日本人の特質でもある「横並び」は、極端な格差を生み出さない
美徳でもあります。私自身には欠けている能力で、持ち合わせた人を
羨ましくも思います。
一方、凡庸な自虐論者が指摘するような弊害も「横並び」には
ありますが、この日本自虐論者の「論」には論理矛盾があることを
ご存じでしょうか。
「日本はダメ、海外に出よ（目を向けよ）」
というものです。
日本がダメだからシリコンバレーへと笛を吹くＩＴ界の著名人に
ついては何度か触れましたが、彼はシリコンバレーに若者を１万人
移住させると自著で掲げています。
「シリコンバレーで培った個人のネットワークが母国と結びつく
頭脳流出ならぬ頭脳環流現象」
中国、台湾、インドなどで起こった、海外学んだ技術を国内産業
の発展に役立ったものを日本でもと歌いあげます。
しかし、これは大きな間違いというか誤解というか現実逃避か
世間知らずか。
中国もインドも「国家プロジェクト」。
国家が背中を押し、サポートをして海外で学ばせた人材です。
要請があれば「いざ、鎌倉」と馳せ参じるのは当たり前のこと
ですし、こと中国に至っては一族郎党その親族まで「担保」に取
られているのですから。
「聖火リレーに集まる中国人留学生」
の異様な光景を思い出すまでもありません。
国家観のないまま海外にでれば素晴らしいというのは
「ハーメルンの笛吹的亡国思想」
ではないでしょうか。私が繰り返し指摘する理由でもあります。
「海外では」「アメリカでは」「ヨーロッパでは」
まるで「大久保君のウチでは」とクラスメイトの名前を出して
ねだる小学生です。
横並びを海外に求める人は自虐とセットとなります。
●●ではに続いて「だから日本は」と。
タバコの値段を一箱１０００円にしようという動きがあります。
これもシートベルト同様健康と嫌煙権を立てに、なかなかに
反論できない空気があります。
横並び的というか例に挙げられるのがイギリスです。
ズバリ、ひと言言うわよ。
「おらぁ、エゲレス人じゃぁねえだ」
イギリスはイギリスの税法、仕組み、国民合意でそうなっている
だけの話しです。
それではイギリスに倣うのなら「ガソリン」はどうなるでしょう。
１７０円で大騒ぎですが、２００円を超えています。
さらに消費税をみれば１７．５％です。
高福祉国家として例に挙げられるスウェーデンやノルウェーは
２５％です。これらの国々では生活必需品などで非課税もあり、
単純比較は危険ですが贅沢と見なされる商品は高く課税されます。
自動車取得時に２００％課税されるデンマークのようなところも
あります。
トヨタ、日産、ホンダ、三菱、ダイハツ、いすゞなどなど。
日本で売るメリットがなくなったときにどうするでしょ？
民主党などが不足歳入分に対して、小泉構造改革で法人税を
下げたことを理由にしたりもします。
日本の法人税の実効税率は４０％。以前５０％だったものが下げ
られこの下げられた分のしわ寄せが国民にと主張します。
「海外」ではだいたい２０％です。
ちなみに日本の法人税は国際的な監視機関からも指摘されており
ます。高いぞと。海外から、国際的に。
日本は日本です。ご近所さんと仲良くすることと我が家は
別の次元で話しをしなければなりません。
例えば「グローバルスタンダード」や「海外では」でいけば
日本語は日本人にしか使えないローカルオブローカル言語です。
そこで小学生のウチから英語を学ばせようとなります。
いや、日本語はいらないのではないか。つまり言語教育の
第１位にグローバルスタンダードな「英語」、そして第２言語
として「日本語」のほうが効率がよく、「海外」で通じるの
だという主張は・・・いかがでしょうか？ そして数年後、
日本語は第３言語に転落します。
「世界人口見る中国語ネイティブの割合」
サマータイムの導入も同じく「海外では」の論を目にします。
人は人、我は我。されど仲良し。
ちなみにアメリカのタバコも高いと言いますが、州によっては
日本より安いところもあるようです。
