橋下旋風にみる、尻尾の振り方

 大阪に吹き荒れた「橋下旋風」。

 で、結論。彼に振り回され政界再編でもした先にまっているのは

「第2の民主党の誕生」

 です。わたしの出生地でもあることから、大阪には深いシンパシー
覚えるものですが、だからといって今回の旋風は大阪府民と大阪市民
のものであり、これを国政レベルで捉えることがちゃんちゃらおか
しいと指摘しておきます。

 というか、そのこうした「ローカル人気」に一喜一憂する永田町
がすでに末期状態なのでしょう。

 旗印に掲げた「大阪都構想」。これも二重行政の解消などさまざ
まありますが、大阪府民と市民にとっては重要事であっても、それ
が全国に広がるというのはおかしな話し。

 また、国会が動かないなら国政出馬もあり得るとは、それはそれ
で結構なことですが、その姿を有り体に言えば「利益誘導型」で
たぶん、橋下氏にこれをつきつければ、悪びれもせず、そのなにが
悪いのだと言い返すのでしょう。

 いやいや、良いのです。オラが街のための政治。
 橋下氏の政治は現時点で、このスタンスです。

 問題は、これに国政レベルの政治屋が尻尾を振っていることです。

 我らが石原慎太郎都知事(都民なので)や、愛知県の大村秀章知事
と名古屋市の河村たかし市長が応援するのは

「地方自治」

 の仲間として自分たちにもメリットがあるからです。本旨とずれる
ので深掘りしませんが、この国は霞ヶ関を中心にすべての制度が
決められており、地方の代表である首長であっても、霞ヶ関の意向を
無視することは用意ならざるコトなのです。

 そしてこれは霞ヶ関パワーを一目で分かる図式ですが、東京の
鉄道路線網を見ると、必ず霞ヶ関(あるいは徒歩圏の周辺)につな
がるようにできています。

 で、ぶっちゃけていえば、選挙で選ばれた首長からすれば、公務
員試験以降は庁内のパワーゲームに明け暮れ現場も民意も知らない
連中をどうにかしたいと思っており、こちらもまたパワーゲームの
一環としてメリットがあると見たから橋下氏を応援したのです。

 これはとても当たり前のこと。都知事も県知事も、それぞれの
民意を生かすために活動しているのですから。

 本題に戻しますが、問題はこうした「地方政治」に国政が尻尾を
ふっていることです。新聞報道によれば、「色」がつくことを
嫌った橋下氏は各党からの応援を固持したといいます。

「みんなの党」

 は「押しかけ応援演説」だったのです。

 停滞著しい「みんなの党」からすれば、ここで名を売りたかった
のでしょう。地方選挙の度に確実に議席を増やしている同党ですが
しかし、民主、自民のどちらにもいれたくないという小皿・・・
もとい受け皿にはなっていますが、このままで小ぶりな共産党と
なり埋没しかねません。つまり、各地方議会で数議席もっていても
なにもできず、そして「改革」以外の旗印のない同党にとっては、
別の党が改革を始めれば埋没どころか霧散するリスクを抱えている
のです。

 そして自民党も尻尾を振り始めました。まぁ先日亡くなった
立川雲黒斎家元勝手居士さんが当選した暁には、師匠の小さんに
頼み込んで自民党に入党させたことを挙げるまでもなく、ミーハー
な政党なのでいつものことですが、民主党も秋波を送っています。

 さらに開票直前に亀井静香ちゃん(他意はないのですが”しずか”
とくると”ちゃん”をつけたくなります)が新党構想をぶち上げて、
保守連合を呼びかけました。

 来年の3月には総選挙だろうという噂もちらほら。

 そこにむけて「政界再編」・・・とは、かつて民主党が天下を
取る前に期待されたことで、民主党に票を投じた人のなかで少なく
ない人が

「自民党だけはイヤ」

 ・・・・コホン、もとい、

「民主党政権を経ての政界再編」

 を期待していたのです。これについては私は最初から否定してい
ました。理由は簡単「権力は蜜の味」。いちど手に入れた権力を
手放せる人間が、政治屋などやっていません。例えば企業家が
利益を得るのが大切であるように、政治家にとって権力を手中に
納めることが最初の一歩なのです。もちろん、手にした権力を
どう使うかが、その政治家の価値であり、この点がどうにも
いつも問題になるのではありますが。

 今回、橋下旋風にあやかって政界再編・・・といった日にでき
あがるのは「第2の民主党」です。単純な話し

「思想・信条」

 がそこにないからです。基本的には「保守」といわれていますが
目的実現のためには舌先三寸を駆使する橋下氏の手法は保守のあり
かたとして首をひねりますし、大阪維新の会のマニフェストをみて
も、どこにもありません。

 すると、各党がそれぞれの利益実現のために結託してできた
政党になんの価値もないどころか、国政を停滞させることは、
いまの与党が体現しています。

 そして良い意味で悪い意味でクレバーな橋下さん(すいません、
本当は大阪市長とすべきでしょうが、彼の野望は市長ではないので
フラットな表現からさんにしています)は、政界再編の当事者に
なるより、自分に都合の良い条件をのむ取引先を選ぶ立場を維持す
るとみています。

 ある意味、新しい地方と中央の関係です。上下でも喧嘩するので
もなく「取引」。

 また彼には「学び」があります。例えば九州の方で人気を博した
現役芸人や、東京の近所から鞍替え出馬してただの人になったり、
居酒屋チェーンから一足飛びにメトロポリスを目指した人などなど。

 それは「地方と中央の壁」であると同時に、選挙に負けて無役に
なったときの「無権力」の恐怖です。彼なら国政レベルでも当選し
て一議会人にはなれますが、そこから階段を上がる難しさは

「丸山弁護士」

 をみていれば分かります。その先に新党を作っても

「舛添洋一」

 さんが前例です。

 ならば権力を掌握したいま、様子を見るべき時・・・と考える
のではないでしょうか。

 われわれ有権者がいまなすべきことは、民主党や自民党、あるい
は、みんなの党の身の振り方です。いや

「尻尾の振り方」

 ですね。どちらが惨めか、みっともないか、節操がな

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