映画のCMが迷惑なほど

「論外の論」の補足を。

門外漢が真実を言い当てることもあります。
これはしがらみがないから。

「澱」のようにその世界になじんでいる人が当たり前と思っている
「おかしさ」を部外者は気がつくのです。

そして「専門馬鹿の論」もこれまた害悪をもたらすので、そちら
に偏るのも世の中のゆがみを加速させるので好ましくないと考えま
す。

ただ、その中で大メディアに登場する「識者の言葉」に救いが
あるのは

「名前も顔もさらしている」

ことです。
発言責任の担保となることはいうまでもありません。

匿名性により内部告発が容易となり、自由闊達な意見が流通する
というネットの希望が何を証明するかは、数年先の未来が証明して
くれることでしょうが、今のところ旗色は悪いようです。

自著「Web2.0が殺すもの」で指摘しているように、国民性の違
いによるものが大きいのです。実名公開が多数派のアメリカネット
界との。

実名公開することにより、出自来歴を突きとめることは容易と
なり、また経歴が浅く、実績が乏しくても

「クールな論」

なら認めることができる懐の深さを社会全体が共有している・・
・ま、これも一面でしかありませんが・・・移民国家アメリカの強
さでもあります。

残念ながら我が国では、経歴・実績偏重主義はいまだに解消され
るどころかネット界でさえ、発言者の出自来歴を

「コピぺして晒す」

ことは日常茶飯事で、「今より過去を重視」する傾向が激しく
なってきています。

「ネットとリアルは地続き」

という自著での主張が日に日に裏付けられていくようで、

「嬉しさ1分、悲しさ九分」

です。

大メディアの「識者」は晒してくれています。実名を。

そこで私達に求められるのは

「彼らの依って立つところをさっぴく(引き算)」

リテラシーなのです。
経済学の大学教授が芸能を語れば、

「女性セブンとどっちましか」

グラビアアイドルの語る株価論と

「週刊現代の爆騰銘柄」

のどっちが論理的かを見極めなければならないということです。

その上であまりにとんちんかんなコメンテーターを使っている
番組があれば

「無知を露呈させて笑わせる」

というテクニックを使っているんだと深読みして笑ってあげま
しょう。

フジテレビの朝のワイドショー「とくダネ!」の前田忠明さん
のように。

彼のコメントは、その前番組の

「めざましテレビの軽部さんのコーナー」

と、テレビ朝日の

「やじうまワイドの芸能コーナー」

を見ていれば、完璧に予習できますから。

彼は芸能人に敵を作らないという「営業戦略」をとっているよ
うで、芸能人に都合が悪くなる「コメント」は、全てスポーツ紙
などからの「引用」です。

彼の得意分野は「心臓カテーテル」のネタだけ。
自分が煩ったので。芸能じゃないじゃん。と、つっこみながら
みていると楽しめます。

「依って立つところ」。

これを見極めることが現代大メディアを解読する技法の一つです。

昨秋お奨めして、多くの読者の中方から

「良かった」

とメールを頂いた映画「フラガール」。
映画賞を総なめにして、当初から

「蒼井優ちゃんが主役じゃないの?」

という疑問も受賞結果が答えを出してくれたのですが、並み居る
大型作品を蹴散らしての快進撃でした。

もちろん、松雪泰子さんも良かったのですが、あの映画は

「ビッグネームほどいまひとつ」

だったような・・・ですが、とても楽しい映画でした。
見終わった後、拍手をしたくなり場内が明るくなった後も余韻に
浸っていた素敵な作品です。

賞を取ったことにより、

「映画関係者はやっぱり映画が好きなんだな」

と暖かなものを報道から受け取りました。

昨年は「邦画復権」が叫ばれ、21年ぶりに洋画を邦画の興行
収入が上回りました。

ちなみに21年前は昭和60年、1985年。

「ターミネーター」「ランボー/怒りの脱出」
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」

が公開され、邦画で目立ったところでは

「二代目はクリスチャン」「タンポポ」
「男はつらいよ 柴又より愛をこめて」

作品の出来はともかく、ハリウッドが絶好調だったころです。
翌年はプラトーンに、トップガン、エイリアン2ですからね。

個人的には「テラ戦士ΨBOY(菊池桃子主演)」の痛さが、
桃子ちゃんの可愛さを越えていたことを思い出します。

記録を紐解き面白かったのが後のアニメ界において「神話」
のように扱われている

「うる星やつら3 リメンバー・マイ・ラヴ」

が、同年公開だったことをみると、決して邦画が弱かったの
ではなく、ハリウッドが強かったといっても良いのではないで
