大政翼賛体制の中、消費増税が決まりました。
すると次男が逮捕されて、番組名に名前を冠するMCが秋休み中のTBSの朝の反日バラエティでは悪口を言い始めます。端的に言って卑怯者。
ついでにいえば、みのもんた。30過ぎて所帯を持つ息子の不祥事で親が社会的に罰せられるのはおかしいとラジオ番組で毒を吐きます。
仮に週刊誌報道などにあるように、長男のTBS、被告となった次男の日テレへの入社が「コネ」で、その後も後見人として日に影にバックアップしていないなら、みのもんたの主張は正論といえるでしょう。
20才過ぎれば、自分の責任。家庭環境によっては義務教育以降は本人の責任。
だと思うなら、どうどうと番組に復帰すれば良いのに。江戸の敵をポルトガルで討つ的な無理筋でも責任者や政府の責任を日頃問うてきた、みのもんた。彼の日頃の論理展開からすれば、縁故入社の是非はともかく、同業に就職した息子に親の七光りは輝いており、無関係と言い切るのは論理破綻。企業の不祥事で逃げ回る経営者を執拗に追究してきたのです。視聴者に判断を委ねるためにも出演するのが筋・・・ですが、卑怯者にその価値観はありません。
プロ野球ニュースのナレーションなどの「バラエティアナウンサー」なら、ここまで責任を問われることはなかったのでしょうが。これは小倉智昭氏や古舘伊知郎にも通じます。
さて、今朝のテレ東の『モーニングサテライト』にて、経済アナリストが増税による税収増を7.5兆円と見積もりましたが、先週触れたように5%で約10兆円の消費税収なら、3%アップの単純計算は6兆円。どうすれば1.5兆円もアップするのか一週間経ったいまも答えは見えません。
そしてフィナンシャルタイムも景気減速を懸念します。マクロ経済学から見れば、至極正論。
さりとて、決まったものは仕方がない・・・が、増税反対の立場からもうひとつだけ。
「超好景気になったら消費税減税はしないのか」
ということ。例えば安倍首相は消費税を社会保障費に充てるといいます。しかし、本当に消費税しか方法がないのでしょうか。ならばひとつの結論が導き出されます。
少子化対策ってやっぱ上手くいっていないんだ。
社会保障とまとめてしまうと見えづらくなりますが、各論でそれぞれの問題や課題があります。社会保障とは投信信託のような複数の政策のパッケージで、パッケージに対して手当を考えると個別の問題を見逃します。
少子化対策はそのひとつ。社会保障の問題は費用負担する子供や働く世代の減少と、負担を受ける高齢者の増加で、費用負担する世代が増えればイマの仕組みでも賄える・・・もちろん、現時点では夢幻ですが・・・つまり、需要と供給のバランスの問題です。
医療費なども同じ。年を取れば、どこかにガタがきて、不惑のわたしでも20代に比べればポンコツです。必然的に医者の世話になることが多くなるのですが、しかし、何がなんでも病院に通わなければならないのもおかしな話し。
偏頭痛、生理痛、その他一定程度の痛みなら「ロキソニン」でも飲んでおけば対応できます。※個人により異なります。症状が改善しないときはお医者さんへ。って当たり前ですが、バカ対策として記しておきます。
素人の判断はこわい、だから医者へ。これは大学病院に患者が殺到する理由です。町医者より、大学病院のほうが大きいから安心できる。誤解もありますが、なんでも医者へ通わせる風潮を創り出しながら、医療費を抑制することなど不可能です。
軽微な症状、対処療法しかない症例なら、薬や安静しかなく、ならば市販薬で対応できる体制にすれば、医療費を抑制することができるなか、これに手をつけず、さらにその薬のネット販売(通販)を規制しようとやっきになっています。
つまり「社会保障」というパッケージにすると、消費増税やむなしとなっても、個別に見ると、まだまだやらなければならないことが残されているのです。
そして、こちらはさらに「言えないこと」。
ひとはいずれ死ぬ。だから高齢者が突出して多い、人口構成比はいずれ改善される、あるいは改善されなければ人口が減少し続け、日本民族が消滅します。民族が消滅すれば、消費税など関係ありませんが、その前に人口構成比を改善すれば、将来的な消費税の減税もあり得る、また、先に掲げた小学生並みの発想かも知れませんが、
「空前の超好景気」
になったとすれば減税もあり得るという発想が一切出てこないことは「言えないこと」なのでしょう。
上げた税金は下げない。財務省の論理です。
好景気はともかく、高齢者はいずれ死んでいく・・・これは人間の真実であり、30〜50年のスパンで考えれば、団塊ジュニアも大半は世を去り、社会保障費の増加は「一過性」という可能性もあるということです。そして建設国債は60年スパンで考えます。そこから暴論を覚悟で言えば「社会保障国債」で凌ぐことも不可能ではないのではないかと。
はてさて仕方がありません。増税は決定しました。
