芸能人のチャリティー活動

 無策です。コピペではなく本音。

 外交、国防。相手を誉めるべきでしょうか。いいえふつうのこと。

 北では露西亜の飛行機がやってきて威嚇しています。
 南(西)では、中国のヘリコプターが海上自衛隊の護衛艦をから
かって帰って行きました。

 一方で「支援」にきています。

 どちらもあるのです。

 右手で握手して左手で剣を持つのが一般的な外交なら、彼らは
左利きの人間を用意して右手で握手させることでしょう。それが
中露という国です。

 さて、中国にいちおう抗議しましたが、露西亜にはイカンとも
遺憾ともいわなかったそうな。

 こここそ菅ちゃんの出番だったのに。演技過剰な涙目で、

「これ以上、いじめないでください」

 と呼びかけても良いですし、あるいは国会答弁で野党を小馬鹿に
するときの要領で

「戦闘機の支援は足りています」

 ととぼけ、中国には

「海上ヘリも足りています。ありがとう」

 と。

 ま、無策・・・というより、もともとその発想がないんでしょう。
 昨日の参院で予算が否決され、衆院の優越により成立の見通しが
経った時点での「にやけ」具合といい、初動の遅れを指摘された
ときの反論といい、この人は理屈屋であり実務家ではないと再確認
した菅直人・・・首相。

 悲劇的ですが、彼を婉曲的にしても選んだのは日本国民。
 残念ですが、事実です。噛みしめましょう。

 さて東日本大地震を受けて、各種芸能人のチャリティー活動が
花盛りです。偽善でもやらんよりやったほうがよいという立場で
すから否定はしません。

 しかし、私はいつの間にやら「足立区の恥」から「英雄」に
輝く「ビートたけし」さんの、

「被災地にも笑いをなんて戯れ言だ(週刊ポスト4/1号)」

 に頷きます。本論に入る前に「足立区の恥」について補足して
おきますが

「赤信号、みんなで渡れば怖くない」

 というツービート時代のギャグに目くじら立てたのは当時の
PTAを筆頭とする良識ある大人達で、小学生だった我々に

「赤信号はみんながいても絶対に渡っちゃダメ」

 と叱ったものです。いま思えばそれは正しく、笑いに一定の
インテリジェンスが要求された時代の最後のギャグだったので
しょう。つまり、絶対にダメなことへのアンチテーゼと分かっ
ている人間だけが楽しめるということです。

 話を戻します。

 チャリティー活動・・・も、いいでしょう。着用していた
衣装のオークションも悪いことではありません。売名行為だって
名を売る職業なら正当な営業活動です。なにも悪くありません。

 そしてちらりと思います。印税やギャラを払った方が・・・
いやいや、それも「気持ち」なのでしょうが・・・私は生活に
困っている人にとって、金銭に込められた愛情の多寡より、
紙幣の枚数のほうが役立つことを知っています。

 まぁでもやったほうがマシということに異論はありません。

 私が首をかしげるのは

「宇多田ヒカルが義援金8000万円を寄付」

 が、それほど大きく報じられないことです。

 AKB48はグループ全体で5億円。

 などなど。一応は報じていますが、お笑いタレントの
チャリティーイベントに時間を割きます。どうしてでしょうか。

 答え。

 啓発活動を世に伝える。

 もあるでしょう。こうした否定しづらい建前の影に隠れている
本音はこうです。

「絵になる」

 率直に述べるなら

「コンテンツになる。視聴率を期待できる」

 宇多田ヒカルさんが寄付をしたとして、ブログやツイッターで
つぶやいたとしても、30秒もたせるのがやっとでしょう。

 ところが、お笑い芸人が募金箱を持って街角に立つ映像、
マイクを持ってイベントを仕切る映像を編集し、最後に
ひとことしゃべらせれば30秒は余裕で持ちますし、この
場合のタレントのギャラは発生しません。

