありませんが、かりに私が彼らの
立場なら、菅直人に対して禁句を発することでしょう。

「表へ出ろ」

 その前に、我らが首相の顔面に模様を作っているかもしれません。

 が、話し合いは話し合い。命までとられるどころか、話し合い
は話し合いでしか解決してはいけないとは寝言の多い日教組教育
です。

 もちろん、彼らの信奉したソビエトや、シンパシーを感じるら
しい中国は、話し合いを殴り合いで解決することを躊躇しません
がね。

 そして面白くなった理由。
 いつのまにか菅直人のレーゾンデートルとなった

「再生可能エネルギー促進法」

 において、例のブラックキューピー孫正義さんがしゃしゃりでる

「再生エネルギー促進会議」

 の会合で

「私の顔を見たくないなら早く法案を通せ!(要約)」

 といいました。

 お見事! ひとことも「辞める」とはいっていません。

 拙文書きとはいえ、日本語を操りギャラを頂戴するものとして
文脈からみて、法案が通ることと、首相辞任はトレードオフの
関係になるのですが、彼にとっては吐いた唾の粘液のみが
真実なのです。

 「一定の目処」というのも同じ。もちろん、目処がつかなけ
ればイスにしがみつくのは言わずもがな、さらに「一定」の
解釈などどうとでもなります。

 それよりも注意深く、例の会見の文言を精査すると、

「一定の目処がついた段階で、若い世代に責任を引き継いで
 いきたい」

 とは、まぁなんともはや。「普通の日本人」なら、辞任表明と
みるでしょうし、日本は日本人だけのものではないと寝言は吐
いたルーピー鳩山ですらそう感じたのです。

 しかし、そこが菅直人という種族です。たぶん、妻の伸子
さんも同じ種族でしょう。血縁があるだけでなく、支持率が
ゼロになっても首相を続けろと直人のケツを叩くというので
すから。

 前段の一定の目処については触れたので割愛します。

「若い世代に責任を」

 責任です。あくまで責任です。

 役職でも総理のイスでもありません。これは野党自民党 
谷垣総裁に大連立を呼びかけた時と同じ「責任」とみるべき
でしょう。つまり「責任」だけ押しつける可能性を含んだ呼
びかけです。

 若い世代すら保身のためのツールと使う彼に驚きはしません
が、最後が菅直人らしさの発露です。

「いきたい」

 引き継ぐ。という宣言ではなく、「引き継いでいきたい」。

 希望や願望などいつでも撤回できます。
後継がいない、力不足など理由などいくらでも作れますからね。

 いやはや見事です。こんな種族が同じ会社にいたら、私は
クサイ飯を食べても物理的な力に頼ることでしょう。その上で
潔く法治国家としての裁きを受けます。

 しかし、人間には・・・いや、田嶋陽子先生が怒り狂うのを
覚悟の上でこういいます、男には法律よりももっと大切なもの
があるのですが、彼にはそんなものより総理のイスが大切で
その姿を見るに失笑を禁じ得ず、一周まわって楽しいなぁと。

 そして類は友を呼ぶというのか、

「再生エネルギー促進会議」

 に出席していたという「ニューズウィーク日本版」編集主幹
竹田圭吾さんが、フジテレビ「とくダネ!」でこの件について
触れた時に参加者の一部をこう呼んでいました。

「プロ市民」

 なるほど、この会議の主催者にはエロテロリスト・・・もとい
エコテロリストと呼ばれることもあるグリーンピースジャパン
も名を連ねています。市民活動家としてはシンパシーを感じる
のでしょうね。

 この会議でのもうひとりの主役と呼んでも良い孫正義さんも
相変わらず香ばしい。彼が立ち上げようとしているとされる

「自然エネルギー協議会」

 ですが、まだ「準備中」です。まぁお忙しいのでしょうが、
わたしが注目したのはこの協議会のホームページアドレス。

http://www.softbank.co.jp/energyjp/

 ソフトバンクのサイトにある、ひとつのフォルダ(厳密には
そうとは限りませんが)にあります。

 公益でしょうか? いいえ私益。そんな金子みすゞのうたが
遠くで響きます。

 忙しいから? ノー。ネットに信者を抱える孫さんなら、
ツイッターで呼びかければ、こんな簡単なページを作ってくれ
る協力者を捜すのなど「へ」でもありません。

 あるいは「被災地に100億円寄付」するほどのお金持ちです。
 Web制作会社に発注したとしてもはした金です。だいたい、
傘下には

「ヤフージャパン」

 だってるのです。ドメインがないとかいうレベルの話しでは
ないでしょう。

 そしてこの寄付にしても表明してからしばらく支払われていない
ことが週刊誌にすっぱ抜かれたのは記憶に新しいところですが、
これについても先ほどのソフトバンクが自身のプレスリリースと
して発表したのは5月16日が最後です。

 これもよく見ると「寄付先の決定」で、振り込んだという
記事ではなく、注意深く見ると半分の50億円は「決定」ではなく
予定にすぎないのです。

 いやはや、50億円でも凄いことです。ありがたいことです。

 いま「脱原発」「再生可能エネルギー」と冠をつけただけで
誰も逆らえない空気になっています。菅直人が居座る理由を見つ
け、孫正義さんが儲けの匂いを嗅ぎつけたかのような動きを見
せる

「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する
 特別措置法案について」

 をよくみると、見事なザル法です。

 ざっくりと述べれば、太陽光発電で発電した電気を買い取り
ますという法律ですが、買い取り価格の決定は経済産業大臣の
一存で決められることになっています。

 買い取るのは「一般電気事業者」、つまりは東電などの地域
電力会社です。

 はてさて、原発の被害者賠償から、封じ込めまでいくらお金が
かかるかわからない時節柄、買い取り価格は東電を所管する
経産大臣が決められる・・・とは、東電の国有化でしょう。

 東電は潰さない、で、賠償はさせ(当然ですが)、電気の
買取は価格まで決めて法律で強制するのです。

 足りない分は・・・国民負担、つまり国有化と同じです。

 そして、ソフトバンクさんはメガソーラーで電気を買い取れ
と迫る側に立ちます。

 さらに穿った見方をすれば、この法律案、交付の日から1年
以内に施行するとなっています。

 すると菅直人は最大で2年後の衆院解散までは玉座に座り
続けることができ、今朝からの報道にあるように内閣改造に
よる「新体制」で、孫正義さんを経済産業大臣に任命したと
したら・・・自分のところで作った電気を好きな値段で買い取る
ことができるようになる、つまり税金を懐に入れることが
できるようになる・・・とはさすがに穿ちすぎですね。

 一周まわって面白いのは菅直人だけではありません。
 孫正義さんも同じ。ヤフーBBの端末押しつけ商法で非難囂々
だったのに、ツイッターを使って軽口叩いた途端、過去を知らない
あるいは覚えていないネットの住民が英雄視し、それを腐さない
ネット業界も同じ。

 そして菅直人がダメなら刺し違えてでもという気迫のない民主党
所属議員達もまた自己保身に汲々としている様は、もう

「笑うしかない」

 のですから。かれらもまた公益ではなく議員イスという私益に
すがっています。

 ちなみにネットで活躍するジャーナリストは、マスゴミさんが
東電を批判しないことを「大スポンサー」だからと唾棄しますが、
その論理は一部正しいのですが、それはSMAPや、白戸家の
みなさまでCMを垂れ流しにしているあの企業も同じだという
ことには、なぜかくちをつぐむから不思議です。

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