しょうか。

日本映画製作者連盟(映連)の発表によるベスト10は以下の
とおりです。 http://www.eiren.org/toukei/index.html

順位:作品名:興行収入:配給会社
1  ゲド戦記      76.5       東宝
2  LIMIT OF LOVE 海猿     71.0     東宝
3 THE 有頂天ホテル     60.8     東宝
4  日本沈没     53.4     東宝
5  デスノート the Last name     52.0     WB

作品の評価と興行収入が一致しないことはよくあることです。
しかし、まぁ5位のデスノートは不思議な作品です。
シリーズものは初回の人気からシリーズ化で更に飛躍すること
はありますが、当初から全編後編で作られていたのに、後編の
ほうが倍の収入を上げているのですから。

ちなみに、日本テレビいっちょがみ作品。
1位の「宮崎アニメ」と同じく。

そして2位のシーモンキー・・・もとい海ザルはフジテレビで
絶賛の嵐で、ネット界ではツッコミの嵐が吹き荒れていた

「話題作」

で、3位の有頂天もフジテレビ。
私は掛け値なく楽しみ、フラガールがなければ昨年の1番と
思っていた作品です。
ただ、作品見てから「宣伝」をみると

「そのつなぎは無茶だろ」

と突っ込みたくなりましたが。

残った4位はTBS作品。
お好みでしょうが、私は下記の作品の方が楽しめました。

■日本以外全部沈没
http://www.as-mode.com/check.cgiωCode=B000GQMJAM

単なるパロディではなく込められている人間へのアイロニーが
好きです。

上位5作品に、「映画賞総なめ作品」がはいっていません。
きっとベスト10には入っていることでしょう。

6  男たちの大和/YAMATO     50.9     東映
7  劇場版ポケットモンスターAG     34.0     東宝
8  ドラえもん のび太の恐竜2006     32.8     東宝
9  涙そうそう     31.0     東宝
10 名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌(レクイエム)     30.3     東宝

上から順番にテレビ朝日、東京12チャンネル、テレビ朝日、
TBS、日本テレビ。

え、ってことは「もうすぐベスト10」かしらと見ていくと

11 デスノート 前編     28.5     WB(日本テレビ)
12  明日の記憶     22.0     東映
13  トリック -劇場版2-     21.0     東宝(テレビ朝日)
14  県庁の星     20.8     東宝(フジテレビ)
15 ブレイブ ストーリー     20.0     WB(フジテレビ)
16 あらしのよるに     18.8     東宝(TBS)
17 木更津キャッツアイ ワールドシリーズ     18.0 AA(TBS)
18 子ぎつねヘレン     17.8     松竹(テレビ東京)
19 フラガール     14.0     シネカノン
20 映画 クレヨンしんちゃん13.8(テレビ朝日)

ずぅっと下に来て19位にようやくありました。
ヒットには間違いありませんが、しんちゃんとどっこいの収入です。

そして上位20作品でテレビ局が噛んでいないのは

「明日の記憶」と「フラガール」

だけなのです。

テレビを見ていると気がつくことでしょうが、

「同じ映画のCMが迷惑なほど」

繰り返されますよね?
邦画でその場合の99.9%がそのテレビ局がいっちょがみ
しています。「政策委員会」に名前を連ねているのです。

まぁ平たくいえば

「公共の電波を使って自分のところの宣伝をしている」

ということです。
そしてその作品郡が

「邦画逆転」

を生み出したのです。
近日明るみに出ると睨んでいるのですが、映画チケットの

「系列買い」

というのがあり、これは立場を利用した押し売りです。
これも底上げを手伝います。
ガンバレ! 公取委。

「テレビ局」からギャラを貰っている、「識者」が雇い主の
商品にケチをつけることができるでしょうか。

商売は儲けなければ始まりませんから、興行収入の伸びを
揶揄するつもりは全くありません。
ただ一方、映画の専門家の評価は別の基準で下されている
ということです。

「感動しました」

という「識者」の論外の論。
の由来がどこに「立って」いるのか。

カンタンにカラクリが見えてくるものです。

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