民営化は「無法地帯」にする

社会保険庁改革の法案を自民党がなんとか押し通そうと躍起に
なっています。
政党運営、政権担当能力に相当の疑問があるとはいえ、

「確かな野党の民主党」

がこれに噛みつきます。

確かな野党の援護射撃を少し。

改革の柱として社会保険庁職員を

「公務員資格を取り上げて民間人にする」

というのがあります。が、これは絶対にやっちゃダメです。
民間人になると「贈収賄」が適用されなくなります。同様な
罪に「背任」がありますが、会社の利益を損ねた立証が難しく、

「接待ゴルフ」

などはこれに当たりません。
もちろん、程度問題ですが謝礼は常識の範囲なら罪を問われませ
ん。そして両者の口が堅ければ、常識は両者間においてのみ成立し
ます。

「天下り」も適用外です。民間から民間へとなりますから、

「デューダ」

するということになります。古いですね。

「1万人の雇用削減」

とありますが、削減基準の明示しない限り「弱者切り捨て」と
なり、一番腐っている、もしくは一連の不祥事での監督責任の
あった「管理職」が温存される可能性があります。

また、この点は「お見事!」と膝を打ったのですが、事業の
スリム化のための

「民間委託の活用」

と雇用削減、民間人化が連動するとどうなるでしょう?

「旧社会保険庁株式会社御用達企業群」

のできあがりです。
民間企業への転職は職業選択の自由という憲法が保証してくれま
す。下請け企業への天下りだってヤリ放題です。

削減した職員の再雇用だって実現できます。
民間企業が下請け企業を選ぶのは「自由な経済活動」に基づいて
ですからとめることなどできません。

政府自民党の釈明では「国鉄民営化」になぞらえる向きがありま
すが、東京大阪間の移動手段には新幹線の他にも飛行機、自動車と、
完全に同等でなくても「準ずる」競争相手があります。

都市部ではJRの他の私鉄に営団線を選ぶこともできますし、
バスもタクシーもあります。

さて「ねんきん」はどうでしょう。

ここで「裏読み」をすると、受け皿となり得る

「民間生保の不払いという不祥事」

が次々と赤信号をみんなで渡り始めています。
なぜでしょう。

不払いは以前から常態化していましたし、オプションは請求しな
いとでないものでした。交通事故など不正請求もあるとはいえ、
1円でも支払いを少なくしようと「経営努力」をしていたのにです。

結果、「なんだかんだいっても受け皿は公的年金」となります。

それに「義務」です。選べるJRとはエライ違いです。

社会保険庁改革は簡単です。
民営化なんかしちゃだめです。民営化は「無法地帯」にするだけです。

「不正があれば即懲戒解雇で退職金も年金もナシ」。

雪印を見る間でもなく、民間ならとっくに潰れているぐらいの
不祥事が相次いだのです。時限立法で10年と区切りをつけても
これだけで

「悪さするインセンティブ」

を撲滅できますし、「割に合わない」と思った職員は辞めてもらえば
よく、もともと仕事を一所懸命する職員なら無関係のことで、今まで以
上に頑張って貰えばよい話しです。

そして、グリーンピアなどの反省を踏まえて、

「社会保険庁の収入支出は1円単位まで領主書を添えて透明化して
複式簿記の導入、公表を義務化」

たったこれだけで「余計な金」は使えません。

もっとも自分たちの金の使い方には「5万円以上」というグレー
ゾーンを温存しようとしている人達がこんなことを口にするわけも
ないのですが。

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