月刊Hanada 2017年3月号「トランプは転載か、暴君か」

 中野剛志氏と松原隆一郎氏の対談『トランプ大統領、全真相』は読み物。トランプ氏の主張や政策を、左右の思想で読み解くことがそもそもの間違いで、経済の視点で見るべきだとの指摘。

 また、その流れで左派はともかく、日本の保守や右派への苦言が読み物。対談では触れていませんが、私がずっと指摘していた安倍首相=リベラル説に通じます。

 小川榮太郎氏『「電通鬼十則」どこが悪い!』は痛快で切ない。

 電通の入社一年目の女性社員が、過労により自殺したとされる件での、社長の引責辞任について筋道が違うと喝破。理不尽をテーマに長時間労働の否定を批判します。

 労働を悪とする西洋の価値観と、農業を神事に据える日本とは本質的に異なるからです。なお、週刊新潮によれば、自殺の引き金は、当日に迫っていた恋人との逢瀬で、ストレスからの過食のせいか体重が増えたことを気にする乙女心も理由だったのではないかと推測しています。

 野村旗守氏の『中国臓器狩りの恐るべき実態』のおぞましさは悪夢級です。中国の新興宗教団体の弾圧に始まり、その信者を殺すどころか、時には生きたまま臓器を奪い殺していると報告します。

 中国ウォッチャーの福島香織氏も紹介していましたが、中国の人権意識・・・などないのでしょう。恐ろしい話しです。

 室谷克実氏の連載は「傷だらけの国璽」。実に韓国の国柄を表す香ばしいエピソード。

 国璽とは国の判子で、日本のそれは明示7年に制作された金印。韓国のそれは建国から70年弱で5個目。

 1962年の末まで使われていた「初代」が行方不明。二代目は1999年1月末使われていたのですが、その二代目が作られた理由がまったくもって不明。

 つづいて三代目が生まれた理由は、二代目の印鈕(つまみ)が亀で、これは皇帝から下賜されるものだから大韓民国に相応しくないと。

 めでたく生まれた三代目の印鈕は鳳凰。精密検査をしたら「ヒビ」が見つかった。さらにそもそも論で、皇帝の紋章は龍で、その臣下の諸侯王の象徴が「鳳凰」。やっぱりふさわしくないって、最初に気づかないのが不思議。

 そして生まれた四代目は製法も材質も嘘まみれ。

 五代目は公募で入札。デザインは韓国の国花である木槿(むくげ)と鳳凰を並べたもの・・・鳳凰? のツッコミは本文をご覧ください。知韓な筆者による冷静な突っ込みが秀逸です。

 國學院大學学長 赤井益久氏《必要か、教育の「グローバル化」》に膝を拍つことしきり。単なる英語教育批判ではありません。

 学問を人工的に作り上げられた明治神宮の森に重ねます。

《すぐに役立つ杉と違い、ブナやカシ、クスノキなど人間の役に立たない気でも、保水能力が高く豊かな守を育み、共生し多様性を生み出している(要旨)》

月刊Hanada 2017年3月号「トランプは転載か、暴君か」
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