グレーゾーンを廃止したことにより得する人は誰

ビジネスの世界も政治と無関係ではありません。
与党&慎太郎さんの勝利を受けて日経平均は120円高で
スタートしたように。

市場関係者は政治の安定を望んでおり、大不況の時は政権交代も
歓迎されますが、景気回復が見えている昨今、大きな構造変化は
好ましくないのです。

つまり、強者が強者でいやすい環境と言うことです。
ただこれを単純な「格差」と結びつけることは安直&単純&
粗忽に過ぎます。

いやすいだけであって絶対ではありません。
構造が硬直されているほど、想像されない力に脆いので、
新参者にもチャンスは残されているのですよ。

しかし、法治国家日本で「ルール」を変えられてしまうとどう
にもなりません。

それまでセーフだったものがアウトになればビジネスそのものが
成り立たななくなります。

「グレーゾーン金利」

利息制限法と出資法の狭間で「悪辣」に儲けていたサラ金を
規制、排除しようということです。

そもそもの利息制限を越えているのだからイカンと皆がそう
思いました。
サラ金・・・消費者金融は青色吐息となりました。

以前にも書きましたが、「借り主責任」と「違法な取り立て」
とが混在され、

「確信犯で返さない利用者」
「返済計画なんて発想がない利用者」
「返済できない利用者に貸す業者」
「違法に取り立てする業者」

がすべて同列に語られていることが問題で金利のパーセント
じゃないと考えています。

だって当座の金に困った人に貸してくれるのはサラ金だけで

「経済の動脈」

「公的資金導入という税金で会社を救って貰った銀行」

は、経済の毛細血管には貸してくれませんでした。
貸してやる場合には担保を出せというのが相場です。

今、消費者金融にはリストラの嵐が吹き荒れ、統廃合、
吸収合併が叫ばれています。

合法的に金を借りられなくなった人がドコにいかといえば
非合法な世界です。芋蔓を辿ればジャパニーズマフィアにまで
行きつきます。

まっとうな日の光を浴びて表通りを歩いている人にとって

「そんな大袈裟な」

と感じられるでしょうが、芋蔓は市中に張り巡らされている
のです。また、テレビドラマや事件になるようなケースを除けば
市民生活にとけ込み、共存共栄(生かさず殺さず)しています。

消費者金融は貸し倒れリスク(返してもらえない)も含めて

「グレーゾーン」

という法解釈を見つけてビジネスにしました。

もちろん、違法な取り立てを容認するつもりは更々ありません。
違法には厳罰に処するべきですが、しかし、グレーゾーンを
廃止したことにより得する人は誰だったのでしょうか?

違法な金利で泣いていた利用者は、金利が安くなれば嬉しいで
しょう。しかし、それも「コミ」で借りていた人の利便性を考え
ると

「借り入れ審査が厳しくなって借りられなくなるリスク」

を考えると、一概に歓迎だけとは言えません。
違法な「取り立て」で泣いていたことと別次元のことです。

グレーゾーンが知れ渡るに連れ、

「利息の引き直し」

が知れ渡りました。
ざっくりいうと利息制限を越える金利を支払っている場合には、
再計算して差額を元金の返済をしたことにできるというものです。

これによって「カードローン会社」もターゲットになりました。

「月賦販売」から始め、時流から個人ローンにも手を出していた
会社もターゲットです。

グレーゾーンなのだから仕方がありません。
法律には従って貰いましょう。

ミヤワキの独り言です。
借りた金をちゃんと返している人ばかりだったら社会問題に
ならなかった。

お給金のなかで、身の丈の範囲で生活している人には無関係な
話しです。

・・・本当でしょうか。

ハウスカードと俗に言う、お店専用のクレジットカードが
あります。信販会社、カードローン会社と提携して、お店独自で
発行するカードで、機能は提携先に準拠します。

数年前に流行ったのが、携帯電話屋さん。
携帯屋独自のハウスカードに加入すると

「2000円割引」

の原資は提携カード会社から支払われていました。
カード会社はどれだけ消費者の財布の中にもぐり込むかが
勝敗を分けるので、とにかく利用者を確保したかったので、
2000円ぐらい安いものです。

加入者が多いところでは、一人あたり最大5000円という
噂も聞いたことがあります。

カード会社側の原資は個人ローンからの収益が寄与しました。
つまり隙間を見つけてビジネスにして、その収益を拡販にまわし
その恩恵を、普通の消費者も受けていたのです。

そして現在、個人ローンからは撤退する方向がトレンドです。

利息制限法の範疇で戦っては儲からないからです。
裏を返せばそれだけ「返さない人」が多くリスクが高いのです。

利息制限法という美名の元に、全てのプレイヤーが同じ条件で
戦うことを余儀なくされました。
フェアな競争。素晴らしい。

そこでのルールは同じ金利です。

ただし、自由競争の国。
ルールだけが同じで競争の制限はありません。

格闘技でいうと60キロの選手と210キロの選手が戦うと
いうことになります。

軽量級がどれだけテクニックを駆使しても、重い一撃は全てを
粉砕します。

F1カーがどれだけ速くても、狭い自動車教習所でダンプカー
と潰しあいをすれば結果は明かです。

グレーゾーンだけを廃止すると強いものがより勝ちやすくなります。

消費者金融は「貸し倒れリスク」に対抗するために、業者間で
独自のネットワークで「ブラックリスト」を作りました。
返さない奴に貸すな。会社の垣根を越えて協力し合ったのです。

カードローン会社も独自の「利用動向」の規範を作り、それ
から外れる利用が合った場合には、本人確認をするなど不正利用に
独自の取り組みをしました。

一方、銀行はというと

「分かりやすい暗証番号なら自己責任」

と犯罪被害に対して、利用者の資金を預かっているという気概
のない逃げの一手です。
銀行間で助け合うなどという発想はありません。

しかし、巨大です。イザとなれば国が助けてくれます。

そしてルールは平等に振り分けられ固定されました。

規制の隙間を見つけて、独自のルールを設定し、防護策まで
編み出した努力は全て水泡に帰しました。

同じルールなら体重が重い方が有利ですから。

今、カード会社、消費者金融は

「銀行への身売り(資本・業務提携含む)」

を模索中で、動きは日を追う毎に活発になっています。
取り立てのノウハウも、ブラックリストの共有も、与信管理も
利用動向のチェックも込みで、目障りだった業者を配下にできる
のです。笑いが止まりません。

幸いにも銀行にはここ数年の「痛み」のお陰で

「リストラ」

に関するノウハウだけはしっかりあります。
業務提携後にこのノウハウが活用されることは火を見るより
明かだと思うのは、銀行主導の再建策を見たことのある人なら
誰もがうなずくのではないでしょうか。

「格差」はってしかるべきです。
人間の権利は平等かも知れませんが、能力はそうではありま
せんし、測る物差し次第で評価は変わるから面白いのです。
また格差がそこにあるからひっくり返す方法を考える人
表れるのです。

サラ金って金持ちが利用するものではないですからね。
だからあまり豊かでない人の一時的資金需要に目を付け、
金持ちが堂々と銀行から借りられるのに相手にもされない

「格差」

があれだけの急成長の源になったのですよ。
格差で見捨てられていた市場を掘り起こしたということです。

ところがルールをいじられると法治国家ではどうにもなりません。

強者連合がルールを変更して弱者から搾取する。
そしてリスクを取らないものが豊穣に実った果実を口にする。

「格差」を口にする政治屋さんに識者、活動家の方達は、グレー
ゾーン金利廃止をどう考えているのでしょうか。

私は提携をしるたびに「イラッ」としています。

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