財政再建団体転落

最近は「モノライン」まで加わり混沌としていますが、本家米国
ではウォーレン・バフェットさんという超金持ちの投資家の介入で
落ち着きを取り戻しつつありますが、サブプライム問題について
ちょっと別の角度からの見方を提示してみます。

サブライム問題と地方財政に通底するもの。

サブプライムとは何かをじっくりと紹介している報道が少ないので
ざっくりと説明をしておきます。一部、以前の説明の繰り返しとなり
ますがお付き合いください。

社団法人 神奈川県貸金業協会のホームページより「サブプライム」
についての説明を引用させていただきます。
http://www.k-kasikin.or.jp/gyoumu/180822kobayasi.html

※サブプライム層 
過去のクレジット利用実績や収入などに問題があり、相対的に 
信用度が低いとされる顧客層のことをいう。

※プライム層
過去の返済履歴に問題がなく、所得も安定している相対的に
信用度の高い優良顧客のことをいう。

※スーパープライム層
利用額、利用履歴、所得額ともに申し分のない、最も信用度の
高い超優良顧客のことをいう。

日本風にいうなら「危ない客」といったところでしょうか。

ただ、日本の護送船団いざとなったら役人様と政治屋さんが
助けてくれるぜとあぐらをかいている金融機関なら、貸そうとも
しない相手に対しても「社会の大動脈」としての役割を担っている
と私は評価しています。

そしてリスクは双方が背負うものですから、危ない客に貸す以上
金利は高めに設定され、借り主もそれを承知で融資を受けます。

もっと砕けた言い方をするなら、

「銀行ではなくサラ金(消費者金融)から借りる」

ということです。金利は高くても容易に借りられます。

そこで日本人的に疑問に思うのが

「サラ金からの借金でどうしてこんなに大騒ぎになるの」

ということでしょうが、一人でリスクを背負い込むことは日本人の
美学にはありますが世界には余りありません。ましてやビジネス。

サブプライムに貸し出した金を「証券」にして、売り出すことで
リスクを分散させており、そこに飛びついたみずほ銀行をはじめと
する各国の金融機関が大あわてという図式です。

さらに違和感を解消するなら、サラ金というと「遊興費」という
イメージがありますが、サブプライム層への融資は

「住宅ローン」

だったのです。「家」ならば仕方がないと溜飲を下げる方も
いるかもしれませんが、一筋縄ではいかないのが

「金融システムの発達した米国」

ならではと皮肉を込めていいましょう。

サブプライム層の「住宅ローン」が焦げ付いたのは「土地投機」
という博打によるものだからです。

住宅ローンなら例え土地価格が暴落し、それはそれは辛くとも
返済し続ければよいだけの話です。サブプライムは発覚しましたが
日本の平成大不況のような人件費削減、消費低迷という話はもう
少し先の話ですからね。

しかし、彼らは住宅ローンを返済中の「マイホーム」を担保に
もう1軒、もう2軒と投資目的でサブプライムローンを組んでい
たのです。

理由はいつか来た道の「土地はまだまだ上がり続ける」です。

将来、値上がったときの不動産価格を見越して、更にローンを
組み、銀行は銀行でその「リスキーマネー」を証券にしたババを
他の国の金融機関にひかせていました。

「取らぬ狸の皮算用」

ひと言で言うとこうです。

またぞろ、もったいぶり王子、元東京都知事立候補者 浅野史郎
さんが政策集団なるものを立ち上げて政治活動を再開したようです
がこの人の発言に注目です。

大阪府知事となった失言王子、もとい王子作りの達人、子作り名人
橋本徹さんの話題から、地方自治の財政難について意見を求められ、

「借金というが県債などは認められているもので、
計算によっては黒字となる」

と全開の妄言を吐いておりました。さすが役人上がり。
法的解釈として間違いとはいいませんが、民間企業の感覚からは
ずれまくりというか「痛い」としか評しようのない発言で、これで
政策を提言されても「辛い」ものがあります。

そしてスコンとつながりました。

「サブプライムローンを組んだ連中と同じ発想」

明確にしておきますが、必要な道路に福祉、そして何より教育に
産業振興にかかる地方の財政を都市部からの税収で補うことに
異論はありません。仮に私たち東京都民の一票が、徳島県の方の
二票分であるとしてもそれは助け合いの精神の発露とみれば
我慢もできます。

しかし、地方には人も通らぬ道路が相変わらず造られ、大きな
市民ホールが次々と建設されます。

土建官僚国家日本の面目躍如たるやすさまじいのですが、
建設理由にサブプライムと同色の影をみるのです。

特に道路に関しては

「まず、道路ありき」

で、道路ができることによって人も金も物も流れ、産業が発達し
人口も増えいいことずくめだと。その未来への「先行投資」だと。

狸の皮の枚数を勘定しているのではないでしょうか。狩猟前に。

サブプライムの背景にあるのは土地価格上昇に加えて、前述の

「プライム層」「スーパープライム層」

が土地取引で更に富を築き上げてきたことがあります。そして
ようし俺たちもとハートに火がつきました。

都市の発展をみるにつけ、ようしおらが村も。
その為の資金は「借り入れ」。

補助金にぶら下がるのもどうかと思いますが、狸の皮を数えて
借り入れを続けてきたことが、

「財政再建団体転落」

となり、その危機に直面しています。

サブプライムが将来の土地価格の上昇を。
地方自治体は道路整備後の産業振興を。

その為にする借金は「投資」と当事者だけが信じていました。

同じ夢を見たならエンディングも同じです。

私は基本的に道路の暫定税率維持には賛成の立場です。
もちろん、無駄な支出は削り、適正な運用に異論を挟むことは
ありません。

しかし、サブプライムをいつか来た道なのか、対岸の火事か。
それとも他山の石とすべきか。

ひとつだけ確かなことは政治屋のおもちゃではありません。
与野党共に。

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