住民の声も無視して脱原発をあおる「モーニングバード」

 川内原発再稼働を阻止しようと、できるわけもないのですが「活動家」が原発前を不法占拠する前より、テレビ朝日「モーニングバード」の中継が行われます。現地リポーターは、周辺住民の声として「概ね賛成」と伝えます。

 30年を超える川内原発との付き合いの中で、生活に組み込まれているという声と共に、原子力技術の維持継承、発展のために必要という意見も紹介したのには驚きました。

 テレビ朝日とは朝日新聞と轍をひとつにする反日基調で、もちろん脱原発。「報道ステーション」ほどではないにしろ、「モーニングバード」は油断と隙があれば反日、侮日を盛り込みます。その番組が、本当の住民の声を紹介したことに驚きました。やはり報道の「現場」には、報道マンとしての矜持を持っている人材が残っているのかもしれません。

 ところが、スタジオに引き取ると、羽鳥慎一の深い溜息。そして原発再稼働は如何なものかと、それこそ「地元の声」を無視した論理だけで構成されます。

 ジャーナリストを名乗る青木理氏は、いつものように論拠を示さず、再稼働を批判します。固有名詞らしき物は「原発村」で、これは「レッテル」です。また、時系列もおかしく、

「あの事故から丁度、4年半」

 とは、惜しい。丁度ならば4年5ヶ月ですが、それは「震災」からの起算です。日時は些末なことながらも、脱原発派は意図的か無知かはともかく、議論を混同させますが、地震で原発は壊れていません。それに伴う、全電源喪失により制御不能になったことが、爆発事故へとつながったのです。

 青木理氏は続けます。仮に一時的に再稼働は仕方がないとしても、再生可能エネルギーの普及に全力をかたむけるなどしていないのはおかしいと、これまた論拠不明です。一方で太陽光発電は普及していると、菅直人と孫正義のタッグによる悪法に触れずに紹介します。

 そして現実は懸念されていた、太陽光発電のデメリットが実証実験宜しく顕著になっており、国は地熱や風力など、他のエネルギー開発に軸足をずらしていますし、なにより脱原発を掲げ、再生可能エネルギーの比率を増やした「ドイツモデル」とは、隣接する国から電気を輸入できる地域条件が支えており、日本が導入できるものではありません。

 また、「全力」とは何をどの基準で評価してかは不明です。数値を挙げろとまでは言いませんが、福島の事故以前の姿に戻そうとしていると匂わせますが、それは孫崎享の陰謀論レベルに根拠を示していません。

 タレントの優木まおみはこれに「原油価格も下がっているのに、なぜ、この時期(に再稼働)なのかがわからない」と言い垂れます。彼女の出自についてはネット上では憶測が飛び交っていますが、「エロ賢い」で売り出した割りにはあまり賢くないようです。

 エネルギーの購入価格は、商品市場と対になっていないことは、その原発が止まった直後から繰り返し報じられていたことだからです。また、化石燃料を燃やすということは、地球温暖化ガスへと直結し、排出権取引の負担という重荷につながります。

 再び、青木氏が引き取り、同様の主張を繰り返し、メイン司会の羽鳥慎一が引き受けつつ、サブ司会の赤江珠緒に水を向けると、やはり時期の問題などから再稼働反対をにおわせます。

 つまり、スタジオにいる4人は全員反対です。この中で、九州に関係しているのは、両親が佐賀で中華料理店を営むとされる優木まおみぐらいですが、彼女はそうした「当事者」としての立場からは一切語らず、残りの3人は九州に関係のない人物で、地元の住民が同意していることすら認めようとしません。

 典型的な「脱原発論」の構図です。

 公共放送には政治的中立性が求められます。原発は政治案件でないのかもしれません。しかし、同番組の中では、万が一の事故発生時について、責任の所在を述べたのが九州電力だけであるのに対して、東電も東電だけで責任を負いきれなかったと、暗に政府の対応を求めるのであれば、すなわち政治案件だという認識です。

 ならば、政治的中立性がおかされた放送だということです。しかも、現場の、地元住民の声すら踏みにじるものは、もはや報道ではありません。政治活動です。

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