美味しんぼ 鼻血ブー祭り その3「非実在青少年と出版社の厚顔」

 表現の自由と言えば、石原都政の頃、話題となった「非実在青少年」。端的に言えばゾーニングをルール化したもので、ゾーニングとはエロ漫画の販売「場所」の規制です。

 過激な性描写を含むエロ漫画が、成人指定されずに、一般の漫画と並べられて売られている状況に待ったをかけようというものでしたが、これにも「表現の自由」で左翼を中心に大反対の論陣が張られたものです。

 タレントの「DAIGO」の姉の漫画家が「元首相の孫です」と、立場にもならない立場を利用して都議会議員を折伏しようとして、返り討ちにあうという香ばしい事件を思い出します。

 これが通じるなら「元総理の親族」という貴族階級の誕生です。冗談じゃありません。

 で、「妹ぱらだいす!2~お兄ちゃんと5人の妹のも~っと!エッチしまくりな毎日~」という漫画が規制後、はじめて対象となり不健全図書に指定されました。

 すわ、表現の自由を守れ! と大騒ぎするかとネットの反応を見ると意外と冷静。なぜならこの漫画、「エロゲー」をコミカライズしたものだったから。

 内容はといえばタイトルそのまま「お兄ちゃんと5人の妹のも~っと!エッチしまくりな毎日」。

 発売していたのは「KADOKAWA」。ドワンゴと経営統合を発表した旧角川書店です。エロゲー系には定評がある出版社とも言えますが、条例制定後も成人向けの内容の漫画を、成人指定していなかったということです。

 出版業界に自浄作用は期待できないということです。

 そして出版業界と言えば

「復興予算で成人本電子化 被災地の情報発信促進事業」

 という事件がありました。被災地に無関係なエロ本を電子書籍にするために予算が使われていたというのです。

 コンテンツ緊急電子化事業というもので、「書籍の電子化作業に必要な制作費用の一部を国が補助する」となっております。

 紙の本を電子出版にするコストは出版社の負担でしたが、この作業を被災地で行うことで、復興を助けるという名目ができ、費用の半分を国の負担となりました。東北関連の書籍であれば、3分の2まで国が負担してくれるというものです。

 ところがその復交予算で電子化している書籍に、成人向けの書籍が含まれていたのです。

 「福島に住むな」と主張する「美味しんぼ」を世に送り出す、小学館もここに名を連ねているのですから悪い冗談です。

 ある大手新聞の記者は「噂話」と断りながらも、各出版社とも「売れ筋」とみている書籍の電子化は、この事業とは別に自社で行い、いわば「死に筋」の書籍だけが、被災地に廻されているといいます。

 つまり、自腹は切りたくないけど、国が半分お金を出すならという自己都合。被災地復興など眼中にないとは言い過ぎでしょうか。少なくとも「美味しんぼ」を見る限り、そう思えてなりません。

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