保守派の良いところは、とその前に、隣国やバカ左翼から「極右雑誌」と名指しされるWiLLですが、私は保守系に分類しています。その良さとは、多様な意見を尊重するところにあります。
敵を知り、己を知ればというより、それが日本人らしいみな顔見知りの島国で村社会が育んだ知恵だからです。
珍妙な意見に発見があることもあれば、折衷案により安定が訪れることもあることを、皮膚感覚で知っているのでしょう。
イデオロギーに洗脳されると、これが失われ、対立陣営どころか、わずかな差異も見逃せなくなり殲滅戦を望むようになるのは、一神教への原理主義的帰依と同じで、選択肢が失われてしまうからです。
そしてWiLLは右側も多く登場しますが、バカ左翼はさすがにないとしても、左利き、やや左、片足だけ左ぐらいの論者は頻繁に登場します。
冒頭のコラム欄で連載を持つ漫画評論家の「いしかわじゅん」氏もそんなひとり。かつては漫画家でしたが、いま氏の漫画を見ないので評論家として紹介しています。
左とは言いませんが、嫌軍思想をお持ちのようで、安倍首相に批判的というか嫌っているようでもあります。彼の論評は「WiLL」でしか見たことがないので、それがすべてかは断じませんが、今月号は、戦後70年談話を
“半端な談話”
と位置付け批判します。論拠は「キーワード」の盛り込みや、主語の不在など、朝日新聞レベルのもので
“この程度のものなら、出さないほうがよかったんじゃないの”
と結びます。
いま思い出しましたが、彼の論評を「週刊文春」でも読んでいました。それは「漫画評論」で、こちらはかつて漫画家だったこともあり、その同業者視点になるほど膝を叩くこともあり、紹介されたコミックを購入したこともあります。
しかし、漫画家は漫画家。とは職業毀損ではなく、政治評論をするだけの見識をもっているかは甚だ疑問だということです。倉田真由美と同レベルかもしれませんが、これも多様な言論の一要素。そしてページをめくると
“東京裁判史観を克服「安倍談話」百点満点だ!”
と保守派の重鎮 渡部昇一氏による手放しの礼賛記事が紹介されます。満点はあげすぎな気もしますが、私も合格点を付ける一人。
ページ構成はいつもの並びながら、いしかわじゅんからの渡部論文にニヤリとします。
今回は「順送り」での読書をオススメするのは、いしかわじゅんを遡ったコラムで、門田隆将氏は
“どんな談話をだそうが、日本のマスコミが「関係改善」の足を引っ張る”
と指摘し、ページをめくった西村幸祐氏は、NHKが戦後特番の中で太平洋戦争を「大東亜戦争」と呼んでいたという紹介に
“では、現在の日本が大東亜戦争と呼ばないのか?”
と疑問を呈し、理由を簡潔に指摘します。これだけで、現代に通じる問題の根源に触れることができます。
両氏をふまえて、いしかわから渡部。ダイナミックな構成です。
ここまで持ち上げておいてなんですが、渡部論文の次が百田尚樹氏。あの未公開株で本日、記者会見を開く、武藤貴也議員を称揚します。
私は武藤貴也議員を存じませんが、故に見た目のみで評価を下すなら、面構えに覚悟がなく、利己的と批判するなら、現在の状況から彼に言動は利他的とは思えず、つまりは利己的同志の近親憎悪と評価しています。
軍事評論家の柿谷勲夫氏の
“ちゃんちゃらおかしい朝日の「自衛官同情論」”
安保法制に挑み、自衛隊のリスクを語り、心配する輩の行状をつまびらかにします。そこから幾つかを紹介。
1:大江健三郎
「防衛大学生はぼくらの世代の若い日本人の一つの弱み、一つの恥辱だと思っている。そして、ぼくは防衛大学の志願者がすっかりなくなる方向へ働きかけたいと考えている」
とは昭和33年6月25日毎日新聞夕刊コラム。
これに対する筆者の指摘は、本紙を手にしてお読みいただくとして、結局、大江健三郎ら、バカ左翼の活動は、なんら社会を動かすことなく、メディアの上での、つまりは安全な箱庭における騒動に過ぎなかったことを、このコラムから数えた57年の歴史が証明したということです。
まずこの反省を示さない限り、大江の言葉はなにひとつ信用してはなりませんが、フィクション(嘘)を生業とする作家だと反論するなら、それはそれで受け入れます。
また、私以上の世代で、昭和時代からの保守派ならば、みな知っていることですが、自衛隊や自衛隊員の子供が差別されていた事実も紹介しています。
・日教組の自衛官の子いじめ
・住民登録拒否
・国体の出場辞退
・自衛官を「罪人」扱い
自衛隊の罪人扱いとは、7年前の「あたご」事件。朝日新聞は原因不明の時点から、自衛隊が悪いと書き続け、裁判で無罪となってからも謝罪などするわけがないですね。
蒟蒻問答はいつもどおりのクオリティ。
国連女子差別撤廃委員会レポートも必見で、テキサス親父による座談会での
「米国の共産化」
は抑えておきたいトピックです。
■月刊WiLL「安倍談話」は百点満点だ!
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