セーラー服と機関銃もわかりやすさに汚染され

先週まで放送されていたTBSの

「セーラー服と機関銃:長澤まさみ主演」

最終回について。
映画のオリジナル版を見たことがない人は読みとばしてください。
「筋」を知っている前提で進めます。

別段見ていたわけではありませんが、映画館で機関銃の轟音に
肩をすくめていたら静寂が訪れ、大写しになった女の子が

「快感」

この瞬間、薬師丸ひろ子さんに恋をしてしまったミヤワキとして
は取りあえず最終回ぐらいはチェックしておこうかと。

「快感」「キス」「赤い靴」

この三点セットがなく、トドメの

「エアマシンガン」

までないのはやはりオリジナルの印象の強さでしょうが、
エアギターが導いた「エア」ブームの昨今、ちょっともったいない
気がしました。

作品の感想はワイド画面で横長になった長澤まさみさんは、一番
可愛かった頃の広末涼子さんにソックリだなぁというぐらいです。

そして何より

「考えなくても分かる台本と演出」

になっているのにビックリです。

逆に「考え」てはいけないかのようです。

まず、オリジナル版では「快感」につながるシーンは、マシンガ
ンをぶっ放す前が永く、ここで

「グッと我慢」

することにより、マシンガンの轟音とその後の静寂が活きてきます。

ところがテレビ版は長澤まさみさんが

「絶叫調のすべて台詞で説明」

します。なんて親切なんでしょ。

・・・細部を言いだすとキリがないので結びの一番。

最後のメダカ組組員(元)が「殺される」エピソード。

あまりのご都合主義の演出に呆気にとられていた私は気がつかな
かったのですが、我が社の専務は見ていました。

うろ覚えなので間違えていたらゴメンナサイなのですが、

「刺殺事件発生からわずか25分で霊安室」

にいたというのです。

喧嘩の仲裁に入ったのが午後3時55分。
元組長の長澤まさみさんとの待ち合わせ時刻が午後4時。
警察から元組長の携帯電話に連絡が入ったのが同20分。

元組員は即死状態だったと霊安室の警官が告げますが、例え即死
でも「死亡確認」は病院の仕事ですから、救急車が駆けつけ、救命
救急センターに搬送するのが一般的で、警察へはその後となります。

だから無理繰りでも

「即死→遺体との対面」

という演出を25分で納めたいのなら

「病院の霊安室」

に設定変更する必要があるのです。

が、イマドキそんな面倒なことはしません。

とにかく分かり易さが何よりなのです。
だからオリジナルと違う舞台設定は考えるのが面倒だとばかりに
中途半端に模倣します。

そして当然、元組員との最後の対面も

「絶叫するから涙くれ」

という演出です。

ぐっと悲しみをこらえて

「この人ヤクザだったんですか」

というともすれば侮蔑しているかのような薬師丸さんのものいい

「堅気に戻っていたが喧嘩の仲裁で死んだ」

という、次の悲しみにつながるなどという演出なんかありません。

近頃の主人公は

「思ったことは口に出す」

ようです。

まぁたかがドラマに目くじらたてても仕方がありませんが、

「1時間返せ」

と呟いてしまいました。

しかし不思議なことが。

太陽の歌の沢尻エリカさんもそうですが、ドラマは低調なのに

「主人公が歌う主題歌」

だけはヒットしているんですよね。どちらもTBSですが。
ドラマのヒットと連動していないのが実に不思議です。

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