グローバル化と地球市民はイコールではない

新年あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。

昨年後半より「ほぼ週刊」となってしまい、今年もペースアップ
の実現は難しそうなのですがお付き合いいただければ幸いです。

弊社の仕事始めは対外的に9日からとなっており、まだ休みと
しているのですが、そうのんびりもできず、やはりというか、正月
休みの問い合わせは例年並みに多いものです。

実はビジネス系のウェブサイトの場合、盆や正月、GWといった
長期休暇はアクセス数が激減します。個人が利用するサイトや、
コミュニティサービスのアクセスが多くなり、このことが報じられ
休みはアクセスが増えるという妄想が膨らむのですが、殆ど
都市伝説といってもよいでしょう。

でもそれは「言えない」のです。
だってIT業界関係者がいえば唇寒しとなるからです。

いまだにこの業界は「アクセス数神話」が活きており、長期休暇の
減少は知られたくない「不都合な真実」なのです・・・が、同時に
IT業界関係者の間では常識です。

それでは「商売用」ではどうかというと微妙です。

守秘義務に抵触するので細かなことは開示できませんが、巻き爪
ケア専門の「巻き爪ケア専門店カノン」へのアクセスは、冬期休暇
に重なるようにアクセス数が3分の1ほどに落ち込みましたが、
年が明け、アクセス数はそのままに予約が相次いでいます。

■巻き爪ケア専門店 カノン
http://www.makitsume.com/

そして毎年のことですが、私の本業サイトのアクセス総数は同様
ですが三が日を過ぎた頃から相談案件がぽこぽことやってきます。

カノンさんの場合は休み明けの現実に接して「痛い巻き爪」を
どうにかしたいと思い検索し、弊社の場合は「考える余裕」ので
きた新年に「ホームページをどげんかせんといかん」と問い合わせ
てくるというワケです。

アクセス数が減っても、本当に必要としている人と出会う
チャンスタイムなのですが・・・業界人は口にしません。

どの業界でも業界人として吹聴している連中に共通する性質が

「望遠鏡で木をみて森を眺める」

からでしょう。
遠くからぼんやりとした全体像を眺めて、個別事案や実戦は
望遠鏡で

「見える部分だけみて語る」

ことでトレンドだ、潮流だ、時代だと馬鹿騒ぎをします。
森に踏みいればオオカミがいたり、新種のカブトムシがいるかも
しれませんし、日の当たらない・・・つまり望遠鏡からではみられ
ない葉の裏側に新たな胞子が飛び回っていても

「そんなの関係ねぇ」

とオッパピーが叫びます。

実戦現場に足を運び実情に通じていれば「ひとこと」でいえない
複雑さを知っています。しかし、それでは商品になりにくい。とい
う論理で「単純化」へと向かうのです。

業界関係者とメディアのお家芸です。

商売用でアクセス数以外の要因を解説するのは個別事案により異な
り面倒臭いので単純な「アクセス数」へと傾斜するので、減少する
季節の話はタブーとなります。

学生時代に理科で赤点をとった人間にも分かるような最新科学を、
年表が覚えられなくても涙する篤姫の物語を説き、株式取引の仕組み
を知らない人に「サブプライム」を知ってるつもりとさせます。

例えば昨年末のニュースバラエティ番組で

「原油高(の一因)にサブプライム問題」

があると解説していました。確かにサブプライムから原油への
シフトはあるのでしょうが、上記の括弧部分は解説者が口頭で述べ
テロップは括弧なしでした。

私の手元にあるガソリン先物の資料では異常な値上がりは、
2004年7月頃からはずみをつけており、WTIの原油も
イラク戦争開始からの高値もみ合いから一気に上ぶれしたのは同時期です。

「バブル」を懸念する声もありましたが、当時の米国は事情空前の
住宅ブームの真っ最中です。

投機資金の流動化はもちろん理由ではありますが、これらを日本人
に分かりやすく説明すると試みるなら

「原油バブル」

ではないでしょうか。まだ着地点が見えていませんが、土地バブルも
ITバブルも同じ様だったことを思い出します。

2.5倍になった原油価格と実際の需要のギャップが激しいのです。

ヤフー株、六本木の一等地、懐かしい話です。

もちろん、「今後」も高止まりが予想されていますが、しかし一方で
高くなりすぎたら買う人が減り需要も連れて下がり、需要が減れば価格は
下がるのが世の習いです。

こんな当たり前があまり報じられないのには「便乗値上げ」という
圧力があり、バブル崩壊以降続いた「値下げベクトル」からの解放と
してみれば悪し様にも言うことに抵抗があります。

ま、単純にしすぎると本質を見誤りますよということ。

そして今年も前置きが長いです。本題は単純に語られる
「グローバル化」について。

新年の新聞各紙、報道は株価急落を受けて「グローバル化」を
改めて取り上げております。

株の予想紙・予想番組では

「グローバル化ができている企業は心配ない」

と大本営発表を繰り返しますし、ソフトの輸出への傾斜を喧伝し
また、これはお定まりの

「日本人よ海外へでろ」

と鼓舞します。

鎖国を解除した明治以降の単純なベクトルから進化のない単純な

「富国論」

です。これらはグローバル化ではなく「欧米化」という
タカアンドトシの突っ込みでしかありません。

彼らメディアやその御用学者にコメンテーターの主張を習って
単純化するとグローバル化には二つの大きな柱があります。

1:世界市場のほうが儲けが多い
2:世界の中の日本の位置づけ

1の多くが「拝金主義」に通底します。ライブドアのあの創業者
を否定していたのに多く売れとベクトルを誘導します。もちろん商
売ですから儲けようとする姿勢は非難しませんが、イナゴのように
儲かる市場を席巻しなさいという姿勢に私は美学を感じません。

そしてもっとも「単純化」で困ったちゃんな柱が後者の意見。

世界の中の日本という当たり前すぎる空疎な建前を振りかざし

「欧米化(または中国に隷属されたい♪という人もいます)」

という中身しかない場合が多いことです。
新年第一号。断言します。

「グローバル化と地球市民はイコールではない」

地球がひとつの市民として同じ価値観を共有できるという幻想は
日本国内では通用しても世界では通じません。

ロシアがいまだに日本の漁船を拿捕し続け、中国が日本の資源を
吸い尽くすのも、ハンドボールのアジア予選をやり直さないと
主張するクェートもそれぞれの国益と照らし合わせれば至極当然の
振る舞いです。

もちろん、アメリカ人などはその代表格です。
株価急落もこのあと「緊急対策」で持ち直させる共和党の

「選挙対策」

だと勘ぐることだってできるのです。世界経済よりも共和党と
いうことです。これは次の次を狙ってです。

今年は今まで以上に「グローバル」が叫ばれると想像しています。
そしてより報道は「単純化」されていくでしょう。
私たち視聴者、読者のリクエストに応えるように。

アクセス数が少なくても「儲け」がでるホームページがあります。
たった3年半で原油は2.5倍も使われるようになったのでしょうか。
そして世界中の国々が世界のことを考えるのは絶対に1番ではあり
ません

通説は真実ではありません。
メディアは本当の全部はいいません。

それでは今年もよろしくお願いします。

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