景気の底上げ感を感じたのは先週末のパチンコ店。けっして上品とは言えない階層の人々ですが、しかし、それでも客がはいっているのは最近見なかった光景です。確実に仕事にありつける状況から、小銭を増やしてもっと豪遊しようとは上品ではない人間の発想ですが、こうしたボトムアップの景気高揚は大歓迎です。なぜなら、ITバブル以降、ヒルズ族の周辺海域の高額所得層の景気は循環しても、けっして下々にまで降りてこないからです。
それはさておき、ローソンが旗振り役となり「給料アップブーム」がやってきています。どんな形でも良いこと。ベースアップが難しければ、一時金でも従業員に還元すれば、消費は刺激され景気が回り始めます。
便乗でも売名でも良いことの連鎖は歓迎すべきこと。しかし、セブン&アイ・ホールディングスのベースアップはちょっといただけません。「子どもがいる社員の引き上げ幅を大きくした結果、35歳で子どもがいる社員の場合、年収が12万円増える」と好意的に報じるのはスポンサーさまだからでしょうか。しかし、これは半年前にでた記事。
セブン&アイ・ホールディングス(HD)の傘下のスーパー、イトーヨーカ堂が、平成27年度をめどに正社員約8600人を4千人程度に半減させる方針を固めたことが8日分かった。合わせてパート社員を新たに7千人採用し、パート社員の比率を現在の75%から90%に引き上げる。それにより、27年度の人件費を約100億円削減。スーパー業界の低価格競争が激化する中、人件費抑制で経営の改善化を図る。(2012年9月8日 MSN産経より)
これは「牛肉全品3割引」と謳っておきながら、元値を3割上昇させているようなもの。つまり、正社員に残ることが高い関門で、減らした正社員の人件費を再分配して、それでもまだ会社に残る金のほうが多いというのは単純な算数です。まずはこの撤回をしてからの正社員の給料アップでしょうが。