「アイス・バケツ・チャレンジ」に感じるイヤ〜な感じの正体

 芸能人や著名人が、衆人環視のなか、氷水を被っているすがたに、「猛暑だよね」とつぶやいた夏。これにイヤ〜な感じがしたのは私だけではないでしょう。事実、本稿を公開直後から、「アイス・バケツ・チャレンジ 不快」で当ブログへのアクセスが急上昇しました。

 孫正義氏や古田敦也、乙武洋匡氏が水を被っていたのは、「アイス・バケツ・チャレンジ」と呼ばれるキャンペーンで、ALS(筋萎縮性側索硬化症)啓発を目的としたもの。ALSといえば徳田虎雄・・・ではなく、はじまった経緯は「CNET Japan」が短くまとめているので引用します。

“7月末にマサチューセッツ州在住のALS患者Pete Fratesさんの呼びかけで始まったこのキャンペーンは、指名されると24時間以内に100ドル(1万円)寄付をするか氷水を頭からかぶるかを選び、次の挑戦者を3人指名するというもの。もちろん氷水をかぶり、さらに寄付することもできる。
http://japan.cnet.com/marketers/news/35052612/

 いわば善意のネズミ講です。面白いというか、この活動の怪しさを物語るエピソードのひとつが、この「発起人」に諸説があることです。先に引用した「CNet」の他にも、元メジャーリーガーや、プロゴルファー説があります。SNSなら元を辿るのは簡単なはずですがね。

 偽善でもやる方がマシ。と考えるのですが、このバカ騒ぎが広まるにつれて、特に日本で広まるにつれて感じた違和感の正体に気がつきます。

 最近人気に陰りが見える田・・・イヤ、この実名は控えますが、落ち目のタレントの売名行為は仕方がありません。それを放送するテレビが悪いのであって、タレントは売れ残り真っ黒になったバナナを10円でも売ろうとする八百屋と同じ心境なのでしょう。

 日本における「アイス・バケツ・チャレンジ」を不快に思った理由をひとことで述べればこう。

“マスコミ集めてのバカ騒ぎ”

 呼ぶ方も呼ぶ方なら、集まるバカも集まるバカ。

 iPS細胞の山中伸弥さんが、「桶」で氷水を被る映像をみたときには、それこそ「いいね!」と思ったものですが、イラッとしたのが孫正義氏。

 こちらが山中伸弥さん。

 こちらが孫正義氏。

 「SoftBank」の社名の前に立ち、取り巻き集めてだらだらと説明し、次の三名を指名する段では、幇間らが拍手して盛り上げる姿に吐き気がします。

 山中伸弥さんが公開した動画は45秒。スマホかガラケーかわかりませんが、とにかくハンディな機器による撮影は手ぶれも激しく、英語で短いメッセージを発し水を被ります。

 対する孫正義氏の動画は3分37秒。水を被るのは3分5秒。固定カメラで撮影され、一眼レフの砲列が映り込みます。

 繰り返しますが、偽善でもやらんよりはマシ。だから否定はしませんが、こういう善意の輪を広げようという活動に、企業色を持ち出し、自己宣伝を匂わせたら、こうした文化が根付いている海外(欧米)なら、マイナスに評価され、ともすればバッシングされます。

 マスコミ集めてバカ騒ぎし売名行為。を、不快と指摘せず、良いことだからとスルーする。

 あえて高みから発言をすれば、文化程度の低さを露呈しているような恥ずかしさもまた、イヤ〜な感じの正体です。

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