サブプライムの余波とうるさいのですが、以前にも述べたように
「米国住宅バブルの崩壊」
ということ。特別なものではなく私たちが過去に経験したことを
アメリカ人は自分たちだけはいつも特別という慢心から駆け抜け、
そしてこすっからい・・・もとい機をみるに敏な金融技術者が、
ばば抜きのばばの隠し方を見つけ出して世界中に押しつけたのです。
しかも「サブプライムのA級戦犯」である辞任したメリルリンチ
のオニール前会長の退職金やら年金やらが総額177億円に、今後
3年間専用の執務室に秘書、車という特典付き。
道義的責任を問いたいとも思いますが、それは米国のことですし
契約書にあれば仕方がありませんし、さらに私はメリルリンチの株
主ではないのでまぁ仕方がありません。
私たちの税金で救われた「大銀行様」が、サブプライムの証券に
手を出して焦げ付いたとしても責めるならば、バブルの反省もなく
うまい話に飛びついた銀行屋さんです。
「あんたたちは馬鹿か」と。
そんな大銀行様の結合体「みずほ」がメリルリンチに出資すると
いいます。
経済界の広告塔、日経新聞がよいしょ♪とばかりに持ち上げます。
「公的資金完済。財務にも余裕」
3大メガバンクにとって年数千億円単位の利益の使い道が経営課
題となっており、海外投資に目を向けているとまとめます。
・・・バブル期から崩壊後も海外投資にことごとく失敗したのは
護送船団方式のぬるま湯体質が突然外海の荒波にもまれたからで、
しかも潰れそうになると税金で助けてもらい根本的な反省の色が
見えない銀行が、またぞろ甘い夢を見ているのです。
経済新聞なら出資理由や、出資の仕方などにもひと言欲しいとこ
ろですが仕方がありません。お客さん(広告主)の悪口は書かない
のが日本の商業メディアですからね。
これが逆の立場ならどうなるでしょうか?
日本の金融機関(メリルリンチは証券会社ですが)が経営危機と
なり米国の銀行が出資してくれることになりました。
「果たして無条件でしょうか」
少なくとも前会長への巨額報酬の差し止めか減額、秘書や車の
提供の中止でもしなければ今度は自分たちが株主に責められます
からね。
しかし、そこには触れずにお金を出します。
そして公的資金を返済して財務にも余裕ができ、海外でのうま
い話に1300億円をだすみずほ銀行の普通預金金利が0.2%。
100万円を1年間預けて2000円です。
ゼロ金利で仕入れて預金者にはわずかに恵み、返済確実な消費者
金融にドンと貸し、しまいには傘下におさめ、お金が余ったので
海外のとんでも前会長の処分もできない会社にぽんと1300億。
サブプライムというお題目がついた時点で、どこか遠い国の
できごとと報じ、私たちもつい遠ざけてしまいますが、結局は
わずかな預金を我慢してゼロ金利を支えている私たち庶民の
お金がみずほ銀行を通してアメリカ人の住宅ローンを支えている
という話です。
儲かっても庶民は還元しません。
しかし困ったら「経済の大動脈」と助けを請います。
そして米国の甘言にほいほいとお金を出すのが銀行屋さんです。