暴力団と力士のブートキャンプ

 八百長騒動、朝青龍問題のときに結論を出せない相撲協会に対し
て、私は決断を下しました。国技やら伝統ではなく「興行」に過ぎ
ないと。

興行なら、ショーが成立するための「配慮」や「遠慮」、「気遣い」
があってしかるべきですし、人気悪役スモウレスラーを解雇でき
なくても仕方がありません。

我々の世代なら「タイガージェットシン」を思い出せば明白です。
肉弾戦であるはずのプロレスに「サーベル」をもって入場する
選手など「スポーツマンシップ」に反するどころか、銃刀法違反と
いう刑法に触れる怖れすらあるのですから。

しかし、「北島三郎リサイタル」でサブちゃんが股旅ものを
演じ、振り回すドスを見つけて警察が踏み込むことがないように
「興行」においての凶器に目くじらを立てることはありません。

あるプロレスファンがいっていましたが、

「投げ飛ばされて普通に立つことは素人にはできない」

つまりは、体を鍛えており、両者に技があるから大怪我する
ことなく、毎日ファンを楽しませることができる、それこそが
プロレスであり、対戦相手を「破壊」するものではない! と
熱く語られ、少しだけプロレスの魅力を理解したものです。

だから相撲も八百長・・・がないとはいいませんが、すべてだと
は思いませんし、毎朝、相撲部屋の前をジョギングで通過すると
稽古に打ち込む若手に心の中で「頑張れ」と呟いてしまいます。

ただ・・・やはり興行です。

興行といえば、あちらのご職業の方がいまでもいるのは
ちょっと「あちら」に足を踏み入れれば誰もが知っている話しで、
声を荒げて「暴力団との接点」を大騒ぎすることに首をひねります。

「大相撲、野球賭博問題」です。

私のジョギングコースにある境川部屋の力士「豪栄道」「豊響」
も関与しているとのこと。

あらかじめ言っておきますが、暴力団が胴元(博打の仕切り、
運営者)になっている博打は、そのあがりが彼らの資金源となり
ます。それが組織の維持運営費に廻され、ときに各種非合法活動
の原資となります。だから、もってのほか。であるということ。

だから暴力団が胴元になっていた野球賭博は言語道断です。
あえて「真相究明」をするのであれば、

「誰が誘ったか、単独でも買っていたのか」

の2点です。と、いうのも元 朝青龍はともかく、大相撲という
縦社会で先輩に「つきあえ」といわれて断ることは困難で、誘った
先輩と誘われた後輩が同罪は厳しいのではないかと。ただ、その後
味をしめて繰り返したとすればやはり同罪ですが。

しかし、今回の報道で「排泄物と発酵物」の議論が起こっています。

「博打はいけない」と「暴力団とのつきあい」です。

まず、前者。

確実に言えることは「ゴルフ」をやっている人で「賭け」を
一度たりともやったことない人に、少なくとも私は会ったことが
ありません。

隠語で「にぎり(る)」「チョコレート」といえば、賭けゴルフ
のことで、一打いくらから、トータルの勝ち負けで昼飯代や飲み代
を賭けているのも立派な賭博です。

同じく金をかけない麻雀を民間レベルで見たことがありません。
私は小学校3年生から家族麻雀の面子にいれられ、ルールを覚え
ましたが10円単位で両親に小遣いを巻き上げられました(下手
すぎて、一発逆転ばかりを狙うので、親として小遣いを上げるた
めに勝たせたくても、勝たせることができなかったと後にいわれ
ましたが、嘘です。私の両親は子供相手にも向きになる人種です
ので)。そういえばどこかの警察では図書券を賭けて麻雀をして
いましたよね。

そしてなにより、パチンコやパチスロはどうなるのでしょうか?

競馬や競輪、競艇にオートレース、それと宝くじは公営、公認
ギャンブルなので棚上げにしても、パチンコもパチスロも立派な
博打です。

その博打場の営業許可を出しているのは地域の警察署です。
またお金に換えるために編み出した「特殊景品」を買い取る俗に
言う「換金所」を経営するための古物商の免許も警察の傘下にあ
るといってよいでしょう。

パチンコ、警察組織の批判が目的ではありません。

「博打はいかん」と「正義面」して語るのなら、すべてひっくる
めなければ矛盾が生じるという話しです。

そして「暴力団」との付き合いは、以前述べたことがありますが

「大企業」

でもあるのです。

とある人気レジャー施設は、繁忙期のまえになると、地元の
「顔役」のところに「ご挨拶」にでかけます。もちろん子供の使い
じゃないのですから、てぶらじゃありません。

他にも大規模イベントは「筋」を通さなければ成立しないことは
警察官でも知っている話しです。

もっと身近な話しをすれば、

「お祭り」

になると、どうして品のあまりよろしくない方々が、仮設店舗を
組み上げて焼きそばを売っているのでしょうか。

さらにはどこの海とは言いませんが「海の家」。これはかなり
昔の話しになりますが、とはいえ「平成時代」に、ひと夏300万円
で海の家の権利を貸してくれるという話しが私の元に転がり込んで
きたことがあります。

結局、この話しはそれを聞き付けた

「ヤクザに親友がいる知り合いのオジサン」

が私を呼びつけて説教し、話しは流れました。余談としてその内容を
紹介しておきます。

「いいか、アツシ。
あいつらは一度接点ができると死ぬまで付き合わなければならな
いんだ。おまえはそういう世界の人間じゃない」

暴力団は意外なほど身近にいます。なぜなら、社会の色んな
階層に、職業に、社会システムに組み込まれているからです。

端的に述べれば警察や政治家に顔見知りがいる暴力団など珍しく
ないのです。単純に癒着などを指摘しているのではなく、日本の
社会の仕組みに暴力団が組み込まれているのが「現実」だということ
です。

もちろん、今回の野球賭博を見逃せとは言いません。

いわずもがなですが、「八百長相撲」にまで発展する話ですから
厳正に対処すべきです。

ただ、あえてこの問題を取り上げたのは、暴力団を必要以上に
問題視することで、暴力団の「威光」を高めてしまうリスクがあるか
らです。

「一緒に酒を飲んだ。その時、生ビールをかけてジャンケンした」

これで「ユスル」ツワモノまでいる職業なのです。

博打と暴力団との付き合いを「極悪非道、言語道断の所業」として
報じることで、彼らにとって美味しい状況が益々増えるということ。

そして身内の賭け事は「社会通念上」の問題。
一所懸命練習している力士にとっては迷惑な話です。

この騒動が起こる前、境川部屋の前で若手力士は

「ビリーズブートキャンプ」

で名古屋場所へと備えていたというのに。

「ぶんぶん飛行機」に微苦笑しました。

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