決定した途端、ワイドショーがこぞって景気の腰折れや、低所得者の犠牲を取り上げるのは彼らの「アリバイ」づくり。決定前の論調はあくまで「やむなし」。堂々と反対意見が述べられていたのは、東京MXテレビの株式番組「マーケットワイド」ぐらいです。
増税による景気減速への対応として、景気刺激策が検討されており、やはり目玉は「法人税減税」でしょう。
世界的に見て高い法人税は企業の競争力を損ねるので、企業のつなぎ止めから、さらに誘致を目論むなら、迅速な引き下げが望ましいところです。
そしてこれに対して、個人からむしり取る消費税は増税して、企業を減税するのは企業優遇だという批判をワイドショーが仕掛けます。
会社経営者の立場から見てみます。
「社員が身を粉にして働き、胃が痛むような決断をトップが下して稼いだカネの利益の半分を税金で持って行かれる」
実際には半分ではありませんが経営者の感覚的にはこれぐらい。利益を残しておければ、景気低迷や売り上げ不振を補填できるのに、税金は容赦なく持っていきます。赤字になっても補填してくれません。ついでにいえば、持っていくのはノンリスクの役人です。さらに補足をすれば、法人社長は儲かったからと自分の給料を上げることは簡単にできない仕組みになっており、上場企業なら言わずもがなです。
腹立たしいのでついでに言えば、前回の消費増税以降、デフレに突入した日本経済の舵取りをした役人の誰ひとりとして責任を取っていません。選挙の洗礼を受ける政治家と違います。
法人税減税に対して、「企業=悪」「経営者=資本家=搾取」という日教組的な視点からの批判を散見しますが、経営者の立場の感情論からみれば、他国と比較して高い法人税は面白くないことは理解できるでしょう。
納税後に残った利益は次の事業への投資の原資です。上場企業なら、ここから「配当」へと廻されるので、法人税減税は投資意欲を増すことへも繋がります。
さらに何度も触れていますが、日本国は貯蓄から投資へとルールが変更されており、配当性向の高まりは投資する個人へも還元されるので、法人税減税は決して企業だけを優遇するものではないのです。
ちなみに法人税減税による従業員の所得増加=給与アップは期待できません。給与は税引き前の経費に含まれるからです。法人税減税において混同した議論を多く見かけますが、まったく別の次元の話しです。
そしてこれも混同した議論なので区別しておきますが、少子高齢化による人口減少から、海外投資を呼び込まないといけない、その為の法人税減税というのは別の議論を直結したとんでもないもの。
人口減少への対策なら議論すべきは「移民の受け入れ」です。少子化対策はすでに失敗しているのですから。
海外から投資されても人口がなければ、なにもならず、そもそも活力のある市場か、活力のある企業がなければ外国人が日本市場に投資するわけがありません。人の不足は人を持ってしか補えません。
法人税減税により企業の収益性が高まり、さらに配当性向が上昇すれば外国人投資家による、日本への投資が多くなるのは本当ですが、これは痛し痒し。日本の企業が稼いだお金が配当を通じて、海外に流出するからで、いま韓国がこれにより国富がダダ漏れしています。彼の国ご自慢のサムスンの株主の半分以上が外国人で、サムスンが利益を出し配当すれば、その富が国外に逃げてしまうのです。
先の人口減少による国力の低下を補うには、海外企業への投資で、いまの韓国が置かれている状況と反対のことを、日本国、日本企業、日本国民が行わなければならないことで、TPPとも絡む問題ですが、議論が拡がりすぎるのでひとまずここまで。
法人の前に個人だ、とは情緒論に過ぎません。
増税発表から安倍首相は、各テレビ局の「独占インタビュー」に応じたなかで、個人への減税や対策を問われてこう答えました。
「貯蓄に廻してしまう」
それは野党に下野したから辿り着いた境地でしょう。
地域振興券、定額給付金、児童手当。
個人に金をばらまき続けたのは自民党です。振り返ればお馬鹿な政策を繰り返したものです。そして野党時代は高校無償化、こども手当。
与党時代に重ねた自らの失政を、野党となりまざまざと見せつけられての結論が首相の発言です。金持ち優遇と批判されても、法人を利するしか消費が喚起されないと気がついたということです。
つまり、安倍首相の発言は自虐的なギャグです。
給与が増えなくても消費税は増税されます。生活は苦しくなるかも知れません。国は助けてくれません。もっともこれは当たり前のこと。そうルールが変わってから、10年以上の月日が経っています。
ルールが変更されたのは、いみじくもイラクで三馬鹿トリオが大騒ぎを起こしたころと重なります。日本を席巻した「自己責任論」とは、日常生活においても適用されます。
来年からはじまる「NISA(これも問題がある制度ですが)」についても「知らなかった」では済まされません。