キラキラ星は幼稚園の時の思い出だけで

ことが起こったあとに色々というのは簡単で、多くの評論家は
喰いタンアリアリルールのようにアフターフェスティバル(後の
祭り)のキャンプファイヤーを楽しみます。

もちろん、ことがおこる前から指摘する人もいるにはいますが、
こういう人の警鐘は、あまり取り上げられません。

だって「つまらない」から。

メディアは「面白いもの」が好き。「祭り好き」でもあります。

旧ライブドアと楽天を同列で語ることもいまさらどうかという
議論はさておき、「新興企業」をあれだけ面白がったのは他なら
ぬメディアです。

少なくともニッポン放送という「身内」がターゲットにされる
までは「規制改革」「新時代の」と持ち上げる向きがありました。

プロ野球新規参入に当たってはヒーロー扱いする人も少なく
ありませんでした。

終始一貫、徹頭徹尾、批判し嫌悪感を顕わにしていたのは最近
すっかり文化人となった漫画家の弘兼憲史さんと、ディーブ・
スペクターさんぐらいでしょう。

手のひらを返すのは卑怯者のすることと教わりました。

が、この国では手のひら返しが日常茶飯事に行われており、
アフターフェスティバルのキャンプファイヤーでは

「キラキラ星の振り付け」

のようにヒラヒラと舞います。
面白ければ何でもアリというBGMとともに。

先月、日経新聞にこんな連載がありました。

「新興企業 M&A失敗の軌跡」

携帯コンテンツ事業の「フォーサイド」の失敗事例を取り上げ
て「検証」します。

ものすごくざっくりいうと、海外で企業買収して携帯コンテン
ツ事業を広めようとしたが失敗したというもの。

もと従業員のコメントを紹介します。

「安嶋社長は時価総額で携帯コンテンツ業界で世界一にするといっ
ていた」

まるでドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャのような構成です。
フォーサイドが倒産でもしたのなら仕方がありませんが、いま
ちょっと上手くいっていないだけかもしれません。

フォーサイドの事業戦略をどうこういうのではありませんよ。
あくまで一般論として、連戦連勝の企業などありえず、まして
や一業種に特化した、または先行者利益を享受できたからこその

「新興企業」

なのです。
それに「携帯」でいうなら、日本の携帯関連は世界で芳しく
なくフォーサイドだけのことではありません。家電王国を支える
経営の神様が作ったメーカーだって苦戦しているのです。

規制に守られた「通信業界村」で育った企業と、世界の

「通信市場」

ではゲームのルールがあまりにも違いすぎることによるのです。
平たくいうと

「国際競争力不足の業界」

ということ。

一方、新興企業が叩かれやすいのにも理由があります。

「世界一の時価総額企業(堀江ライブドア)」
「世界一のインターネットサービス企業(楽天)」
「時価総額でグーグルを越える(先日上場廃止した牛角(現在は持
ち株会社)の創業者)」

上から順番にいうのもなんですが、単純明快な「目標」を掲げ
吹きます。

金融事業に傾斜して、「リンク」というインターネットのもっとも
最大の特徴を禁止している「楽天市場」を運営していてこの台詞は
ないだろうと、インターネットに明るい人なら笑ってしまうような
ことを辱しげもなく掲げることができます。

牛角に至ってはこうやって煽っていた直後に業績の下方修正を
発表し株価が下がってから「MBOにより上場廃止」としたので、

「買収価格を下げる為の下方修正だった」

と裁判沙汰になっております。

つまり、こけたときに「叩きやすい」のです。

しかし、ちょっと「考え」れば分かるようなことでも、人が集まり
成長の原動力となり、一瞬との場合もありますが「成功」したのは
事実です。

この「成功」を否定するものではありません。

が、外部リンクを否定する「市場」はインターネットの原則から
そもそも逸脱していますし、時価総額経営の危険性はエンロンの
破綻で明らかになっていたことからすると、

「目指すのはそこかい」

と口を挟む人は少数でしたし取り上げられません。
祭りに水を差しますからね。

そしてこけると踊り出します「キラキラ星」を。
ジェットコースターで起こった悲劇もどんどんと過激になる

「絶叫マシーン」

を煽って、事が起こると安全対策がと。
もちろん、安全だという前提で成り立っているので、遊園地を
擁護するものではありませんが違和感を覚えます。

絶叫アトラクションができるたびに「体験取材」や「芸人の
リアクション」という企画があふれだすのと比較して。

韓国では「水に落ちた犬は叩かない」という諺があるようですが
この国の「経済界」は、「水に落ちた瞬間に叩く」ようになってお
ります。

そして「報道」も「経済界」に入っているのがこの国のルール。

そして自戒を込めていいますが、それを楽しんでいる国民が
メディアを支えております。

「キラキラ星」は幼稚園の時の思い出だけで結構なのですが。

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