仕組みはより巧妙に搾取するように

4月1日ガソリンをリッター115円で購入しました。
安いところを探していたわけではありませんが、いつも給油して
いるスタンドの前を通ったら「118円」となっていたのです。

差額の3円はプリペイドカード購入特典での割引きです。
このスタンドは「セルフ」に衣替えをした際に、プリペイドカード
を導入し、1万円以下のカードなら2円、2万円なら3円を値引く
システムとなりました。

我が社の専務はポイントや割引きが大好き。「貯める」という
機能が欠落している私からみると驚くばかりですが、目先の小銭の
割引きなどにすぐ飛びつきます。

セルフになった直後、プリペイドカードを購入し割引特典を
自慢げに語る専務を叱りました。理由はリスク管理です。

「(セルフへの)業態転換を計ったばかりの会社に金を預ける」

プリペイドカードは倒産すれば回収の見込みの低い債権となりま
す。

2万円のプリペイドカードを買います。便宜上、リッター100円
として200リッター買い3円安くなると、600円お得です。
しかし、1万円のこっている状態でこのスタンドが倒産したらその
時点で得をしているのは300円で、損するのは1万円。差し引き
したとしても9700円(※細かな数字はあえてはしょっています)。

リスクを勘定に入れた瞬間、わずかな値引きは吹き飛びます。

もちろん、このリスクは老舗企業でも一見儲かっているように
見えるお店でも同じことですので「絶対」ではありません。

6ヶ月が経過し、「セルフ」というスタイルが定着するにつれ
客が増えてきたのを見極めて「2万円」にゴーサインを出しました。

足立区内で商売をしていると主要な移動手段は自動車となります。

「日暮里・舎人ライナー」

という新交通システムができましたが、足立区内を走る路線は
南北に敷設されており、東西の移動は困難です。特に公共交通機
関での区内移動はよほど時間がなければあり得ない話です。

だから「ガソリンが安くなる」という話に

「嬉しいですか」

と尋ねられれば嬉しいと答えるでしょう。しかし、その先の
リスクを勘定に入れると眉根を寄せてしまいます。

と、ここまで展開して何ですが、今日はガソリンの話ではなく
住宅業界の話。

日暮里・舎人ライナー開通特需を期待してか、今地元では
マンションが建設ラッシュを迎えております。

智恵子は「東京には空がない」と言いましたが、私の住むエリア
はばっちり空を仰げていました。今、マンションが壁となり日を遮り
空を隠していきます。

それも移ろいゆくときの定めと慰めるためには、入居者が増え
地元経済が潤うという対価が欲しいところですが、これも難しい
のです。

ひと言で言うと「売れない」のです。

完売。だったはずが「キャンセル物件」がぼろぼろ出てきます。

一般的なマンションでも「ローンが組めなかった」などで
キャンセル物件はでるものですが、先日裏事情を聞いてきました。

「値上がり過ぎて売れない」

住宅は地元の人間がその大半を購入します。
ニュータウンや都心一等地のマンションや高級住宅街以外は

「生まれ育った街」

を選ぶものです。
新線効果でうなぎ登りとなった土地価格を見て「ばからしい」
と思うのも無理はありません。それに親が土地を持っている人も
地元には多く、無理してローンを組むのなら賃貸で過ごして、
時機を見て二世代住宅にすればというバイアスがかかります。

結果、この3月30日に開通した新駅周辺で物件価格が下落
しています。

「空が見える街」

の景観を壊すマンションも同じです。

・・・そしてこれは内緒の話です。

マンションが売れないという割に「売れ残り物件」が大々的
に宣伝されるのを見たことがあるでしょうか。

在庫が残っていればセールをするのは当たり前です。
しかし、高値(正規の価格)で買った客もいるのでそれは
できないのではないかというのは半分正しくて半分はお人好し
です。

実際に「公団」ではこの種のトラブルが頻発しています。

それでは「売れ残り」はどうなるか?

「下請けへ」

下請け業者に買わせます。価格は多少のダンピングはありま
すが、数千万円の買い物をさせるのです。

そして頃合いを見計らって「中古市場」にこの物件を流しま
す。下請けは損を被ります・・・が、この損は「営業経費」の
一環です。

大手デベロッパーは「協力する下請け」には次も仕事をだし、
非協力的な下請けへの仕事は削ります。

この循環が滞ると弱いところから潰れていきます。
ま、下請けですね。

色んな仕組みがありますが、ザックリと説明すると銀行から
お金を借りてマンションを造り各部屋を売ります。

売った部屋の合計金額が借り入れ価格を上回れば儲けです。

売れ残りはイコール金利のある借金で経営を圧迫します。

そこで下請けに押しつけます。
すると借金は下請けに移管されます。上手くいけば赤字は
ゼロです。仮に赤字が出るほど値引きして押しつけたとして

「値引き額が売価を上回ることはない」

のですから、わずかです。

最悪、儲けが出なくても利子付きの借金を回避できます。

下請けを見てみます。

仮に4000万円のマンションを3000万円で「購入」
したとしても、有利子負債を抱え込むことになります。
3%としても年間90万円、月に7万5千円の負担です。
もちろん、このほかに「ローンの返済」が待っています。

これで下請けが破産したら・・・心配ありません。
ローン契約は銀行との間の話ですから。

銀行は銀行で「危ない話」ばかりではなく、まっとうで
優良な「住宅ローン返済者」も紹介してくれるデベロッパーは
大切です。

ガソリン狂想曲で現場の小売店は赤字覚悟でも販売しま
すが、元売りは「法令遵守」でも損はしないように立ち回れ
ます。

不良債権をだした銀行。バブルの共犯デベロッパー。

そして「福田政権」や「民主党参議院占拠」の主犯とも
いえる大メディア。

仕組みはより巧妙に搾取するようになっています。

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