腰抜けオバマも、議会の圧力に負け、ようやく重い腰を上げて南シナ海に、イージス艦を派遣しました。
いうなれば天下の往来に、勝手に家を建てて、
「ウチの庭に入るな」
と周囲を恫喝していた、ならずものへの威嚇というか、ヤクザにおけるなわばり争いです。
中国はともかく、米国もヤクザとしたのは、オバマ大統領自身が「世界の警察」を降りたと表明したから。
IS(イスラム国)もそうですが、世界を混乱に導いたのは、ノーベル平和賞を受賞したオバマです。世界は「実力」が支配しているということを忘れた代償です。
そして今回の派遣は、もう一つの「実力」の影響もあります。
それは「通貨」。中国通貨の「元」が、SDR入りが確実になったこともある。というのが私の見立て。
SDRとはIMFから加盟国がお金を借りる際の与信枠のようなもので、国際的な決済で通じる通貨は限られ、借り入れを申し込んだ際に借りることができる通貨は、米ドル、円、ユーロ、英ポンドで、ここに「元」が加わることになりそうなのです。
通貨別の代金決済シェアで日本円を抜いて、世界第4位の通貨になったことからも、額面上は妥当と言えます。
だから米国が「軍」をもって嫌がらせをしている、というよりも中国はその「軍」と「通貨」をもって世界を、とりわけいまは南シナ海の支配を目論んでおり、これを牽制しようという狙いです。
元に関しては、中国共産党が都合良く、為替を操作できることから、国際通貨としての疑念が残り、SDR入りも妥当ではないと考えますが、一方でユーロ諸国や、先日、習近平の訪英を国賓で迎えた英国も含め、経済的な結びつきが強くなっており、むしろ英国とユーロ諸国に拒否権がなかったと見るべきでしょう。
人民元の切り下げから始まったチャイナショックにしても、各国が強くでられないのは、経済という急所を捕まれているからです。
古くからある日本の言葉で表現すれば
「無理が通れば道理が引っ込む」
を体現するのが中国と米国で、両者の発想と行動はとてもよく似ています。
南シナ海にさしたる興味がなかったオバマですが、ここに至り、放置をすれば、中国共産党組のなわばりは拡大し、かつて舎弟で、いまも友好関係にある「フィリピン組」のシマを荒らし、さらに経済力による揺さぶりをかけており、このまま見殺しにすれば、親分としての信頼は地に落ち、他の子分に動揺を誘い、離反を招くかも知れません。
つまりは、暴力団のそれと同じです。そしてそれがリアル。
リアルの政治、外交は通貨(経済)も含めた「力」が支配しているのです。