貧困層の住宅が足りないけど、都営住宅は2月1569戸募集する事実

 日本テレビ「エブリィ」にて、都知事立候補者、主要4候補の討論が録画放送されました。そこで人権派 宇都宮けんじ氏が宣います。

「石原都政の時代に都営住宅はひとつも新設されなかった。都営住宅が足りない(要約)」

 これ、湯浅誠なんかも言いがちな、貧困を語る連中の常套句ですが、これは正しくはこう。

「便利な場所に安い住宅が足りない」

 そんなものはむしろありません。泡沫候補のひとり家入一真の出馬会見で、後見人を気取る堀江貴文氏とのやり取りの中で、引きこもりなどで行き場がなくなった子供達のために

“安く寄り添って生きていけるシェアハウスを日本中に作っています。”

 と発言していますが、そういう事業者が都知事になるのは、シェアハウスへの規制が次々と強化される流れから見れば、利益誘導が目的ではないかと邪推をしていますが、そもそもの間違いは安くて便利はあり得ないというのが自由主義経済。上場企業の社長を務めていたのなら常識でしょう。

 どこかで妥協が求められ、強度、程度と、許容範囲による個人差はありますが、大なり小なり妥協が必要というのが自明。むしろその妥協ができないから、社会からドロップアウトするのです。

 それを悪いと言いません。ひきこもりも個性。ただ、それが社会に出て色んな妥協と我慢を甘受しているものと、同等の権利を保障しろというのは弱者の傲慢です。また、ネットなどの環境の登場で、会社勤めしなくても収入を得る方法はありますが、そこでは別の厳しさが待っていますが、本稿の論旨は別にあるのでここまで。

 さて、貧困層の住宅が足りない。嘘です。断言します。貧困の定義をどこにおくかにもよりますが、事実を持って証明して見せましょう。

1,273戸

 これは平成26年2月上旬都営住宅の入居者募集にある空き家です。仮に2DKとすれば家族4人なら充分というか、我が町足立区には都営住宅が数多く、何十人もの同級生が都営団地に住んでいたものです。

 抽選に当たらなければ入れない。と、聞きかじりの知識がある人は反論するでしょうが、この募集は「ポイント式」。シングルマザー、高齢者、心身障害者、多子世帯など、語弊を怖れずに言えば「不幸指数」のランキング上位者から入居できる仕組みです。

 こうした空き住宅がゼロならば、宇都宮けんじ氏の主張もなるほどと頷きますが、実際の都営住宅はスカスカです。確かに築年数が経った都営住宅はみすぼらしいものがありますが、そこにも住んでいる人はいて、貧困で苦しいのなら、見た目の我慢は些末なものではないでしょうか。

 個別事情にあたれば同情の余地もあるのでしょう。それぞれを助けることも必要でしょう。しかし、貧困に「甘んじている理由」というのを見逃すと、本当の不幸を見逃します。

 ちなみに抽選方式やシルバーピアなども含めた総募集戸数は1569戸。これで、足りないと騒がれても困ります。

平成26年2月上旬都営住宅入居者募集(足立区ホームページ)
http://www.city.adachi.tokyo.jp/toshi/toei8.html

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