大雪災害の被害者の何割が加害者か

 大雪により交通が混乱しています。大雪予報から木曜日の時点で、数日分の食糧を買い込んでいましたが、金曜の朝はまだ移動できる降雪量だったので、近所のドラッグストアのセールへ、日替わり商品を求めてクルマをだしました。

 開店から40分が過ぎていましたが、店内はまるで開店準備中。目玉商品のひとつの食パンは「未着」でした。仕方がないと思いながらも、北関東のどこかで焼かれたパンが、都内に届くとしたならば、くるぞくるぞと噂される東京大地震がおきたとき、都内の食糧事情は相当程度に悪化するだろうと懸念します。

 効率化、集約化の先にある必然で、拡大すればTPPにも当てはまるリスクです。高度に都市化された社会の宿命であり、このリスクについて日本人は鈍感です。

 最たるものが「コンビニ」です。コンビニとは「ストック(備蓄)」を廃することで成立するビジネスモデルです。従来の小売店にあった「倉庫」を廃し、1日4〜5回の配送で補っているのです。だから、交通網の混乱に影響を受けるのは当然で、コンビニを生活インフラとする錯覚は「平和」という共同幻想により発生しています。

 大雪を受けてツイッターでは、コンビニの棚から食料品が消えたと大騒ぎ。それを安倍政権批判へとつなげる「馬鹿」が大量生産されています。大雪の予報は週の頭から叫ばれていました。どうして「備え」をしていなかったのでしょうか。

 雪崩や大雪により陸の孤島になっている村落を非難しているものではありません。救出へ向かうのは当然ですし、自衛隊のみなさまには、くれぐれも我が身の安全を優先しながら、適切に任務を遂行して欲しいと願うばかりです。

 ツイッターでみかけた批判で「土日は休みですか」と揶揄するものがありました。自衛隊は各都県知事からの要請により出動します。その手続きの遅れは、各自治体の首長が背負うもので、権限を越えて自衛隊が活動することなどできません。また、雪が降っている最中に動けというのも論外。自衛隊はもちろん、消防隊も「二次被害」を避けるのが鉄則だからです。あるいはこういうのでしょうか。

「自衛隊員は死ね」

 残酷に過ぎます。

 備えさえあれば、不安はあっても餓えの恐怖はありません。そして雪深い街に住む人々は、ある程度の備蓄はしているものです。ならば、飢餓をアピールする馬鹿とは、大雪が来ること、きたときにどうなるかを想像すらできない馬鹿で情弱(情報弱者)ということ。情弱が己の無知を棚に上げてツイッターで拡散し、それを放射脳の連中が安倍批判と絡めて拡散しています。

 さらにこんな例もありました。

“食糧がない、孤立している、明日から雪かきするから、手伝ってくれる人、リプください(筆者要約)”

 大変だなぁとツイートを辿ると、夏は避暑地で冬はスキーリゾートの貸別荘に、大雪のバレンタインデー、つまり金曜日に遊びに出向いて、食糧も不十分で取り残されて大騒ぎ。これ、台風が来ているのにサーフィンして沖に流され、増水警報がでているのに中州でバーベキューして取り残される馬鹿と同じでしょう。

 河口湖のホテルの「宿泊客」も同じです。あるいはスノーボードにでかけ、帰宅できなくなったと取材を受けた26才の女性は、ツアーバスが立ち往生したものの、幸いにして目の前がコンビニで食糧確保はでき、もっとも大変だったことはとのアナウンサーの問いに

「お風呂には入れなかったこと」

 と答えます。

 もちろん、充分な備えをしながら被害にあった人もいますし、どんな事情であれ我らが自衛隊は救出に向かうことでしょう。しかし、こう思うのです。

「被害を拡大させた馬鹿のせいで、救出が間に合わずに失う命はないか」

 大雪の時は外出を控えるもの。常識でしょ。旅行という遊びをキャンセルすれば、キャンセル料が発生するかもしれませんが、命あっての物種であり、それを強行することで、救出に向かう自衛隊員の命を危険に晒す傲慢な行為と自省をし、それを促す報道がないことに首をひねります。

 そして大雪を安倍批判につなげたいなら、ポイントはひとつ。

「大雪予報でも運搬を拒否できない事業構造」

 つまり、危険を理由に運搬を断れば、別の業者に変えられてしまうという恐怖が物流業者にはあり、そこで多少の無理ならアクセルを踏みます。消費税の増税分の転嫁が難しい理由と同じです。

 そこで

「自然災害が予想されるとき、下請け企業へ物流を発注した大企業は処罰する」

 という法律を求めるのです。下請け企業のドライバーが死んでも、その企業の保険で賄われるだけのこと。大企業の良心も懐も痛みません。それも今回の大雪で被害が拡大した理由のひとつです。

 軽井沢が大混乱とツイッターで拡散されていますが、その碓氷峠とはJRにおいては急勾配の難所として有名で、自動車道だけフラットであるわけがありません。ならば、走行困難に陥る自動車がでる可能性は高いということです。

 軽井沢など、その地域への物資の運搬のように、必然があるトラック以外の乗り入れ、また、そもそもの走行自粛を呼びかける法的根拠を作らないことをもって、大企業優遇と、ま、屁理屈ですが、これをもって安倍政権批判へとするのが健全な野党ではないでしょうか。

 また、下請け企業としたのは「直接雇用」は企業の自主判断で、この規制は妥当ではなく、また直接雇用により下請けイジメがなくなり、雇用増加と一石二鳥です。

 ところがツイッターに乱舞するのは「政府が悪い」。そして大雪を知りながら、雪深い観光地に足を運び、被害者のように振る舞い、それを拡散します。

 自ら危地に赴き「被害者」となり、行政の仕事を増やし、あるいは救出の手が必要な「本当の被害者」の命を危機にさらしているのなら、それはもう「加害者」です。

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