 そしてすべてのテレビ局が、すべてのニュースとワイドショー
情報番組で同じ映像を繰り返します。

 タレントが身銭を切って寄付した話しは小さい扱いで、
使用済み衣装を売り飛ばしたり、寄付してくれた方と「握手」する
という

「一般人には真似のできない支援活動」

 を垂れ流すより、幼子が自分のすくない小遣いを郵便局にもって
いった話しの方が視聴者の心を動かすのではないでしょうか。

 そして本題はここから。震災後にもかかわらず長い前置きで
すいません。

 朝青龍の生国、モンゴル。

 かねてより外交政策からもモンゴルと手を組むべきだとくり
返してきました。豊富と見られる地下資源も大切ですが、なに
より「中露」と国境を接している親日国家です。

 まだ経済力は弱いですが、いま階段を駆け上がろうとしている
国で、日本はODAなどで援助をしており、今回の震災に際し
てモンゴル政府が全ての公務員を対象に、給料1日分の募金を
呼びかけたのです。

 これが一般国民や企業の募金運動に発展し、1億2500万円
以上あつまったと産経新聞が報じました。

 モンゴルの物価は日本と比較して10分の1といわれていま
すが、総じて物価が高く、国民にとっての金銭の価値はもう少
し高いと見るべきとしても、日本人体感金額にすれば12億円
以上の募金が集まったということです。

 翻って我が国の「公務員」からこうした話しを寡聞にして
聞きません。あるいは「計画停電」の対象になっていない地域
の自治体職員からも皆無です。もちろん、我が町、足立区でも。

 そして・・・どうでしょうか。

「テレビ局」

 が義援金を支払っているのかと疑問を持ち、各局の視聴者
センターに電話をかけましたが、各局お忙しいようで、
執筆時に電話が繋がったのはテレビ朝日だけで、要約すると
こういう回答。

「ドラえもん募金で受け付けている。
 こうした寄付を呼びかける際はテレビ朝日としても寄付し
 ているが金額は公表していない」

 ・・・上場企業ということなんですが、パブリックに近い
支出を非公開だなんて、なんて慎ましやかな会社なのでしょう
か。

 この回答を信じるならば、義援金を呼びかけて身銭を切ら
ないという「卑怯者」ではないということです。すると疑問が
残ります。

「芸能人のチャリティー活動は執拗に垂れ流すことを啓蒙と
 位置づけておいて、自らの寄付はその金額も行為も非公開
 にする論理的整合性がない」

 1円でも寄付。もちろん。視聴者から10億円集めても。
 非公開と言うことなのでこれ以上、議論が進めようがなく
テレビ朝日の株でも買って、株主総会に参加しようかと
検討中です。

 それでは一方、超マイクロ株主となっているフジテレビの
公開情報を追ってみます。

 社員数おおよそ1400人。平均年収1500万円(弱)。

 彼らがモンゴルの公務員を見習い、1割を寄付したとします。

150万円×1400人=210000万円

 ゼロを整理すれば21億円。

 震災直後より開始した「フジネットワーク募金」が24日、
総額10億円を超えて、フジテレビの豊田皓社長が日本赤十
字社に手渡したと報道がありました。

 これは視聴者から集めた義援金で、テレビ朝日のように
「非公開」でフジテレビのお金が入っているのかも知れませ
んが、60万円ほどのマイクロ株主の耳には入ってきません。

 フジテレビ社員による募金も以下同文です。もちろん、
個人的にやっている人はいるということは想像に難くないの
ですが、

「公共の電波」

 を使って商売し、震災にさいして

「善意と被災者の映像で広告料を得ている」

 のであれば、垂範率先。身銭を切ったことは「非公開」などと
せず、堂々と報道して欲しい願いします。

 ちなみにこのフジテレビはいま、

「ひとつになろう日本」

 キャンペーンを展開しています。このひとつが、テレビの
中と外で分かれていないことを願うばかりです。

 それと「芸能人のチャリティー活動」を垂れ流すのと同じだけ

「世界中からの支援の金額、物資を並べありがとうという時間」

 も公共の電波が担う役割だと、今朝、佐々淳行さんに、奥ゆか
しいテレビ朝日の番組で先に言われてしまいました。

 ちなみにこれも「外交」のひとつ。感謝は言葉にして、かたち
にして伝えるものです。

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