曽野綾子さんの本、その2。
50ページを過ぎたところでデジャブーかと目をこすってしまいます。
隊長命令による自決があったと著名な沖縄タイムスによる「鉄の暴風」
と、渡嘉敷村遺族会が編纂したという「戦闘概要」の類似です。
類似を年中指摘されるあのレコード会社もビックリなほどです。
元ネタが同じかと邪推するほどの。
根拠への疑念が首をもたげますが、時をさかのぼり「自決前夜」へと
筆は進み、どういう経緯で島に渡ったのか、またそこでの軍生活は
どうあったのかと関係者の証言や、記録を元に再現していきます。
軍司令部への申告で那覇までの船でカツオを釣ったりと、戦後生まれの
戦後教育を受けた世代にとっては、すべてが窮屈で管理され監視され、
楽しむ権利など露ほどもなかったはずの軍隊の中での笑顔を想像して
しまいます。
島民との交流も島民の感情も折に触れ紹介されます。
事実関係の有無だけではなく「あの時代」を知るひとつの手がかりと
なります。
(つづく)
■沖縄戦・渡嘉敷島「集団自決」の真実—日本軍の住民自決命令はなかった!
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