祝! わがまち、足立区が躍進しました!
とは、平成22年上半期の犯罪件数が1割減となり、ワーストワン
だった玉座を新宿区に譲り、東京23区犯罪の少ない町ランキング
において、どうどうの
「22位」
になったと・・・はぁ。
なんだかなぁという突っ込みはさておき、私の愛する足立区は
それほど犯罪があるようには感じません。新宿区には歌舞伎町だけ
でなく初台もあるように、足立区には綾瀬もあれば舎人・・・は
静かなだけですが・・・もあります。
またこれは統計のマジックという部分も無視できません。
この犯罪件数とは「認知件数」であり、実際の「発生件数」では
ないのです。つまり、こういう見方もできます。
「足立区では犯罪を隠さずに警察に届け出る」
事件になることを嫌い口を閉ざし、面倒を怖れてなかったことに
することなく警察に相談する区民が多いと、かなり強引ですが
ポジティブに解釈するのは無理でしょうか。
こんなことがありました。
「てめぇ、でるところでるぞ!」
と警察をケータイ電話で呼んだのは加害者。
居酒屋で喧嘩になり、大暴れしたあげくにこの台詞が出て
警察署に「ステイ」しました。加害者まで犯罪件数増加に協力
しています。
2008年のデータで見ると、1平方キロメートルあたりの
犯罪件数は16位で、逆に少ない方から数えた方が早いのは統計の
マジックといえるでしょう。
また、本稿執筆に当たり調べたのですが数字が見つからず
これも根拠がないのですが、一件当たりの
「犯罪被害額」
では足立区は優良区に属するのではないかと見ています。
それは犯罪件数とも連動しています。
犯罪件数ワースト連続記録を受けて、足立区は警視庁と協力し
その抑止に努めました。代表的な運動がこれです。
「ワンチャリ、ツーロック運動」
自転車にふたつのカギをつけましょうという運動です。
・・・そう、窃盗犯にしめる「チャリドロ」の割合が高いため
のことです。
高級自転車が狙われるというのではなく、カギのし忘れ、
蹴っ飛ばしたらずれる簡単なカギを壊されてという犯罪です。
だから被害額を「時価」で換算すれば、リサイクルショップでも
引き取ってくれないような自転車まで「盗まれ」、それでも
被害は被害ですし、偶然見つけることもあることから、警察に
被害届をだす足立区民が多いのです。
そしてこれも統計には表れないところとしてこんな心理も
ワースト記録を助長します。
「また、買えばいいや」
ディスカウントストアで安ければ8800円ほどで自転車が
買えます。鍵にしてもひとつは購入時についていたとしても、
ふたつ目をわざわざ買うのに1000円かかるとしたら、その
投資は惜しく100円ショップでも売ってはいますが、それを
設置する労力も惜しみ、とどめに
「カギをかける手間を惜しんでコンビニの前に自転車を放置」
している光景も珍しくありません。
もちろん、盗む方が悪いという前提ですが、盗まれやすい素地
があり、また盗まれるものは刹那の時だけ悔しがり、買いなおした
しばしの後にカギをかけなくなるのです。
そのため、盗まれる人間は何度も盗まれます。
これが「犯罪件数」を積み上げます。
身内を含め、近しい人間にこのタイプが多いので、あえて
苦言を呈します。
「犯罪件数の減少には盗まれない生き方の教育が不可欠」
当たり前のことです。仕事柄、「エレガント」な方と接する
ことも少なくありません。彼らは人を信じますが、だらしないと
いう隙をみせることを恥ずかしいと思っています。
一方、周囲の人間は「だらしない」ことをこういいます。
「人間だもの」
相田みつをじゃないのだからと突っ込みをいれると、相田みつを
を知りません。
カギをかけないのは自分が悪かったかも知れないけど、盗む奴の
ほうが悪いんだ。
そりゃ正論です。だけど、それが通じるのは学校の中だけ。
さらに述べれば「日本の学校の中だけ」。
先日、ロシアでは「対日侵略成功記念日(意訳、対日戦勝記念日
ってたいして変わりませんね)」が可決され、当然のように現政府は
抗議を放棄しました。
そして韓国では竹島に国会議員が乗り込んで会議をしようとして
いるのに、防衛白書に「竹島の不法占拠」は盛り込みません。
もちろんというか中国は軍事演習を繰り返し、こんど中国大使に
なるお方は軍事増強に対して
「大国としては当然のことといえば当然かも知れない」
と理解を示しております。
カギをかけていてもカギごと盗まれるのが世界の常識です。
さらに述べればアメリカが考える日本の国益は、アメリカにとって
利益があることだけで、カギをかけずに放置していた自転車を
盗られて助けてくれると期待しているのは妄想が過ぎます。
領土も歴史も自転車も。盗まれる前の努力こそが、犯罪と侵略の
抑止力になるのです。