■月刊 WiLL 2015年8月号「安倍総理が国民に訴える!」
メインは安倍総理自身による「平和安全法制(辻元清美曰く戦争法案)」の説明。ただ、これに新味は無し。反対派にこそ読んで欲しいのですが、やつらバカの壁の向こう側にいる原理主義者なので、聞く耳を持ちません。
それでも説明は必要ですので取り組みは評価します。と上から目線は、表現の自由が認められた庶民の特権です。
安保法制を考える上で、当事者・経験者の話が俎上にのぼらないのが、日本のマスコミの「報道しない自由」。そこでWiLLは、第一人者の「ヒゲの隊長」こと、佐藤正久氏の「自衛官のリスクを政争の具にする勿れ」を掲載。
東ティモールでPKOとして出張っていた自衛隊に、日本人から救援要請があったが「駆けつけ警護」ができず、“たまたま”休暇で外出していた隊員が、“たまたま”座席に余裕があったので日本人を「同乗」させた。という「トンチ」で解決した事例を紹介し、さらに国防にも踏み込みます。
北朝鮮のミサイル迎撃に照準を合わせると、米軍のイージス艦の防備はがら空きになります。そこで米軍をガードするのが「集団的自衛権」とのこと。
さらに既に起きている「犠牲」についても語ります。
ペルシャ湾で日本のタンカーを守った米海軍2名、警備隊1名が落命。これについて「仲間を助けるのは当たり前」と米国。現行法ではこの反対は出来ませんし、仮に施行されても、日本国民は他国の国民のために血を流す自衛隊員を許容できるかに疑問が残ります。
そして、ある意味、自衛隊の立場を象徴的に表しているのがこちら。自衛隊員は海外での活動で落命しても「靖国神社」に祀ってもらえないということ。なぜなら「戦死」ではないから。
またこんな見逃せない指摘もありました。柿谷勲夫『自衛隊二佐に問う「クマラスワミ」との昼食は「光栄」ですか』で、自衛隊OBなどの会報「隊友」に栗田千寿2等陸佐(中佐)が、日本を性奴隷と公言し広言するクマラスワミと昼食をとったことを「光栄」と表現していたというのです。
ヒゲの隊長とは正反対の意味から心配になります。大丈夫か、自衛隊。
今月号は「自衛隊祭り」といえば過言ですが、西村幸祐『メディア・スクランブル』のこの指摘は秀逸です。
敵意を持って自衛隊に接し、自衛官の人権侵害をやってきた人間や勢力が、必死に国会やメディアで、あるいはそんなメディア自らが自衛官の安全を心配している。
■月刊 WiLL 2015年8月号「安倍総理が国民に訴える!」
http://www.as-mode.com/check.cgi?Code=B00XVHTP8C