ドライブレコーダー設置法

 100年に一度の不況に思います。
いや、正しくはこの言い回し、キャッチフレーズに思うのです。

「数字って強いなぁ」

モノを売るお手伝いを商売にして干支もひとまわりを越えました
が、数字ほど訴求力があるものはありません。簡単な例を挙げれば

「●割り引き」「●%オフ」「●●円引き」

また、

「月々●万円のご返済」

というのもあります。

そして呟きます。

「数字ほど怪しいものはないんだけどね」

これは商売を離れた独り言として。

例えば「値引き」は元値を上げれば意味が無く、近所のスーパー
では198円〜238円の幅で販売している豚肉が

「豚肉全品30%オフ」

となると100g298円となります。売価は208円となり
公正取引委員会に目をつけられるかといえば、そこは賢く回避す
るために

「××産ポーク」

と、産地が平常時と異なりますし、238円に比較すれば
確かに割安となっているので嘘でも釣りでもないと主張できます。

もう有名になりましたが、不動産の

「家賃並みの返済」

は、ごく限られて期間の特殊ケースですが、嘘ではないので
公取委もスルーします。

で、100年、そして1度。

でもね。教科書で習った「暗黒の木曜日」は1929年。
たった80年前。いやいや20年ぐらいというならば、この
平成の20年間でバブル崩壊、円高不況、消費税増税不況に
ITバブル崩壊と何度も「未曾有の不況」がやってきています。

そしてあえていいますが、今回もお家芸である「貸し渋り」
をしている銀行や、人件費抑制により空前の利益をたたき出した
大企業を除いた中小企業にとっては

「ずっと悪かった。一段と悪くなるのかなぁ」

というのが本音です。この点から見れば悲劇的ですが、
しかし一方でユニクロやマクドナルド、一時期の吉野家も
不況を糧に大躍進しており、不況は全てをダメにするのでは
ないのです。

数字は刺激的な方が盛り上がります。
これは好景気でも不景気でも。特にそれを報じるメディアは
数字が大好きです。しかも短期的(実はこれも数字からの発想
です)に目に見える形で。

でもね。不況型では地味な数字を伸ばす方が強いのは、先に
挙げた企業が立証しています。いまや懐かしい「DCブランド」
のように1着数万円のジャケットやパンツではなく、1980円
のジーンズや、1食2980円のランチセットの苦境をよそ目に
290円の牛丼(BSE騒動の前)や100円マックで客を
集めます。

企業論を語るものではないので割愛しますが、平たく言えば

「やり方」

の問題で、少し気取って言うなら

「ビジネスモデルの違い」

となります。

はてさて、この不況を受けての景気刺激策として

「環境自動車」

への支援が挙げられています。
電気自動車やハイブリッドカーへの購入支援です。

・・・トヨタやホンダは喜ぶでしょうが、近視眼的で悪くは
ありませんが合格点をあげることに躊躇います。

環境への配慮から見れば当然とも言えますが、しかし、
毎年自動車を購入するわけではなく一時しのぎに過ぎません。
まして若年層の「マイカー離れ」は、深刻で、これは以前に
指摘した

「所有から利用へ」

というトレンドもあり、これは豊な社会が当たり前として
育った世代にとっては

「所有による豊かさの誇示」

は理解できないカルチャーでもあります。
と、なれば消費は私のちょっとした団塊の世代ジュニアが
購入した時点で終了です。

我が社の専務はペーパードライバーでした。しかし、独立後
必要に駆られて運転を再開して、決して上手いとはいえません
がほぼ毎日運転し、楽しいといいます。

素朴に言いますが運転は楽しいのです。

我が社の仕事を愚妹にも手伝わせています。
そこで昨年、免許を取得させました。
社用車を貸し与えていたのですが、車検切れに伴い廃車にし
「自転車生活」に戻りました。

寒風吹きすさぶ年末。時代劇では大川と呼ばれる隅田川を
渡り正月準備の買い物に出かけます。北風と坂道は自転車に
容赦なく、脇を自動車がすいすいと駆け抜けていきます。
彼女は呟きました。

