ゆすり発言になるほど

 知日派と目されていたケビン・メア米国務省日本部長が沖縄県民
を「ゆすりの名人」と称したとか。これに一斉に日本のメディアが
噛みついています。

アメリカ人如きがなにをかいわんやと唾を吐きかけたい・・・と
ころですが、私の知っている沖縄の人で、似たようなことをいう人
が少なくありません。ある人は「甘え」といい、ある人は「ぶらさ
がっている」と。

基地問題にしても「本当に米軍がいなくなったら経済がもたない」
というのは一致しています。

一方で、何万人(笑)も広場に集まり、基地反対集会が読谷の
広場で行われたり、デモ行進ばかりが報じられ混乱します。

これは本当に親しくしていた沖縄(伊良部島出身)の人がいって
いたことですが、

「沖縄県民は嘘つき」

とのこと。私は額面通り、うけとってはいませんが、大らかさを
拡大解釈すればそうみることもでき、定刻の前後1〜2時間を許容
する「オキナワンタイム」も約束を守っているか否かの視点で厳密
にジャッジすれば「嘘つき」です。少なくとも東京のビジネス街で
オキナワンタイムを繰り返せば、嘘つきという誹りは免れません。

基地はいるかいらないか?

こう尋ねれば「いらない」というでしょう。しかし、基地がもた
らす経済効果と、ルーピー鳩山が学んだ方便の「抑止力」などと
絡めて尋ねて、それでも「いらない」と答えるのでしょうか。

基地に反対しながら基地が主催するフェスティバルには参加し、
基地に反対しながら、基地に関連した補助金を貰うことは当然と
考える沖縄人がいます。

それについての明確な答えを出せないままに僕はこの時代への
空気に雑然とした殺意のようなわななきを隠しきれない。あ、
つい「大江健三郎」風の、傍観者のふりをしながら、読者を誘導す
る阿部四郎(極悪レフリーとして名を馳せた女子プロレス黄金時代
のレフリー、ヒールを贔屓する)のような表現になってしまいました。

沖縄というと大江健三郎さんのプロパガンダ作品を思い出さずに
はいられなくなるのと、私が沖縄の政治活動を見る目は重なります。

それはそれ、これはこれ。フェスティバルはフェスティバル。
補助金は補助金、そしてでていけ。

こうした沖縄の現実をみてきたケビン・メアさんが「ゆすり」と
思うことに私はなるほどと。つぶやきます。

それは彼が「たかりの名人」であるアメリカ人だから。

戦争を仕掛けて上前を跳ねる「たかり」的な米国発想から見ると
静かな恫喝と感じて「ゆすり」と表現したのではないかという見立て
です。

そして穿った見方をすれば、ルーピー鳩山&民主党による、
日米同盟の亀裂を修復するきっかけとなるはずだった前原前外務大臣
のポカにより失脚で、されに遠のきそうになった日程を、米国側の
失点により、挽回するチャンスをメアは用意したのでは・・・って
ことはありませんね。

いずれにしろ「チャンス」です。菅内閣のラストチャンスかと。

交渉相手の失言はチャンスカード。

ただ、民主党の人たちって失言を囃し立てることしか知らないので、
宝の持ち腐れになりそうですが。

ついでにいえば調査捕鯨が環境テロリスト「シー・シェパード」に
よって妨害され、中断して帰国の途につきました。船員の安全を考え
て引き返してきたのですが、こんな馬鹿な話しはありません。

私ならこうします。

「自国船艇警護のため海上自衛隊派兵・・・を、検討」

日豪は先の大戦で戦っており、いまも日本嫌いの豪州人は少なく
ありません。カンガルーとコアラの観光都市のイメージから、
脳天気な日本人は勝手に親しみを持っていますが、祖父母の時代の
憎しみは伝承するものです。ついでに言えば白人主義から来る
人種差別感情は理で理解しても感情を制御できるものではないと
いうことは、お気楽な日本人にはわかりません。

クジラもその轍にのって存在しているのです。

威嚇するようなことをしたら相手の感情を逆撫でする。

と、日本人は考えるでしょう。しかし、ゆすりとたかりの解釈が
あるように、同じ行動を世界はこう考えるのです。

本気で怒っている。

さて、その時に、国際法に則った調査捕鯨を、違法行為で襲い続
けるシー・シェパードを豪州が守るか否か・・・というチャンスだっ
たのですが、これも無策で放置して、尻尾を巻いて逃げ帰るように
指示しました。

相手国の傷口には塩を塗るのが国際ルール。

前原さんの辞任を受けて、さっそく中国は尖閣諸島にちょっかいを
だしてきて、今日明日にでも露西亜が動くと私は見ています。

だから「ゆすり発言」は、日本のチャンスカード。

「米軍も日本からたかってばかりいないで、尖閣諸島に第七艦隊で
も派遣しなさいよ」

と、いえる政治家は・・・与野党どちらにもいませんでした。

しかし、オフレコ発言をヒステリックに捉え大騒ぎするのは
ルーピーです。私が沖縄の基地反対派なら、この言葉を持って、
永田町に押しかけて「言質」を引き出すことでしょう。それが
交渉です。

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