パソコン遠隔操作事件で、無罪を主張していた片山祐輔被告が罪を認めました。保釈を勝ち取り、公判に挑む中、捜査の攪乱を狙った工作が警察にばれ、弁護士に所業を告白します。
ITジャーナリストを名乗りながら、パソコン遠隔操作事件について触れなかったのは、確たる情報を持たなかったからです。蓋然的な情報から見ればアウトですが、匿名化ソフトをつかったときの追跡の困難さからみれば、迷宮入りも止むなしとみていました。
事件が動いたのは「リアル」の接点です。そして報道された情報を見る限り、限りなく黒とみていました。ただし、警察発表やリークを元にしただろうとみられる情報から「決定打」を見つけることは困難でした。
状況証拠などから事件を取り上げることはありますが、容疑者の人物像も含め情報の絶対量が不足しており、「前科」と「見た目」からしか判断できず「不参加」を決めたのです。
ヒントを匂わせたりするあたりから、お調子者で粗忽、警戒心はあるが周到性はない、頭隠して尻隠さず的な人物像で、友だちの少ないタイプではないかとの見立てはありましたが、噂レベルの拡散はわたしの仕事ではないと。
その噂レベルを拡散していた人々がネットには沢山います。検察の不祥事を背景にしていますが、捏造冤罪国策捜査と大騒ぎしていた人々が掃いて捨てるほどいました。そして、彼らが率直に誤りを認めることはありません。
これもネットの普及が社会を混乱させている一因です。自由な発言を自由に拡散できる権利ばかりが優先され、発言への責任という義務を果たすのが、この国の自称ジャーナリスト達は苦手です。