「私だって免許を持っているのに」

素直に言います。マイカーは便利です。

では、どうして若者層は自動車から離れていったか?
諸説あるでしょう。理屈などと言うのはコンサルタントや
学者がいればその人数分以上こねられるものです。

端的に言います。「知らないから」。

運転の楽しさもマイカーを持っていることによる利便性を
知らないからです。移動だけなら公共交通機関でも事足り、
買い物も近所で間に合わせることができます。徒歩で10分と
自動車で10分の行動半径の違いは想像することすらできません。

実は私もそうでした。
6歳で東京に住み始めてから、最寄り駅はJR王子駅か
山手線の田端駅で、駅まではバスですが複数の路線が絡む
関係から数分間隔でくるので時刻表をみることはありません。

亡父が死去しひとり暮らしを始めたのは18歳。
バブル景気に浮かれていましたが、自動車を買う余裕など
ありません。

埼玉県在住の友人は「クルマで30分」を近いと表現しました。
いやいや遠いでしょとつっこみましたが、今はその主張に
頷きます。今の自宅から同じ足立区の北千住に公共交通機関を
利用すると30分ですが、自動車なら25分ですし、30分
あれば埼玉スタジアム(浦和美園)まで移動できます。

この利便性を知るとマイカーは手放せません。

クルマの利便性を知ればそもそもの「需要」が喚起され、
永続的な「内需」が期待できるのです。

具体例を示しましょう。学校教育や啓発活動もいいでしょうが
ここは「国家」でしかできない方法です。

「ドライブレコーダー設置法」

事故の際のトラブル防止に設置されているドライブレコーダーは
事故前後の風景を記録するものですがこれは飛行機のフライト
レコーダーのイメージです。

自動車の運転時には運転席に設置された「レコーダー」に
「免許証」を差し込まなければ、エンジンが始動せず、走行
時間と距離が免許証に記録される仕組みです。

併せて免許の更新期限は1年にします。更新方法は全国の
警察署に設置したATMのような「レコードチェッカー」に
500円をいれて免許証をかざすだけ。無事故無違反ならば
それだけ、違反者は更新できずに「再教育過程」を経なけれ
ばなりません。更新作業は全国どこに支店・・・警察署でも
住所に関係なくでき、住所変更もATM間隔で操作できます。

そしてキモは違反だけではありません。

「年間20時間以上または走行距離200キロ未満は再教育」

つまりペーパードライバーは再教育を受けなければ更新でき
なくします。更新を望まない場合は、

「準免許保持者証明証」

が発行され、公的な身分証明として、さらに再取得時の
優遇特典を用意します。免許保持者が同乗している場合、
一定時間の運転を許可する現在の「仮免許」と同様の権利も
付与します。

運転しないのにゴールド免許はおかしいという批判もこれ
でなくなるのではないでしょうか。さらに違反者は毎年
再教育を強制されるので

「交通ルールを守るインセンティブ」

も高くなることが期待できます。
さらに最大の期待は経済効果です。
こんな会話が街角で聞こえてきます。

「やっばぁい。あと2時間足らないんだよね」
「まじ? やばいじゃん」
「来週、レンタ(カー)するから一緒に遊びに行こうよ」
「どこいく?」

つまり運転時間が要件に達していない「駆け込みドライブ」
いよる消費喚起です。レンタカーだけではなく、知人の
自動車を借りたりと色んなパターンが考えられますが、
こうして「運転」を身近にさせるのです。

同時に運転免許取得も簡単にし、費用も安価にさせます。
自動車教習所の実入りは減りますが、一方で「再教育過程」
でがっちりと儲ける仕組みです。自動車需要はもちろん、
連動する保険商品に、ハッピーマンデーがすっかり期待はずれと
なったレジャー消費にも波及することでしょう。

さらに踏み込めば、「一時停止線」や「速度規制表示」に
ICチップを埋め込み「自動取締」なども併用すれば、

「後部座席シートベルト義務化」

より事故抑止に役立つことでしょう。大事故は小さな注意の
欠損から起こることが多いので。

どうでしょうか。
もちろん、年間走行時間も「電気自動車」「ハイブリッドカー」
のばあい優遇するとなお良いかと。ちなみに最新の免許証には
すでにICチップが内蔵されています。

マイカー購入を助成しても短期的ですが、「運転需要」を
掘り起こせば細く長く地味でも・・・儲かります。

短期的にはドライブレコーダー装着特需で大企業からベンチャー
まで参加して盛り上がること請け合いです。なにせ「義務」ですから。

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