日本の警察は無能(片山祐輔被告を擁護した人々とネット社会 その7)

 片山祐輔被告を逮捕するまえ、4人の誤認逮捕をしたのは警察の失態です。また、そのなかには「自白」した人までいるというのは、警察の捜査方法に問題があった証拠です。改めなければならないことはいうまでもありません。

 しかし、それをもって日本の警察は無能といえるでしょうか。例えば神奈川県警などは、不祥事の総合商社ですが、2012年の犯罪統計による重要犯罪検挙率を見ると、36位と下位グループではありますが、下には下がいて、最下位は大阪府です。

 警察無能説を唱える人は、ネット捜査の難しさを知りません。片山祐輔被告が用いたTOR(トーア)により匿名化を完全に行えば、FBIでも追跡は不可能です。

 ただし、TORそのものに仕掛けをすることで追跡を可能にする方法はあり、FBIはすでに実践しているという噂もありますが、だとしても真相が語られるのは、TORの技術が陳腐化するか、スノーデン氏のようなリークが行われないかぎりあり得ません。

 なぜなら追跡の方法を公開することは、その対策をさせることにつながるからです。

 だからその後、高校生がTORを使った犯行予告を、和歌山県警が摘発した事例がありましたが、特定した詳細な方法については公開されていないのは当然です。

 そして検察が永らく片山祐輔被告を保釈しなかったことを批判する人もこれまた多くいましたが、端的に言って

「警察が理解していない方法」

 を駆使した被告を野放しにすれば、証拠隠滅などやりたい放題と怖れたのでしょう。

 なにしろ、片山祐輔被告の逮捕にいたったのは、リアルでの接点からで、ネット上から「確証」はないようだからです。なぜならこれがあれば、ここまで長引く裁判でないことは、片山祐輔被告の以前の罪からでも明らかです。

 疑わしきは被告の利益に、という原則に立てば異論はあるでしょうが、警察は万能の神ではありません。秒単位で進化する最新ネット技術にキャッチアップをしつづけろというのなら、その分の予算を認めてあげなければ不可能です。つまりは公務員の増加に加え、優秀な人材を確保するための報酬の増加です。

 現行の体制、予算のまま、最新のネット犯罪に対応できない警察を罵るのは、市民としての甘えで、社会も現実も知らない学生運動とする理由です。

 そしてなにより、わたしが警察官ならこう叫ぶことでしょう。

「ネットがなければこんな犯罪は起きなかった」

 これがネット社会の一面の真実です。

 だから悪だとはいいません。しかし、すべてが善ではなく、クリック1つで、さほどの覚悟がなく社会を混乱に陥れることができるツールがネットだということです。

 規制を望むか、放置を望むかは、国民が決めること。その決断を求められたとき「知らなかった」と・・・いうのでしょうね。いまも学生運動に投じている連中は。

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