キーワードは一極集中と横並び

 アマゾンの書評はあまり見ないようにしているのですが、はじめ
て新著につきましたので、おそるおそる画面をスクロールしました。

拝読。
まさしく拝むように読ませていただきました。

書評を読んで涙が出そうになりました。

ドン・キホーテというのは執筆中から感じていたことです。
この国の仕組みは戦後の期間が長いことから、階層化がしっかり
と出来上がりました。
※歓迎できないことですが、革命や戦争が起こると階層が破壊されます。

それは、平民あがりの上層階層には

「ノーブレスオブレージュ」

がないので、既得権益を守り抜こうという習性がより顕著に表れ
格差の拡大が進みます。

これは小泉純ちゃん改革で格差が拡がったわけではありません。

大メディアは勝ち馬と尻馬にのっかるのが処世術かの如く、一方
向に流れますし、それにより一極集中の度合いが年々惨いほどに酷
くなります。

その無惨さが「格差」という実になったのです。

こんな時代の庶民の処世術としては

「流されること」

です。流行りものに取りあえずのっかっておけば、まず間違いが
ありません。

仮に間違いがあっても

「みんながやっていたから」

という伝家の宝刀を抜けば「多数決的な言い訳」が用意されてい
ます。

そして「みんなの意見の製造装置」として大メディアが機能します。

新聞、テレビ、ラジオ、雑誌、出版。

彼らの特性として新しいものが大好きです。飛びつきます。
ミーハーな私も気持ちは分かります。
新しいことって楽しいですからね。

そこで久方ぶりの大発見が「Web2.0」。

巨大なうねりの中で逆らうような原稿を書きました。

「誰かが書かなきゃ」

・・・これは前著と同じです。

しかし、この方の書評で一つ発見。

「この著者、「敵」を明確にしている点が・・・」

とありますが・・・そうか、イイ大人は敵を作らないような振る
舞いをするところから、礼賛本ができあがることを知りました。

そういえば正面切ってばかりで人生もお得な道を歩くことが少な
いような・・・と、書評を見て人生を振り返ってしまいました。

さてこの季節、大メディア、テレビの「一極集中の無惨」を感じ
て辟易します。

そして、これによって自らのクビを絞めていることに、この
10年ほど気づかないようで「テレビっ子」の私にとっては悲しい
ものがあります。

「秋の特番ラッシュ」

飽きていませんか?

女子アナ、NG、警察取材、水で薄めたバラエティーの特番。

もう辟易です。
昔は春秋の二階だった特番時期が、年四回となり、その期間も
昭和時代は1週間ほどだったのが、いまでは3~4週に渡ります。

もはや

「特番の合間にレギュラー放送」

です。
しかも中身は総集編的なものや、レギュラー放送のゲストや
セットに

「金をかけただけ」

で中身が伴うのは殆どありません。

昭和の頃は2クール(1クール13週)が基本単位で、4クール
で一年をぐるっとまわる構成となっていました。

年末年始の特別編成はともかくとして、人気番組は春と秋の
番組改編期でも「中身を豪華」にして、放送はレギュラーと同じ
枠で放送されていたものです。

人気連続ドラマなどは特番で放送休止になると、抗議の葉書が
殺到しました。早く続きを放送しろと。
ドラマ制作が追いつかずに、何ヶ月かに一回は

「総集編チック」

なものが流れたのはご愛敬といったところでしょうか。
特に大映ドラマではよくみました。

レンタルビデオ店の大量増殖により、テレビ界では

「好みの多様化」

が叫ばれ、連続ドラマは2クールから1クールが主流となりました。
とにかく目先を変えて視聴者の興味を惹こうというものです。

同様の理由で特番が増加します。

番宣番組の特番というわけの分からない番組が乱立し、番宣番組
の為のバラエティー番組も連射されます。

有り体にいえば

「自分の電波を使って宣伝の垂れ流し」

ということです。
ま、民間企業の営業努力と、ここはあえて目をつぶったとします。

しかし、この短いクールと特番の乱立がテレビ離れを加速させて
いるとしたら?

これは絵に描いたような自縄自縛です。

視聴習慣という言葉があるように、テレビやラジオは毎日の生活
サイクルに組み込まれています。

朝はめざましなのかズームインなのか、NHKなのかで悩む人は
殆どおらず、朝起きたら自動的に

「いつもの」

にチャンネルを合わせます。
テレビの一つのメリットは時間と曜日を教えてくれることです。

この番組が流れていれば、何時頃で何曜日だと。

私は小学校の頃、土曜日は半ドンというだけでなく、

「笑って笑って60分」や「ドリフ」がある

土曜日は特別でした。まんが日本昔話も。

かっくらきんの金曜日も、欽ドコの水曜日も、ちょっと大きくな
ると「トップテン」の月曜日、「ベストテン」の木曜日といった具
合です。平日にサザエさんが流れていれば火曜日の7時でした。

※テレビ放送は地域によって違いますので、関東地方の昭和50
年~60年代の記憶で書いております。
間違えていたらゴメンナサイ。

これが「視聴習慣」で一日の生活サイクルの中に「組み込まれる」
のです。

ところが最近は「あ、面白いジャン」と思うドラマに出会っても
11週ほどで終わりますし、毎週見ているバラエティー番組も

「特番で潰される」

ことも多く、2~3週特番が続くと番組を忘れてしまいます。

それこそレンタルビデオに、スカパー!、インターネットと時間
消費型の娯楽が溢れているのに、たまにしか放送しない番組を覚え
ていろという方が無茶な話しです。

つまり「習慣」をテレビ局自らが定着しないように編成している
のです。

理由は簡単。

「みんな(他局)がやっているから」

横並びの銀行への批判をしているテレビ局はもっとも横並びなの
です。

一極集中と横並び。昨今の悪弊の元凶はドコにあるのでしょうか。

逆の例を紹介しましょう。

「渡る世間は鬼ばかり」「朝の連続小説」「大河ドラマ」

どれも人気作品です。一定の視聴率を安定して稼いでいます。

「サザエさん」「笑点」「報道ステーション」

これも余程のことがない限り、

「その時間、そのチャンネル」

放送されると言う「国民的合意」ができあがっている番組は
強いのです。

特番のバブルで見失っているものにより、テレビが年々ツマラナ
イものになっております。

ついでにおまけを。

テレビ局が映画製作に参加しています。

沢尻えりか、長澤まさみ。

ちょっと前なら

上野樹里、宮崎あおい。

正直、どの作品でどんな演技をしていたのか分かりませんし、
毎週のように「新作」の記者会見を受けています。

キーワードは一極集中と横並び。

これは拙著でも「グーグル・アマゾン化する社会」でも共に指摘
指摘されていることですが、

「一極」

に全てが集まり均質化してしまっている時代です。

テレビが。

こうやってまた「敵」を作ってしまいます。
やれやれ、テレビ大好きだからのエールなんですがね。

そういえばディープインパクト煽りも凄かったですね。
あれで「ジャパンマネー」がフランス人の懐が潤ったことは
あまり触れられていません。

■Web2.0が殺すもの、書評はこちらからご覧ください
http://www.as-mode.com/check.cgi?Code=4862480713

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