高い値段だして買わない

今週のウェブ担当者フォーラムの記事で指摘していますが、
暴風クラスの追い風が吹くと傲慢になる人がいます。

と、いうかこれを戒めるのもまた大変なのですが、その反対の
人もいます。

例えば「パチンコで大勝ち」した日には悪いことがやってくると
警戒したり、宝くじで3000円当たっただけで運を使い果たした
と嘆く人です。

多くの人は両者がバランス良く配分されており、行き過ぎること
はないのですが、しかし周囲が応援団となり過剰に煽るとブレーキ
はいとも容易く壊れてしまいます。

立派な野党に成り下がったあの党の党首もそうですし、参院で
「勝った」と天狗になっている党員もです。

もちろん、かつて「暫定」とはいえ応援していたあの党には
冷静な人に状況を見ている人もいますが、しかし主流派が熱にうか
れている時は何を言っても無駄と賢明な判断をし、かえって党と
国政を迷走させてしまいます。

冷静が故に暴走させ、浅薄さの煽りを加熱させます。

mixiの「ジャイアン化」にとどまらずIT界にはこの傾向
が激しくあります。

若さ故の無軌道と弁護もできるでしょうが、明確な基準が存在し
ない未開の地平故に

「やったモン勝ち」

という素地があるからでしょう。
あの塀の上を疾走中のヒルズの住民だけの性質ではありません。

(当時)ヒルズの中心で赤坂が欲しいんじゃと叫んだ彼も、
元奥さんに「拝金主義」を暴露された澁谷の社長もです。

以前も指摘しましたが

「人の心は金で買える」

というのも事実で、心を販売している人たちが彼らの周辺に
集まり祭りを煽り盛り上げます。

そして「私の心は非売品」という人は離れていき、消防車も
ブレーキもなくなるのです。

・・・ただ、これはいずれ別の原稿でまとめる予定ですが、
ことIT界に限定すれば一夜の夢でしかないことが多く、その
先には破綻、運が良ければフェードアウトが待っています。

理由は創業者の人格ではなく「産業」ってそういうもので、
第2次、第3次の成長カーブを描けなければ撤退を余儀なく
されてしまうのです。

街角レベルでは印刷屋さんや製本、断裁などが挙げられます。

コンビニ、ファミレス業界も岐路に立たされています。

その中で「セブンアンドワイ」の苦境が報じられています。

今期でいえばローソンも減益ですが、過去の増益基調から
みれば一服ともいえなくもなく、何より親会社の「三菱」と
いうことも影響しているのか郵便局との蜜月ぶりは、

「官僚国家日本」

としては安心してみていられる材料でもあります。
(三菱は伝統的にお上と親しいとまことしやかに噂されます)

軒を貸して母屋を取られる。

を、地でいった

「セブンイレブンジャパン→セブンイレブン→イトーヨーカドー」

を実現した

セブン&アイ・ホールディングス代表取締役会長鈴木敏文さんを
尊敬をしておりました。

彼の発想力にはなるほどと頷くことが少なくありません。

しかし、それも「母屋」をとったあとから様子が変わります。

「全グループ店舗にセブン&ワイマーク設置」

永年親しまれた鳩のマークを「廃止(実際にはチラシなどで
まだ細々と生き残っていますが見かける機会はめっきり減り
ました)」して「7」と「i」のマークに変わりました。

iが小文字だというのも、持ち株会社がイトーヨーカドーの
「イ」ではなく「アイ」という所に怨念を感じるのは私だけ
でしょうか。セブンイレブンを始めたときにはイトーヨーカドーは
積極的に応援してくれなかったというのは「立志伝」の逸話
であるのでね。

セブンイレブンはもとより、イトーヨーカドーにもファミレスの
デニーズにも「7i」マークが設置されました。

そしてデニーズは売り上げが減少し、2割のデニーズを閉鎖
するといいます。

・・・外食産業の停滞はもちろんですが、こういう考えを
誰も指摘しないのが不思議です。

「イトーヨーカドーやセブンイレブンで買えるものを
高い値段だして買わない(食べない)」

「7i」看板です。もちろん、デニーズとイトーヨーカドーは
別物ですが、あの看板を見たときに私の脳裏には「お総菜」が
よぎります。またはセブンイレブンの「お弁当コーナー」が。

決してファミレスのメニューを高いとは思いませんが、
お総菜の価格と比較するとちょっと手控えてしまいます。

価格だけで比較すればらーめんの「幸楽苑」「日高屋」や
牛丼の吉野家などなら食指が動きます。

外食はイメージも食べるものです。もしくは調味料です。

「いらっしゃいませ。デニーズへようこそ」

とおしぼりを手渡しされたときの照れくささも料金に含まれ
ています。ところがのれんをくぐろうと見上げた先に

「イトーヨーカドーと同じマーク」

を見つけたら・・・興ざめです。

例えばこんな情景を想像してください。

●「小僧寿司」にヒバリマーク。
●「京樽」に牛の角入りどんぶりマーク。
●ミスタードーナッツに「ダスキン」のロゴ。

小僧寿司はすかいらーく(ひばり)、京樽は吉野家、
ミスタードーナッツはダスキンです。

グループ企業としての協力は当然として、親会社(資本関
係から)が前面に出たときに死ぬブランドがでてきます。

母屋であったイトーヨーカドーを「7i」で塗りつぶし、
セブンイレブン、デニーズと自分色に染めました。

結果はデニーズ2割閉鎖、セブンイレブンは600店舗閉鎖。

もちろん、看板だけが理由とはいいませんが、ローソン、
ファミマが堅調であることと比較すると明暗がくっきりと。

追い風暴風で図に乗るのは政治屋さんとIT系の専売特許
かとみていたのですが・・・やはり祭り上げられると人は
変わるのかも知れません。

そして面白いのが今日の記事を書くにあたり

「ネットで検索」

をして鈴木敏文さんの悪口をあまり見かけなかったことも
奇妙です。業績不振ともなれば普通は散見するものです。

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